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異世界冒険者奇譚  作者: 海風屋
ルビナリオにて、魔法使いの宣言
135/142

二章:ルビナリオからやってきた彼は、2

ふむ、とひとつ息を吐いて。トラおじじは一瞬思案の海に漂う。

そして出した結論は。


「他のお客人もいらっしゃるのじゃが、それでもよければ今からでもお会いできます、と伝えてくれんかの。」

「わかりました、ではその様にいたします。」


〈森の輪〉と〈笑顔の行進(スマイル・パレード)〉も同席の上で面談ルート。両者共にルビナリオに向かうわけであるし、ここでAランククランのリーダーと面識ができるのはありがたい。トゥエラはAランククラン…?と若干怖気付いていたが、さもありなん。微動だにせず楽しそうにしているエデュライナが凄いよ。

それよりなにより、これでルビナリオの生の声がきける。

扉の前から冒険者ギルド支部の職員の気配が遠のき、階段のほうに向かう。


「ええと、さっきのは…?」

「まだオートラナの存在を広めるわけにはいかないだろうし、第三者視点だとただの不法侵入者にしか見えないだろうし。

一区切りとするには、ちょうど良かったのかもしれないねぇ。」


面会希望者が来るまでの隙間時間で、トゥエラが先程のオートラナ撤収について、キュウヤに声をかけていた。

まぁ、唐突ではあったのだが。冒険者ギルドノルキスタ支部の入り口の扉から入って来ていない見知らぬ人物とか。第三者視点だと、どこから入って来たんだこの不法侵入者!?ってなる気配しかしない。

しかも鉄の剣で斬りかかられても傷ひとつつかずに逆に剣のほうが折れる可能性が高い見知らぬ存在とか、恐怖の存在にしかならない。…オートラナって、基本的に素肌がとっても頑丈なんですよ…生半可な攻撃じゃあ傷もつかないんですよ…。触った感じも見た目もヒトの肌とそう変わらないのに、である。

仮に第三者にオートラナを見られた場合。いくら旅人達含むトラおじじ達が冷静でも、ギルドマスター室にやって来た第三者が発端となる騒動に発展しそうなので、見知らぬ存在はとっととお家に帰ってもらった方が色々と安全なのである。

旅人達が呼んだんだけどね、こればっかりはタイミングの問題だよねぇ。後でフォローしとかねば。

さて。ギルド職員も、Aランククランのクランリーダーも、まだ来ない。


「ところでトラおじじさん。確認の為にもお伺いしたいのですが、〈森の輪〉と〈笑顔の行進(スマイル・パレード)〉が現状こちらのギルドマスター室におりますのに面会をお受けしたのは、どんな理由がありまして?」


にこにこと、手を頬に当てながら。アヤナがトラおじじに問う。

ふむ、と、豊かなお髭を撫でつつ、トラおじじが答える。


「まず一つは顔つなぎじゃの。ルビナリオに行った際に頼る先があるのとないのとでは安心感が変わるじゃろうて。」

「新人冒険者の子達を雇う時に、ルビナリオでの立場がある人も絡んでいるとなれば安心感も与えられますものね。是非ともご協力いただきたいですわね。」

「その辺りの協力は割としてくれそうじゃと思うぞ?あちらのクランとしても、冒険者ギルドルビナリオ支部をどうにかしたいという気持ちを持っておるようじゃし。スタンピートの一件もあるしのぅ。

…そのスタンピートの事が、もう一つの目的じゃのー。」


割と、気さくっぽいのだろうか。

ルビナリオでも有力クランの気配がするし、自身のクランに所属していない新人冒険者支援の方策があれば柔軟に取り入れて支援してくれる可能性があるくらいには、素敵なクランリーダーなんだろう。きっと。

そういえば。…ダンジョンのある街だからこそ、強いクランは複数あるはず。それならば、そういったクランがまとまって新人冒険者を保護するなり何らかの指針を出せばまた状況が変わって来そうなものなのだが。

…そのルビナリオでも有力なクランが一つ単独で動いて、尚且つクランリーダーが、今ノルキスタに来てる?恐らく、複数のクランが、方針の違いでまとまって動けていないのだろう。

では、今のルビナリオの現状での方針の違いとは何を指すのか。冒険者ギルドルビナリオ支部の新人冒険者に対する仕打ちへの考え方、だろう。

…もしかしなくても、有力なクランの一部が冒険者ギルドルビナリオ支部と一緒になってやらかしてる可能性が十二分にあるなこれ!?か、確認せねば…!

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

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