二章:ルビナリオからやってきた彼は、3
ミルキィが予測を立てて、脳内で頭を抱えたくなっている横で。トラおじじ達の話は進む。
「ルビナリオに行った時に、冒険者ギルドルビナリオ支部に宿屋紹介してー!ってしてもさ、ちょーっと信用出来ないもんねぇ。」
「そうだな。かと言って、こっちは宿屋を取らないっていうのはできないしなー。
なら、紹介してもらった宿屋に泊まるのが良さそうだよな。」
「〈森の輪〉は昇格したてとはいえCランクだし、別の支部から一時的にルビナリオに行っているだけだし…大丈夫じゃね?と言いたいけど微妙に言い切れねぇ…!」
「Eランクのグラシャが一時的に加入するからどうなるかなのだなー。
ま、全部冒険者ギルドルビナリオ支部のせいなのだ。そういう事にしとくのだ。」
ルビナ、アトラ、ノート、シルトが割と容赦ない会話をしている。特に旅人達側。
まぁ、事前情報だけで冒険者ギルドルビナリオ支部の一部が信用出来なさそうなのはわかるし、そういう判断になるのもわかる。
宿屋泊まるんだったら、グラシャの宿泊費用も渡すねー、と、スノゥがある程度の概算を見込みながらルビナとアトラに告げている。
グラシャ自身が採取無双しそうなので、自身である程度稼げそうではあるが、売却先が冒険者ギルドルビナリオ支部なのでお安く買い叩かれそうな予感がね…こうひしひしと。先にある程度まとまったお金渡しといた方がいいなぁ。あ、ルオルの下宿先もどうにかしとかねば。
…気が付けばタスクが増えていくのだが?
「ちなみにトラおじじ的には、Aランククランのクランリーダーってどんな人だった?」
「んむ。エデュライナ殿と同系統の御仁だと思うぞ。」
「なるほど。それなら信頼できそうですね。」
キュウヤの問いの答えを聞いて、即座にトゥエラが結論を出す。その結論を聞いて、エデュライナがひっそりと照れている。
表情とかは変わらないんだけどね?視線逸らしているし、雰囲気がひっそりと照れている。
若干ほんわかした雰囲気が漂っているところ、再びギルドマスター室の扉をノックする音が聞こえた。
「再度失礼致します。
Aランククラン〈曙光の戸〉クランリーダー、エファリオ・ルテン氏をお連れいたしました。」
「ご歓談中に失礼する。入室してもよろしいだろうか。」
しっかりどっしりとした男性の声が、ギルドマスター室に聞こえて来た。
「うむ、ご案内ありがとうのぅ。
エファリオ殿はどうぞ、入室してくだされ。」
「失礼する。」
がちゃり、と。扉を開けて入って来たのは精悍な顔付きの男性である。扉の隙間から確認するに、案内してきたギルド職員の人はもういなかった。行動が早い。
しなやかな筋肉がついており、足捌きも澱みなく。…前衛系の冒険者とみた。
「どうぞ、ドレグの横に座ってくだされ。」
「承知した、失礼する。」
「どうぞ。」
二人掛けのソファに一人で座っているドレグの横に、ゆっくりと、しかしどっしりと。Aランククランのクランリーダーは座った。そして、ギルドマスター室の内を、〈森の輪〉と旅人達を見渡した。
「ふむ、お初にお目にかかる方々も多いな。
私は、主にルビナリオのトレハ森林群に存在するダンジョンで主に活躍している、Aランククラン〈曙光の戸〉のクランリーダーをしているエファリオ・ルテンというものだ。よろしくお願いする。」
ぺこり、とエファリオは表情を変えずにお辞儀をする。ハキハキと喋るその声色はしっかりとしている中に優しさを感じる。うん、確かに、エデュライナと同系統の人物の気配を感じる。
〈森の輪〉と旅人達が口々に挨拶と名乗りを返し、それがひと段落したところで、エファリオはトラおじじに声をかける。
「彼らとの会話中に私が同席を許されたのは、彼らがルビナリオに来てくれるからだろうか。」
「そうじゃの。今回冒険者ギルドノルキスタ支部が明確に送り出せる冒険者で、なおかつ切り札的存在じゃよ。」
ふぉっふぉっふぉっ、と。お茶目な声色で、トラおじじは真っ直ぐにエファリオを見つめながら、告げた。
さーて、どこまで開示するかなぁ。
読了ありがとうございます!
また次話お会いできると嬉しいですっ。




