二章:根回し中の、想定外と。2
スタンピートに遭遇した事があり。貴族との交流もある、元来一般日本人だったミルキィ。(なお、ミルキィの出身の日本に、ダンジョンは無く貴族はいない。)
5/13 漢字変換ミスー!!?
…若干、貴族籍のある相手、という事で過剰反応を起こしているのは否定しない。
理由は至極簡単。場合によっては貴族籍のある相手と下手に絡むと、とんっっっっっでもなく面倒くさいことになりかねないからである。
例えば、冒険者として名を挙げていたところに、会ったことも知り合った事もない貴族から唐突に指名依頼で。何処にいるのかもわからない、むしろ存在しているかどうかすら判明していない伝説上の竜を狩って来い、なぁんて言われるとか。しかも、報酬は名誉だけという、メリットはどこ?と言いたくなるタイプであった。そして何故そんな依頼を取りまとめようとしたんだ、当時の冒険者組合。問題しかないわ。当時の冒険者組合は国寄りの機関であったので…貴族の威圧に負けたのだろうか。
ところでこの依頼主は誰やねん、となっていたところに以前の依頼で知り合った貴族の人が、これまた謝罪に来て。理由を問うと、優秀な冒険者だったと、夜会で旅人達の事を話したらしい。それを聞いた依頼主が、知り合いの貴族への嫌がらせ三割、欲望七割でこの指名依頼を出してきた事が判明。
なお、知り合いの貴族の方が爵位が高かった為、指名依頼は取り消しとなったが。ちょっとお返しの為にとあるモンスターを狩り、元依頼主となった無茶振り貴族に見せびらかしに行った、という後日談ならある。なお、とあるモンスターは生半可な戦力じゃあ蹴散らかされて終わるタイプのモンスターである。飛行タイプって、対策立てないととんでもない被害を生み出すからねぇ。
いやー、厄介なタイプの貴族だったね、と、苦笑しつつ告げるキュウヤに、なんとなくそこで同意してもいいものか、つっこんでもいいものか微妙に悩んだ記憶がある。言ってる事自体はその通りだとは思うんだけど。
さて、その貴族籍にいる冒険者に対する依頼である。そして、それを受けるに当たっての条件である。
人差し指を立てながら、キュウヤが口を開いた。
「条件はいくつかあるんだけど。
まず一つ、ノルキスタの領主にはルビナリオの騒動が収まるまで沈黙を守ってもらう必要があるんだけど。魔法使いの情報を全開示した上で、先ほど話したルビナリオに行ってもまあおかしくないだろう、背景の設定による、俺とミルキィの身分保証が貰えると嬉しい。
そうなれば、領主達で話し合った上で対スタンピートの対策の研究の場に新人冒険者である貴族籍のある冒険者が同行したという形に持っていく事が出来るかな、と。冒険者ギルドルビナリオ支部の調査で行く、よりかはまだ自然な形でルビナリオに行ける、と考えてる。」
若干想定した方向とは違うのか。トラおじじは片方を眉を上げながら、キュウヤの言葉を聞く。
条件の内容は、旅人達の利もありつつ、貴族籍のある冒険者にとっても悪い話ではない、はず。多少の危険も含んだ上で、貴族籍のある人が自ら調査しようというのだ。
ま、悪いようにはしませんよ?
「二つ目。冒険者ギルドエルヴァリオ支部のある領主への俺、ミルキィ、ルディの魔法使いの身分開示。こっちもルビナリオの一件が解決するまでは他言無用、何があろうと第三者には話してはいけない事項としてもらう。
…少なくとも、Aランクの魔獣を討伐可能な登録した他のEランクの冒険者が依頼を受けた。というよりは、Aランクの魔獣を討伐可能な魔法使いが依頼を受けた。の方が親御さん的には安心じゃないかな?
それと、同行者がたくさんいる、というのも開示してもらってもいいかもしれない。従者やメイド担当のオートラナもいるし、食事は質素になる可能性はあるけど、基本的に生活を送る上ではあまり負担はならないと思う…っていうのも利点になるかな。」
この開示は、貴族籍のある冒険者の親御さんが安心できる材料としての側面もある。まぁ、それだけじゃないけど。
魔法使い開示担当と担当外を分けるのは、単に情報漏れに対する警戒である。例の通信系魔道具を使ってやりとりするのだろうけれど、傍聴の懸念がないとは言い切れないからね。
開示担当の前でとりつくわれたとて、担当外という伏せたカードがあれば、そっちから色々できるかもという想定である。準備と仕掛けはいくつあってもいいじゃない?
読了ありがとうございます!
また次話お会いできると嬉しいですっ。




