二章:事前準備は指差し確認してでも、万全に。4
この後、問屋さんちに行ってお安い木材を色々購入してオートラナに託し。板材加工してもらったり、板材を頑丈になる様に加工してもらったり、椅子や机や寝台や作業台、まな板などを作ってもらう様にウィルフェアから伝えてもらう予定を立てる。
まだ、確認作業は終わってないという現実。
そうだ、あれを確認しておかねば。
「そういえばさ、ちょっと確認したいんだけど。」
「いかがしました?」
ミルキィが声を掛けると、ドレグが次の発言を促した。
「マジックバック、魔法鞄、アイテムボックス、アイテムポーチ、拡張済み収納袋、サンタさんの袋…名前はなんでもいいんだけど、袋や鞄の内部が空間拡張されてるものって、この世界に存在するの?」
あったら〈収納〉がわりに使えるので便利なのだが。〈収納〉使える面々を制限するなら、別の方法で加工済み板材や完成した家具やら、食材や素材、調理器具などキャンプやスタンピート時の拠点で使いそうな道具などをどうやってルビナリオまで持っていくのか、という問題が出てくる。
なお、旅人達はほぼ無制限に〈収納〉出来るが、人によっては広めのリビングルーム分しか〈収納〉出来ないなど、個々人で容量制限が存在する。
となると、人の中に埋没できる様に振る舞うならば、旅人達も大量の荷物を〈収納〉の中に入れないのがいいと見た。ただし、そうなると別の手段でルビナリオまで持っていく必要があり…そのための手段としてミルキィが思いついたのが、空間拡張系の鞄である。
そんなミルキィの問いに、首を傾げるトラおじじとドレグ。記憶の中の知識を検索しているのだろう。割とこの後の動き方に関わってくるので、存在している方がありがたいのだが、こればかりはどうしようもない。
「あの、聞いたことのないものがたくさんあるんですが。」
「単語の中に、昔々の勇者や魔法使いが話されていたものがありますのぅ。サンタさんは、赤い服のお爺さんだったですかのぅ。」
まさかのサンタさんがトラおじじの知識にヒットした様子。
「トラおじじは白いもこもこのついた赤い服を着ると、サンタさんになれると思うよ。すっごい似てるから。
で、それ以外は聞いたことはない感じ?」
「攻略難易度が高く階層の多いダンジョンの奥深くの宝箱より、収納袋なる魔道具が出てくる事があると、聞いたことならありますなぁ。なんでもその効能は、〈収納〉に近いものであると。中に入れていたものは徐々に傷んでいくものの、見た目の何倍もの量が収納袋に入り、尚且つ中に入れたものの重みはほとんど感じられないと。
その冒険者が収納袋を保有できているかいないかという一点だけで、ダンジョンの攻略難易度がかなり変わる、とは割と言われておりますな。
そういえば、数十年前に王族が支援した冒険者がダンジョンの攻略の際に幾つか一緒に入手できたからと、その王族に収納袋を献上したという記録も残っておりますのー。」
トラおじじが情報を教えてくれるのだが。…トラおじじって、王城、あるいは王都で働いたことあるのだろうか。
献上されたくだりを聞いて、ドレグは目を丸くしているのだが。それなりに昔の話なのだろうか。
エデュライナがそんな事もあった、とトラおじじの情報を肯定しているのだが。え、実は調べたらすぐわかる話だったとか…?ルビナが、エデュライナも物知りだねー、と言っているあたり、今はそこまで有名な話ではなさそうではある。
それはともかく。攻略難易度高めの奥深くの宝物から出てくる様な魔道具ならば。
「…流通量がとっても渋そうな気配がするねぇ…。」
「基本的に、収納袋はダンジョン攻略を主軸に置いておる高ランククランが仕舞い込んどるものになるからのぅ。
市場に出てくる事自体が稀である上、高ランククランが収納袋が市場に出たらすぐに高額買い取りをすからの。簡単に買えるものではないのー。」
渋い表情を浮かべてミルキィが呟くと、トラおじじから追加情報が。
しょうがない…正攻法で入手できないのなら、つくるか。
読了ありがとうございます!
また次話お会いできると嬉しいですっ。




