二章:事前準備のすり合わせを。10
「人数を伝えていないのならば。
できる事ならあんまり魔法使いが誰かを開示したくはないんだけど。冒険者ギルドの他の支部に、魔法使いが誰か、を開示しないといけなくなった場合。全員開示する必要もないよね?」
うっわ、ミルキィがいい笑顔だ、というノートの声が聞こえるが放置して。トラおじじとドレグに問う。
「…二段構え、ですか?」
「そう。全員開示していなければ、万が一〈笑顔の行進〉の一部が魔法使いである、という情報が漏れたとしても、残りの面々が伏せられている以上、作戦が突き刺さる可能性が少しでも残るでしょ?」
まぁ、その為には〈収納〉使える面子を更に減らさねばならんわけですが。少なくとも、キュウヤとルディは開示必須な要因を抱えているので、この二人は確定で魔法使い開示組、もとい〈収納〉開示組です。
この領域における情報伝達の方法や、情報漏洩する可能性のある経路などに、旅人達はそこまで詳しくないので、情報漏洩に関しては警戒しすぎである可能性の方が高いのだが。
魔法使いへの対応の仕方という罠を仕掛ける以上、中途半端はよろしくない。やるからには徹底的に、である。
「すごく、警戒されてますね…?」
「まぁ。伝え聞く感じだと、冒険者ギルドルビナリオ支部の上層部でやらかしてる面々はそう警戒しなくていいかな、とは思ってるんだけど。
警戒すべきは、冒険者ギルドルビナリオ支部の上層部がやらかしている背後で動いている誰か、だよね。」
一番の警戒すべき相手であり、なおかつ必ずや表に出さなければならない相手である。罠に引っかけれたら良いのだが、そううまくいくか…。
ミルキィの言葉を聞いて、トゥエラが真面目な表情を浮かべて、口を開いた。
「ずっと言われてましたよね、誰かが背後にいる、と。」
「うん。改めて言うんだけど。
スタンピートの予兆の観測がはやかった、ってことは。誰かが何かしらで介入した結果であると推測できるし。
そもそも、検査に合格して問題ないと判断されたギルドマスターが、就任一年目もたたないうちから問題を起こしている。
元々そう言う本質持ちで、うまーく猫かぶっていたっていうなら、こんなところで本性出すんじゃないよ!としか言いようがないんだけど。…誰かしらの思惑の影響を受けた、って可能性も否定できないかな、と。」
ミルキィが考えていたことを話すと、トラおじじもドレグも考え込んでしまった。
この辺り、考えたら考えすぎになってドツボにハマりそうになるのだが。多分今回は考えすぎるくらいでちょうど良さそうな気がしている。
事はもうすでにスタンピートにまで発展し…下手をすると人命にすら関わってくるのだから。
「低ランクの冒険者の扱いを軽んじる事で、ルビナリオの街からの冒険者の流出を招き。
冒険者が流出したことにより、ルビナリオの街でクエストが滞った可能性があり、また、ダンジョン攻略の人手不足を招き。
結果、スタンピートの予兆が確認されるようになってしまった。
…改めて言語化すると、確かに何かしらが背後で動いていてもおかしくないですね。この現状。」
「なんだよねぇ…。」
改めて分析し直すと、割と頭痛くなってくる状況だぞ?
ドレグが額に手を当てて、悩んでいる現状である。
「まだまだ世界情勢やら地方情勢やら常識には疎いからさ。じゃあ背後で動いているのは誰なんだと言われても全く答えれないんだけどねー。」
「その辺りの推察は、冒険者ギルドと領主様とでさせて下さい。推論がまとまったら情報共有しますね。」
ドレグからの提案。
それは、是非とも、是非ともよろしくお願いしたい。というか、世界情勢とか地方情勢とかいろいろ知りたいねぇ。自力でも判断できるようになりたいミルキィである。
読了ありがとうございます!
また次話お会いできると嬉しいですっ。




