二章:事前準備のすり合わせを。9
にっこりにこにこ。トラおじじの笑顔と変わらない雰囲気を漂わせるミルキィである。
「トラおじじもだったけどさ、ミルキィもおこじゃん…。」
「まぁ、我々もダンジョン潜るのは楽しみにしてましたけど…現状、普通に潜れそうにないですからね。」
「新人冒険者という立場の弱い存在を、強い立場のものが獲物にしている現状も良くはないな。」
的確に、ノート、クロム、フォードがミルキィの心情を当てていく。
ミルキィが三人の方を振り向いて、更に追加する。
「ついでにこれを隠れ蓑にしてそうな何かが動いてそうな気配がするのも嫌だ。ってのも、のせといて。
確証も何も無いけどね。」
「そういう時のミルキィの勘の当たり方、とんでもないんだが?」
はっはっはっは。いっろいろ、ちゃんと調査する必要がありますね?忍者五兄弟には色々頑張ってもらわねば。
それはとりあえず横に置いといて。ドレグの方を向いて、ミルキィが確認をとる。
「で、さっきの案はどう?」
「皆様方さえ良ければ、割と現実的に有効な手立てのように感じました。
まず、冒険者ギルドの他支部との連携はどうにかなりますね。内容は明かせないが、冒険者ギルドルビナリオ支部の問題児達を、冒険者ギルドが絡む形で制裁できる案がある、と言えば恐らく協力してくれるかと。こちらに魔法使いが来たという事は、各支部のギルドマスター達には伝えてますからね。ルビナリオ支部には伝えれていないので、魔法使いが現状でやってくるとは考えていないかと。
ただ、小屋を立てたいという希望についてですが。領主様に土地利用に関するお願いは出せますけれど…交渉次第ですので、もしかしたらお断りされるかもしれません。」
割と好印象な気配である。
実行するためには、旅人達が検証するに足る身分の背景と、行動に至った背景もまたしっかり固めないといけないのだが。この辺り、全員がしっかり矛盾しない説明を出来ないと。
個々人で間違った事を言うと違和感持たれて警戒される元でしか無い。冒険者ギルドルビナリオ支部の面々に警戒されると、目的を達成する為の行動をしてくれなくなるかもしれないので、とっても避けたい。
背景決めよろしくー、と、〈念話〉で会話中静かな面々に詳細決めについては任せて。ミルキィは一つの提案をする。
ちょっと待て!?という〈念話〉が聞こえてきたけど知らんぷりを決め込む。ウィルフェアが、オートラナへの周知はお任せください、と、ぴっかぴかの笑顔で〈念話〉に参加していた。
「スタンピート対策の一環として小屋建てたいって希望しているのが、1段の魔石の出た魔獣を倒した魔法使いだ。っていう情報は、交渉に使える?」
「使える、かとは。少なくとも、冒険者ギルドルビナリオ支部の問題児達がどうにかなるまでは、あまり情報が広まらないようにこちらからお願いしておきますね。」
要は、強めの魔獣も倒せるぐらいの魔法使いが対スタンピートに参加する、という情報を明かすのだ。尚且つ、冒険者ギルドルビナリオ支部が魔法使いの存在を知り、警戒しないように情報封鎖もお願いしてくれると。
「そういえば。冒険者ギルドの他の支部って、魔法使いが何人現れたとか知ってるの?」
「わしが報告したのは、魔法使いが現れ冒険者登録したから、冒険者ギルドノルキスタ支部が後見に入ったからのー、ぐらいまでじゃなぁ…。」
髭を撫で付けながら、トラおじじが話す。人数までは言ってないと。それなら、来た魔法使いの人数が一人、ないしは少人数だと思ってくれているかもしれない。
魔法使いは一人から四人までの少人数で現れ、一人で現れる事が一番多いらしいから、今回もそんな人数だろうと思っていてくれるのなら、その認識も使えそうである。カモフラージュに。
読了ありがとうございます!
また次話お会いできると嬉しいですっ。




