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二章:事前準備のすり合わせを。3

オートラナの情報共有能力について聞いてから、何か悩んでいる雰囲気を醸し出していたドレグが、ウィルフェアに向かって口を開いた。


「一つ、お聞きしたいのだが。」

「私めにお答えできる事でございましたら。」


優雅にお辞儀をして、ウィルフェアはドレグに応える。まぁ、何でもかんでも答えれるわけでない事はドレグも承知の上だろうけれど。


「例えば、この冒険者ギルドノルキスタ支部にオートラナがいる場合、ルビナリオで活動している密偵の情報を即座に受け取る事は可能だろうか?」

「勿論でございます。

特に重要そうな情報がございましたら、即座に報告するように指示を出す予定でございます。また、紙媒体の帳面や指示書などが見つかりましたら、即複製を取るように、とも指示を出す予定でございます。」


にっこりと微笑みを崩さないウィルフェアである。

それはさておき。ドレグがオートラナの有用性に踏み込んできた感じがする。

通信機器の流通が限定的で、通信機器に頼らない情報のやり取りには時間が掛かる。エルグラン大森林群でのダンジョン誕生の騒ぎで動かせる人材も少ない。この環境下なら、オートラナ無双できるからね。

考え込んだ表情を浮かべていたドレグは、一つの答えを見つけたかのような表情を浮かべると。トラおじじの方を振り返り、一つの結論を話し出す。


「ギルドマスター、オートラナの方々に密偵をしてもらうのは現実的に有効な手段だと思われます。」

「んむ。更に重ねて問いたいのじゃが、オートラナ間における情報のやり取りは、第三者がその情報を確認する可能性はないのかの?」


穏やかな声で、トラおじじが更なる確認をウィルフェアにたずねる。

というか、通心傍受される可能性があるんだ…?まぁ、通信に関して技術が確立しているのならば、傍受に関してもまた技術が研ぎ澄まされていくのだろうか。

…通信の魔道具を作って、使用していたら傍受されている可能性があったのか。ルビナリオに行った際に、ノルキスタにいるトラおじじ達との連絡を取るために作ろうかどうか迷っていたのだが、作らなくて正解だったのかもしれない。

冒険者ギルドの通信機器は、おそらく傍受に関して対策を取っているのだろう。そうじゃないと、今回のルビナリオの一件で使えないはずである。変に情報が漏れたら行ってきた準備が水の泡である。それどころかルビナリオで暴れてきた面々を処罰できない可能性も出てくる。冒険者ギルド的には、それだけは避けたいだろう。すでにルビナリオの領主から物言いがはいっているわけであるし。


「我らオートラナの情報網は独自の防衛機構を採用しておりますので、第三者に情報の送受信を傍受される危険性はほぼ皆無でございます。

それに、オートラナの情報網で使用されております言語は、こちらの世界の言語とは全く異なるものでございますので。仮に傍受されたとて、内容を理解する事はほぼ不可能かと。」


しかも、オートラナのネットワーク上の情報は傍受対策として、暗号化されているので。更に解読の難易度が倍率ドンである。

言語がわからないところに暗号まで入ってくるので、現状、オートラナのネットワーク上の情報が一番情報漏洩のリスクが少ないのではなかろうか。うちのオートラナって、すごいんだよ…。

ウィルフェアの説明を聞いて、トラおじじとドレグが二人揃ってそれならば、という表情を浮かべてから。話し合いが始まった。


「まって、待って。トラおじじ、ドレグ、〈森の輪〉との情報のやり取りって、どうやってするつもりだったのー?」

「冒険者ギルド的にはおおっぴらにはできん、内緒の話にはなるんじゃがの。離れた場所でのやり取りが必須になる状況がきた時用に、冒険者ギルドの支部には特定の通信用の魔道具にしか声を送れない通信の魔道具が幾つか存在する。

その内の一つである、わし直通の通信用の魔道具を貸与する予定じゃった。」


トラおじじが、悩ましい表情を浮かべたまま、ミルキィの問いに答える。

そうか、トランシーバー的なものがあるのね。ちなみに、燃費と通話可能距離はいかほどなのだろうか。距離がある程度離れると、燃費悪そうである。

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

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