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二章:冒険者ギルドノルキスタ支部のギルマスの言う事にゃ。2

〈曙光の戸〉がE 、Dランクの冒険者をノルキスタに連れて来た。つまり本格的に、ルビナリオから人材流失し始めている。講義の日にルビナリオの情報を聞いた際にも、その情報を持って来たのはルビナリオの冒険者だったけど、大人数で移動して来たわけじゃなさそうだし。

冒険者ギルドルビナリオ支部主体でE 、Dランクの冒険者を冷遇していたら、そらそうだとしか言えないけれど。新人を冷遇していたら育つものも育たないし、次の成り手も集まらないし。育った冒険者も、次に冷遇されるのは自分たちの可能性があると考えて、距離置く事も考えられるのだが。

よろしいかしら、と、アヤナ・アオキが小さく右手を上げて、口を開く。


「まず確認したいのですけれど、〈曙光の戸〉はノルキスタへの移動を希望されてますの?」

「〈曙光の戸〉の希望は、自身のギルドに所属するE 、Dランクの冒険者の一時的なノルキスタでの活動許可じゃったの。確認したが、クラン全体では移動は考えておらんようじゃな。」


トラおじじが髭を撫で付けながら、アヤナの疑問に回答していく。

だけれども、その回答でさらに疑問が生まれていく。


「だが、何故、今になって?」

「確かに。Aランククランならば、大手のクランだろう。今まで移動していなかったのであれば、何を背景として移動を決めた?」


フォード・ベルクが苦い表情を浮かべながら、疑問を口にする。フォードの言葉に同調するかのように、セイカ・ライズが一つ首を縦に振ってから、更に言葉を重ねていった。


「それを説明するには、〈森の輪〉に一つ、指名依頼を受けていただく必要があるかと。なお、昇格試験に関しては、これを持って終了となりますね。」

「…何故?」

「…はい?」


ドレグの言葉に、〈森の輪〉のエデュライナ・トワ・レストが首を傾げ。トゥエラの表情が固まった。

んー、と、クロム・レキシはドレグの発した言葉の中身を考えているのだろう。少し唸った後、クロムは口を開いた。


「その、〈曙光の戸〉の方が持ち込んだルビナリオの情報の中に、とんでも情報でも混ざっていましたか?」

「内容はまだ内緒じゃよー。で、どうじゃ、〈森の輪〉よ。」


にょほほ、と笑うトラおじじの表情に若干疲れを感じてしまった。一体、何の情報を入手したんだ…。

うぁあぁぁぁぁ、と、トゥエラが頭を抱えて唸り声を上げ始めた。そんなトゥエラに、だいじょぶ!?と焦った声でルビナが声を掛ける。

ゆるゆらと上半身が揺らぎ、ぺちょり、と、トゥエラが応接テーブルにつっぷせた。…よっぽどの衝撃だったんだな、トゥエラ。

トゥエラの背中を摩りながら、ルビナがあわあわと口を開いた。


「ええと、ええと、指名依頼って結構凄い事だったよね…?」

「そう。依頼主が冒険者の実力を認めていないと、指名依頼は来ない。そして基本的に指名依頼はE、 Dランクの冒険者には来ない。」

「じゃあDランクなら本来来ないはずなんだよな…?まさか、」

「指名依頼の件はさておき、先の昇格試験は合格じゃのー。後で昇格手続きせねばの。」


〈森の輪〉のわちゃわちゃに、トラおじじがにこやかに絡んでいく。トラおじじの言葉に、アトラとルビナが驚きの声を上げて、エデュライナが目を丸くし、トゥエラは応接室の机につっぷせたまま。

というかトラおじじ、今回のルビナリオの一件に関して〈森の輪〉を逃す気ないな?

にこにこにこと、微笑んで。トラおじじは〈森の輪〉の面々を見る。

トラおじじの顔を見て、どうしようかという表情で互いに視線を交わす〈森の輪〉の面々。


「ちなみに…依頼料は…?」

「それなりに出す予定じゃぞー。」


つっぷせたまま、トゥエラが声を上げて。トラおじじの言葉を聞いて、沈黙した。

やっぱ、逃す気ないな?

読了ありがとうございます!

また次話お会いできると嬉しいですっ。

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