一章:魔法使い、今までとこれからと。
テオラルテとディオラルト、ヘルロットに鉱石や木材を変えるお店を尋ねて、感謝を伝えてから、鍛治の作業室を出て。
レディトラスに挨拶をしてから、〈テオのふいご〉、〈レテの弓〉を〈森の輪〉と一緒に退店し。
〈丸壺〉に一緒に訪問し、色々と買い足して。
テオラルテに教えてもらった鉱石や木材を売っている店にも寄って、トロパ鉱や木材を購入。…丸太二本ぐらいなら余裕で担げるんだよなぁ。店員にびびられたが、気にせずにお店の外、細い路地でさくっと〈収納〉。流石に丸太持ったまま、他所のお店に行けないからね。
「木材もいるんですか?」
「多分ね、この後で結構必要になってきそうだからねー。」
そんな会話をトゥエラとミルキィの間でする一場面もあったりした。今買ってる物資の大半の購入理由は、ミルキィの勘だったりする。
他にも露店や商店街になっている通りのお店を覗いて、必要そうなものがあったら購入して。
〈森の輪〉と別れて、晩御飯食べて、お風呂も入って。
女将さんに男子が女子の宿泊部屋に行ってもいいか確認を取ったところ。消灯時間より前に自分の部屋に戻る、他の人の部屋に行かない、廊下を女子と一緒に行動するのを守ってくれるなら、と条件付きの許可が降りたので、今現在、旅人達は一室に全員集まっている。
「さて。色々行動してきたけど、ちょっと一旦纏めとこうか。」
キュウヤが、〈収納〉に入れていた椅子に座りながら、今夜集まった理由を告げる。
「とりあえず、第一目標の冒険者にはなれた。
想定外に後見もついたけど、トラおじじ達と繋がりがあるのはいいよね。トラおじじ達の力になれるのなら、ね。」
「魔法使いの後見制度に関しては、冒険者ギルド本部のお偉方に出会ってないからなんとも言えないけども。一般的に異世界人が来てもそうほいほい動けないだろうから、色々支援してくれるのは助かるよねぇ。」
「それはそう。体系化してくれてるのは嬉しい。この後ちょーっと活用させてもらうんだけどねー。」
にやり、とわっるい笑顔でミルキィの言葉に意見を重ねるスノゥである。
「で。次の段階としては、周囲の人と交流しつつ、情報収集がメインになるとは思う。
後はある程度の社会的基盤を確保するのも大事になってくるんだろうけど…」
「現状、魔法使い認定の時点である程度立場は確保されてますわね。」
「後は冒険者ランクを上げるのもいいのではないだろうか。」
アヤナの現在の立ち位置の振り返りに、フォードが次なる展望を話す。
「ルビナリオの状況が推察通りだとすると、問題解決したらある程度ランク上げてもらえる、はず。」
「明日以降、少しでも依頼受けた方が良さそうなのだ?」
「功績はあって困るものではないですからね。お金も稼がないといけませんし。
ただ、それぞれ約束していることもありますから、そのあたりは臨機応変に、でしょうか。」
シルトの提案に、一つ頷いてクロムが補足する。
クロム達は薬師のおばば様のところに製薬技術を習いに行くという約束してたからねぇ。
「そだそだ。キュウヤの持ってる〈緑化人〉系統の魔獣素材をおばば様の手土産にするって話があったしさ、また解体頼みに行かなきゃな。」
「あー、早い方がいいなら明日にでも行こうかな。それなら、明後日以降にでもおばば様のところに行けるね。」
「何時ルビナリオ関連の事態が動くか不明だ。早めに動けるものは動いておいた方がいいだろう。」
ノートの提案に、キュウヤが一つ頷き。
セイカが静かに告げる。こればっかりはどうもね、情報がもっと欲しい。
どこかのタイミングで事態は動くんだろうけど、それがいつかまではわからないのが旅人達の現状である。
「とりあえず。いつ動いてもいいように、準備だけはしっかりしておこう。」
「はい。後確認しておきたいんですが、ミルキィさんの勘は、タイミングまでは想定できないんですか?」
ルディが首を傾げながら、ミルキィに問う。聞かれたミルキィは苦笑しつつ、手をひらひらとさせながら告げた。
「それが出来るのは息子の方だわー。
私の勘は、ある程度の情報を元に解析した結果で、こういう事が起こるだろうな、ってぐらいなもので。これくらいの時期かなー、ってぐらい。
息子の方は時流を読んで、その未来が来る確率とか、いつぐらいに来るかも大体わかるって感じかな。
似た様なことやってるけど、実は全然違うのよねー。」
「それ、親子揃って普通にとんでもない事してません?」
「はっはっは。」
若干ロヴェルにびびられるミルキィである。
年上組は動じていないどころか、そうだったねー、という雰囲気であるが。
そんな旅人達を見回して、キュウヤが微笑みながら、締めの言葉を口にする。
「ま、明日からも、がんばろっか。」
一章:完
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