表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンブラインドワールド  作者: だかずお


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/84

〜 リタとペダ 〜


黒炎に包まれながら地面に落下して行く、リタと白龍


ゴゥオオオオーー


「ごめん白龍、僕のせいで」


「いや、リタ 汚いのは奴等の方だ」


そう、彼等はどちらが強いかを決める、一発勝負を決めた筈だった

しかし、ペダと黒龍の選択はこうだった、突如炎を吐き出し、狙ったのは、リタ、白龍では無かった

近くに居た無関係の人々に向け、炎を吐き出したのだ

リタが庇い助け様とした背後を、白龍は自身の身を呈して守っていた


「白龍、しっかりしろ、目を開けろ、死んじゃ嫌だ」


ズゥオオオオンッ

地面に落ちた時も、消えゆく意識の中、白龍はリタを庇い守っていた


「白龍うううっっ」


「やれやれ死に損ないが」

目の前から近付いてくるペダと黒龍の影


「次の一撃でとどめだ」

黒龍は大きな口を開く


「おやおや何をしているんだリタ」ペダは到底理解し難い、リタの行動を見て口にした


リタは白龍の前、手を広げ白龍を守るように立っていた

「白龍は命を懸け、僕を守ってくれた、次は僕が守る番だ」


「がははははははははは、笑わせる、笑わせるなリタ、何故主人である龍使いのお前が、飼い龍の為に命を張る?全く滑稽な男だ」


「ペダ、君は大事な事を忘れている、僕ら龍使いは主従関係にあるんじゃない、龍は僕の大事な友であり家族だ」


「友だと?笑わせる、やれ、黒龍」


「燃え尽くせ」

黒龍の口から凄まじい勢いで黒い炎が吐き出される


「白龍ごめん、僕に、せめて君だけでも守る力があったなら」


リタの肩に白龍の手が乗っかった


「守ってくれたさ、我々を友と、龍の威厳を守ってくれた」


白龍の口から吐き出される白い炎


ウゴオオオオオオオオオオオオオーーー

二つの炎が凄まじい音を立ててぶつかり合う


「その傷で大した力だな白龍、万全だったなら、この黒龍に勝てたかも知れないな」ニヤリ

黒龍の炎がゆっくりと白龍の炎を押し始める


「リタよ、時間を稼ぐ、その隙にお前だけでも逃げろ」


「何を言ってんだ白龍、僕も死ぬ時は一緒だ」


「リタ、お前は龍神様に会う必要がある」


「それでも君を置いては行けない」


「我儘を言うな、我はリタが主で良かった、何一つ後悔も、未練も無い、行け龍神様のもとに」


駄目だ、白龍を置いて行けない


真っ黒い炎はすぐ目の前まで迫っている


その頃


光堂の拳はクラーケンの身体を貫通させていた


「ぐふっ」


「悪いな、浄化させてもらう」


「くっくっく、お前はミスを犯した」


「?」


「わざとさ、わざと貫通させてやった、素速いお前の動きを止め、こうする為にな」

光堂の拳はクラーケンの身体から抜けなくなる


「我が名は無敵のクラーケン、お前も知っての通り、少しの細胞でも残っている限りすぐに身体は再生するのさ」

光堂の拳にクラーケンの神経が巻き付き、動けなくさせていた


「光堂、名前くらいは覚えておいてやろう、じゃあな」

クラーケンの両手から霊波動が無数に発射される


ズウオオオンッ


「ぐおっ」

光堂の全身から血が吹き出す


くそっ意識が飛びそうだ、手も動かせない、だったら

光堂はもう一方の拳でクラーケンの霊波動を弾き返した


「うおおおおっ」


「なんだと」


跳ね返した霊波動の球がクラーケンに直撃する

クラーケンの視界が弾き返って来た霊波動によって防がれた刹那

捕らえられた光堂の拳に光が宿る

「わざとくらっていたのさ、力をためる時間が欲しかったからな」


「くらえクラーケン」


「てめぇ、させるか 貴様の腕を引きちぎってやる」


「そいつを俺が却下する」


ズウウウウウンッ 強烈な轟音と共に、クラーケンの全身を光が包む


「ブライトスピリット」


「ぐぅおおおおおおおおおっ」


シュパアアアアアアアンッ


次の瞬間、その場からクラーケンの身体は消滅した


地面に倒れる光堂


ズサッ

「くそっ、かなりのダメージを負っちまった」


しかし、消滅する直後、クラーケンは自らの肉体の一部を切り離し、地面に落としていた、それは僅か三ミリにも満たない小さな欠片

その欠片は不気味に動き始める


宇宙に君臨する闇の王の一人、ルシ・サタンは意識を研ぎ澄ましていた

この無限の存在、闇の主をどう倒すか

そう、術が無いのだ、倒す術そのものが

何故なら、いまや実体すらない、全てに奴の意識を感じる

吹き当たる風、射し込む星星の光、吸う空気

全てに奴の存在を感じる

攻撃する場所もない

普通なら絶望し、諦める

しかし、諦め、サタンにそんな発想は浮かばない

己の敗北など想像すら出来ないのだ

そんな意識は考えた

自らの勝利の方程式だけを


同時刻

地球侵略を目論む死神の軍団は手こずっていた

地球の周りに張り巡らされているのは宇宙連合の張る結界だけではなく、地球の人間の張る結界も合わさっていたからだ

そう、その結界は北條率いる能力者達の張る結界、それに世界中に居る能力者が力を合わせ張っていたのだ


「死神様、地球にも想像してた以上に能力者が居たようです、予想以上に結界を破るのに時間がかかります」


「焦る必要は無い、外から駄目なら内から壊す、そんな方法もあるのですよ」


宇宙の未来はいまや誰にも予想のつかない状況であった、一つだけ言える事は、今と言う時を境に、大きな変化を遂げると言う事


白龍は限界だった、これ以上奴の炎を抑えられない

「リタ何をしてる、早く逃げろ」


僕はいつも白龍に守ってもらった

共に過ごし、大切なものを沢山もらったんだ


リタは背中からブーメランを取り出す

「僕にも少しは霊波動を練れるんだ」

ブーメランの投げた先はペダの立つ上空


ペダは何かが飛んで来た事に気づく

「なんだ?」


ブーメランはペダの背後にある木を切り倒した

「しまった」

ズウウウウウンッ

木はペダの上に乗っかる様に倒れる


「ぐぅおおっ、黒龍 何をしてる、はやく助けろ」


「知った事か、もう少しで白龍を焼き殺せるのだ」


「貴様、俺に逆らうとどうなるか忘れたか、貴様に埋め込んだ自爆装置が爆破する事になるんだぞ」


「糞が」黒龍は炎を止め、ペダを助けようと振り返る


「足を引っ張りやがってペダ」


その隙を白龍は見逃さなかった、黒龍に物凄い速度で飛びかかっていた


「馬鹿め白龍、それに気付いていないとでも思ったか」

黒龍は気付いていたのだ、そして読んでいた、白龍の動きを


「今度こそ死ね」


その瞬間だった、黒龍の背後に何かが突き刺さる

「ぐおっ、何だ?」


それはリタの投げたブーメラン


「貴様ら」


黒龍の気が逸れた瞬間を白龍は見逃さなかった

「黒龍くらえ」


「ホワイトブレス」


「ぐぅおおおおおっ、やめろ」


ズゥオオオオオオオオオンッ

白い炎が黒龍を完全に包んでいた


「リタ、お前を信じたから黒龍を倒せた」


「良かった、無事で良かった白龍」


くそが くそが 何故いつも俺はリタに負けるのだ、何故俺はいつも敗者なのだ、くそ、何もかもが許せない

自らの上に乗る木には炎がまわってきていた


これが俺の最後か……


「ペダ掴まれ」

目の前に立つのはリタの姿だった


ペダは驚く、こいつ俺を助け様としているのか?

自分を殺そうとした俺を……


「うるさい、俺は負けた、俺を見捨てろ」


「ペダ、君が僕をどう思ってるかは知らない、僕にとって君は友達だ


ペダは頭の中が真っ白になった

常に自分の先を行くリタは、自分にとって憎き嫉妬の対象

ずっと妬んでいた、何故あいつばかり、あいつばかりが何もかもうまくいくんだ

妬んでいた、奴の才能、人生、名声、全てを


ああ、そうだった

でも、そうだった

よくよく思えばこいつだけだった、昔から俺に手を差し伸べてくれていたのは

過去いかなる時も自身に手を差し伸べてくれていたリタの姿をハッキリと思い出した

俺の嫉妬が、奴の本当の姿を見えなくしていたんだ

ペダは自分自身の姿をこの時、はっきり認識した

己の姿勢を知った

目の前に居るこいつは、ずっと俺を……

恥ずべきは己の心の在り方


「やり直せるか、こんな俺でも」


「当たり前だ」


ペダは生まれて初めて他者の手を掴む選択をした


「気付いていたかペダ、黒龍が最後君を庇い守っていた事を」


「無意識かも知れない、でも主と思う君を彼は守ったんだ」


「黒龍は」ペダは声をあげていた


「大丈夫だ生かしている」白龍が黒龍の方を見る


ペダは気がつけば、黒龍のもとに向かい、走り出していた

「黒龍、大丈夫か?」


「ペダ、お前の口からそんな言葉が出るとはな、糞が、もう何もかもどうでも良くなっちまった」


自身がずっと欲していたもの

己が欲しかったのはナンバーワンの座などでは無かったのかも知れない、心より欲しかったものそれは、主からの愛情




〜 アンブラインドワールド 〜



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ