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アンブラインドワールド  作者: だかずお


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〜 龍神との会話 〜


想像を絶するほど広大で、複雑、謎に満ちた神秘的な宇宙


地球と言う惑星に存在する人類の意識は、一種の催眠状態に近い状態にあった。

人々は自分の常識、知覚してる現実世界が、唯一実在するものの全てだと思い込んで生きている。

そう、まるで自分達の惑星の外の事を何も知らない


「ねぇ、昨日芸能人のあの人が離婚したらしいよ」


「ああ、嫌だなぁ明日から五連勤だぜぇ、今月この仕事量で来月保険代払えるかなぁ」


地球の人々は何も知らなかった、そう、人間によって作られた社会や、常識の外の世界を何も………


人々が当たり前の日常を過ごしている最中、自身の住む地球のすぐ外、宇宙空間では、死神率いる闇の軍団による、地球人類を支配しようとする脅威が、すぐそこまで忍び寄って来ていた。


それを必死に阻止しているのは、宇宙連合、それと、一般現実を越えた所に世界がある事を知っている地球に住む能力者達、異変に気付いている者達であった。


それと現在、昨日までの平和な暮らしがまるで嘘だったかの様に、大きな戦場と化した惑星がこの宇宙には存在している

そこで行われてる戦は、この先の全宇宙の未来が、かかっている大きな、大きな戦となる。


舞台は、惑星ペドスドラコ


ヒュオオオオオ〜〜〜オオオオゥ〜


神井は全力で、強い霊気の集まる所に向かっている。

それを追うタケル


四つの数の霊力が、二つの数の霊力と闘っている場所がある(レインボードラゴン達の居る所)今感じるのは、ここが一番戦闘の激しい場所か。

しっかし、神井の奴、随分飛ばしてやがる、速くて追いつかねぇぜ。


焼け焦げた大地


リタは白龍の傷の手当を終えると立ち上がった。


「白龍、僕は龍神様のもとに行ってくるよ」


白龍は何も無い場所を一点に見つめている。


「リタよ、どうやらその必要は無い様だ」

次の瞬間、白龍は頭を深く下に下げた。


シュオオオオオンッ


次元が開き、そこに現れたのはなんと龍神の姿


「久しぶりだな白龍、それとリタドラゴン」


「リタよ、私についてきなさい、もう一人会わねばならぬ人間がいる」


「分かりました」


ゴゴゴゴゴゴゴオオーー


ラルフォートは惑星ペドスドラコ中の全ての霊気を探っていた。

戦闘中以外の者は、霊力を隠しているか…

厄介なのが、必ず潜んでいる筈なんだがね。


ラルフォートの脳裏に龍神の姿が一瞬浮かんだ。

ふっ、笑ってしまう、自分にこんな感情がまだあったとはねぇ。

己は龍神に手を貸した。

闇の主の復活を、これ程まで待ち侘びていた自分が……

クックックっ、いつもそうさ

絶対的なにかが決まってしまう瞬間、抵抗したくなる私の性格

ピエロは笑っていた。


そんな性格から私は龍神に手を貸した、闇の主を崇拝してたのは、絶対的神となるまで、闇の主が絶対的な神となるのなら、反発するかも知れない、そう言う事さ クスクス

あっはっは、龍神に手を貸したのはその理由からさ、決して過去の出来事が関係あった訳ではない

ラルフォートは自分の爪をカリカリ噛み始める


カリカリ カリカリッ カリカリ カリカリカリカリッ


納得出来ない心

受け入れられない自身と言う存在への葛藤

ピエロの顔半分の口もとは微笑み、半分は歪んでいた。

相反する二つの姿が内側にはあった。


そう、己は絶対的な神など求めていない


さすれば、己は今この現状 どう動く ?


鼻っから男には絶対的な目的も、成し遂げたい事も何一つ存在していなかった。


あひひょ あにゃ へにゃ へひっ ほにょ あははははっ

辺りには、ラルフォートの不気味な笑い声が響き渡っていた。


クラーケンを撃破した光堂は立ち上がり、歩き出そうとしている、しかし、光堂は知らない、クラーケンの三ミリにも満たない肉片が残っている事を、奴はそこから再生出来るのだ。

その肉片は凶器と化そうとしていた。


光堂、気付いていないだろう、いきなり背後から身体を貫通させられる気分はどうだろうな、クックックッ


死ね 光堂


ザッ


背後から襲い来る肉片を光堂は気付いていたのだ。


「そんな事だろうと思っていた」


光堂の手にしっかりと掴まれたクラーケンの肉片


「やっ、やめろっ」


「悪いが今度こそ浄化させて貰う」


「やっ、やめろおおおおっ」


シュパアアアンッ


クラーケンの肉片は跡形もなく消え去った。


「ふぅ〜」


ゴゴゴゴゴゴゴゴオオゥーー


そう、罠だったのだ、それは罠だった。

光堂の気をそらす為のクラーケンの仕掛けた罠

クラーケンの狙いはそこでは無かった、真の狙いは

もう一つ残した一ミリに満たない程の肉片

それは先程、光堂を襲った瞬間、分裂していたのだ。

これこそ最初からの狙いだった。

一つに気を向け、そこに生じた隙に、真の狙いを仕込んでいた。

光堂はそれ程、警戒しなければならない男。


この肉片は、お前の傷口から、細胞に入り込み、入ったら最後、もう助からない、血管に紛れ、身体中を移動も出来る、細胞にくっつく事もなぁ、後はいつでも内側から破裂させられるのだよ。


約束通り 最悪の死を、お前には味合わせてやるとしよう。

クラーケンの肉片は光堂の傷口の近くに潜んでいた


「くっくっく、さようなら、コードー」


ジュゴウッ


「うっ」光堂はすぐに肌に異変を感じた。


なんとクラーケンの肉片は光堂の傷口から、身体の内側に見事、入り込んでしまう。


「ハッハッハ 俺の勝ちだ、分かるかコード、俺は今お前の身体の中にいる」


「どうする?俺に命乞いでもするか?絶対絶命だな」


場面は変わる


神井の背中を追っかけ、走るタケルの目の前が、突然光に包まれる


「なんだ?」


そこに現れたのは龍神とリタ


「リタ、無事だったか」


「ああ、タケルも、青龍は?」

リタは心配な表情を浮かべ、タケルに近付いていた


「大丈夫、無事だ」


「良かった」安心からか、足の力が抜け地面に座り込んでしまうリタ


「お主がタケルだな」


初めて見る、こいつが、龍の中で一番偉い龍神の姿…

龍神がタケルの視界に入った。


「ああ」


「ここでは、邪魔が入る、我が次元を開くから、暫く、その空間に行くとしよう。


目の前の空間に裂け目ができ、タケル達はその中に入る


「なんだぁここは?」

虹色に輝く不思議な場所がそこに存在した。


「ここは次元を超える空間、我はこの空間を通り、別の次元からこちらの世界に来ている」


「別の次元?」


「そうだ、タケル。君は知らないかもしれないが宇宙は一つではない」


「えっ?」こんがらがるタケル


「幾層にも織りなって、違う層が存在している、上の層からは下の層を知覚出来るが、逆は中々難しい、そして次元を行き来するには相当のエネルギーを消費すると言う事だ」


「う〜ん良く分からないけど、こことは別に、他にも別の宇宙があるって感じか?」


「その認識で構わない、だが、これからここの宇宙の法則は一変してしまう事になる」


「それは闇の主の目覚めが影響するって事ですね?」リタが言う


「そうだ、奴はそれ程の力を持っている、ここの宇宙の法則を根底から変えてしまう程の力を」


「一体どう変わるんだよ?」


「まずは、今まで出来ていた、次元の違う宇宙からの介入は一切閉ざされる事になるだろう、我もここには二度と現れられなくなる」


「更に、肉体を脱いだ魂は、次の旅路に向かい、新たな生を始めるのが(輪廻転生)、ここの宇宙で行われていた事だったのだが、闇の主が目覚めてからは、その魂は闇の主に取り込まれ、永遠に闇の主の世界からは抜けられなくなる、別の次元への転生、闇の主の居ない世界への転生は不可能になる」


「なんだって?そんなのって」


「ああ、待ち受けるのは地獄だろう、全て奴の思うがまま、好き放題に出来ると言う事だ」


「分かんねぇよ龍神、なんでそんな事が可能になるのか?なんで奴だけに、そんな力があるんだか理解出来ねぇよ」


「奴だけ?それは違うぞタケル、本来全ての存在に元々力が備わっている、だが、お主の疑問の様に、何故、闇の主だけにそんな権限があるのか?」


「それはこの宇宙に存在する多くの者の集合意識状態が、無力感を反映する意識状態の者達だからだ」


「どう言う事か、分かんねぇよ」


「良いか、一人一人の存在が創造者であり現実を作っているのだ、己が信じるものを見る世界にお前達は住んでいる」


「つまり、自分の力を信じないと言う、選択を無意識にでも選んでいる者達が多く、その意識状態が現実に反映されたって事ですか?」リタの額から流れ落ちる汗が、虹色の空間に滴り落ちた。


「そう、全ては創造に繋がる、お前達の存在する宇宙は、全体で自身への無力感を基盤に創造をしてしまったと言う事だ、無論、全ての存在ではない、中にはそれを助ける為に残った者達もいる」


「良いか二人共、もう我々外からの介入は出来なくなる、別次元からの助けは来ない、自分達の宇宙に住む者達だけでなんとかしなくてはいけない事になる」


「そんなっ、闇の主をなんとかしなきゃいけないなんて…」リタの表情は不安に包まれていた。


話を割る様にタケルが口にする

「まだ可能性はあるのか?なんとかなる可能性は?」


「そうだ、まず一つの可能性、奴が目覚める事を阻止するチャンス、それが今だ、我はこれから最後の賭けに出る」


「そうか、それなら良かった、俺達も手伝うぜ」


「二人共覚えておきなさい、この賭けの選択は、最も過酷な選択になると言う事だ」


「え?」


「一番過酷な道を、進む事になる覚悟が必要だと言う事だ」


「そんなっ」


「それが嫌なら、闇の主に逆らう事なく、奴の下で生き抜く術を身につけると言う選択肢も残されている」


「ふざけんなよ、そんなの嫌に決まってるだろ、俺は奴の目覚めを阻止する、リタ、お前はどうする?」


「もちろんそうするよタケル」


龍神は二人の覚悟を見届ける


「何故我が二人に会いに来たか分かるか?」


「まずはリタ、お主は過去の生で我を育てた者なのだ」


「僕が……龍神様を」


「お主が、ペドスドラコに生まれ、龍使いになっているのは偶然などではない、己自身の生命エネルギーに刻まれた記憶がここに導いている」


「お主には我の叡智を授ける、必ず時が来たら我の叡智が出現するだろう」

そう言うと、龍神の身体から出て来た青白い光の玉は、リタの身体の中に消えていった。


「それからタケル」


タケルはゴクリと息をのむ。

ああ、そうだ、理由があるんだ……

だから、光堂さんは俺に会いに来たんだ。

その理由が今、ようやく分かる


「お主にも、会いに来た理由がある」


「教えてくれ、なんなんだその理由ってのは?」


「今は伝えられない」


「へっ?」


「お主は、今この事実を受け止められない、それに知る事による悪影響の方が今は大きい」


「ふざけんなよ龍神、誰も教えてくれねぇんだ、自分の事なのに、なんかあるんだろ?受け止められない?ふざけんなよ、そんなの聞いて、はいそうですか、なんて言えるかよ」


「タケル……」リタはタケルを見つめていた。


「急ぐな、お主はいずれ、この事実と直視せねばならない時が必ず来る、今それを知るには時期尚早と言うのが我の判断だ」


ゾクッ 身体に何か嫌なものが通った気がした。

不安

存在自体が、押しつぶされそうな不安

深く大きな恐怖が、内から顔を出した気がした。

俺は何も知らない…俺の存在って

いや、全ての人間だって分かってないじゃないか、己は何者なのか…


「心配するなとは言わない、だが忘れるな、お前には仲間が居る」


その時だった、リタがタケルを力強く抱きしめる

「タケル、僕も仲間だ、ダチだろ、大丈夫、必ず力になるから」


「ありがとうリタ、まぁよ…もとから、あんま深く考えるのは苦手でよぉ、それに思えば、今、大事なのは闇の主の完全な目覚めを阻止するって事だ」


龍神の身体から再び光の玉が現れる。

「タケル、お主にはこれを渡す」

玉はタケルの身体に入っていく


ギュルルルルルンッ


「うおっ、なんか力がみなぎってくる」


「その玉は、お主のエネルギーを更に引き出す筈だ、これは3度エネルギーを増幅させる」


すると龍神は、もう一つ光の玉をタケルに手渡した。

「これは、お主がどうするか考えるのだ」


「んっ?」


「神井と言う男に渡すか、渡さないかをだ」


「彼はお主の味方にも、敵にもなり得る可能性を持っている、それを忘れるな」


「ありがとう龍神」


突如、タケルが片足を倒れる様にレインボーの空間の地面につけてしまう。


その直後リタも苦しみ出す


「そろそろお主達には、この場所に居るのは限界みたいだ」


「素敵な時を過ごせた、ありがとう」


「さて、外にでるぞ」

龍神の決意を決めた瞳が、宇宙を見つめた


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオーー





〜 アンブラインドワールド 〜






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