〜 惑星内での動き 〜
闇の主は悦の状態であった
この宇宙は 我そのもの
我は創造者
ニタアアアアアアッ
我 永遠であり 無限、そんな感覚の中に在った
闇の主の目の前に立つ、ルシ・サタンは冷静に、この状況を観察している
なるほど、自らを主と信じる事に、一点の疑いも無き、揺るぎ無き精神エネルギー、と言うよりもはや信じると言う言葉事態当てはまってないな…
ルシ・サタンは目の前の敵が、一筋縄ではいかない者として覚悟する
ゴゥオオオオオオオオオウオオオオーーッ
「会いたき者がいる」
龍神は囁く様に口走った
二匹のレインボードラゴン達は、この言葉に潜む、龍神の覚悟を同時に見ていた
「連れて参ります」
「いや、彼等は必ず現れる、少し待つとしよう」
「ですが、龍神様、そんな悠長な事を言ってる時間は無いのでは?この間にも闇の主と、サタンの決着がついてしまうのかも知れないのですよ」
「信じるのだ、我々の想像を越える、とてつもなく広大な宇宙の流れを、それに全ての覚悟はしている」
レインボードラゴン達もまた、信頼と言うものを龍神の瞳の奥に見ている、そんな龍神の姿に、一筋の光を見た気がした
「仰せのままに」
ゴゴゴゴゴオオオオオオオーー
タケル、神井、青龍は、あれからピクリとも動いておらず、倒れたままであった
「ふぅ、良かった、息はあるようね」
近づく一つの影
三人の目の前に立っていたのはマナだった
「すぐに回復するわ」
現在、ペドスドラコの惑星で行われている戦闘は、激しさを増してきている
リタは白竜の頭の上に乗り、空中を凄まじい速度で飛んでいる
すぐ後ろ、二人を追うのは、ペダと黒龍
「逃さんぞ、我こそナンバーワンの龍使いとして、全ての者に、認めさせてやる」
ペダは前を飛ぶリタに向かい、叫んだ
「ペダ、今はそんな事はどうでもいいだろ、龍神様に力をかさなければならない宇宙の危機なんだぞ」
「リタ、いつまでも戦わず逃げまわっていても、奴等は龍神様の邪魔にもなりかねないぞ、奴を傷付けたくない気持ちも分かるが、このままでは我々も」
ズグゥウゴオオオオオーー
白龍は背後から襲ってくる黒炎を躱す
炎に包まれた、大きな山はドロドロに溶けていった
「白龍よ、貴様らを殺した後は、我々は龍神の首をとる、この黒龍こそが真の龍の王になるのだ」
その言葉を聞いたリタは覚悟を決めた
「白龍、彼等は龍神様すらも攻撃するつもりだ、僕等がここで止めるしかない」
その言葉と同時に、白龍は飛ぶ向きを変えた
「やるぞ、リタ」
「どうやらようやく、その気になったらしいなリタよ。どうだ一発勝負といこうじゃないか。お互いの最大の炎を出し、負けたら灰と化す、問題は無いな」
リタと白龍は、互いの瞳を見つめる
「良いだろう、受けて立つ」
ペドスドラコで同時に行われている、もう一つの戦い
光堂vsクラーケン
クラーケンの霊気を纏う拳を、拳で受ける光堂
「前回会った時よりも、段違いに強くなっているな、一体どれ程の修行を積んだのか、想像すると恐れ入るよ」
ガッ
クラーケンは、光堂の拳を掴み、投げ飛ばす
光堂が吹き飛んだ先の岩が、木っ端微塵に消し飛んだ
「光堂、お前は本気か?本気で闇の主をどうにか出来ると思っているのか。何故この宇宙から脱出出来るうちにしなかったのか、闇の主を止めると言う意図で、この宇宙から脱出しなかった者達の頭のイカれ具合は本物だな、クックック、偽善者共にはヘドが出る」
「弱者を見捨てられない、正義のヒーローにでもなりたかったのか?」
「好きに笑い、どうとでも思え、心に従っただけだ」
光堂が立ち上がる
「なるほど、その力、今回の俺はお前を殺すのに、出し渋る事はしない、全力で地獄を見せてやろう」
クラーケンの身体が先程よりも、五倍近く大きくなり、着ていたスーツが破れ出す
「宇宙の秩序を守る、連合。昔から大嫌いだった、連合の人間をどれくらい殺して来たか覚えて居ない、今宵また一人、連合の屍が増えるな」
「クラゲ人間の死体かも知れないがな」
「笑止」
この時、クリスタルスカルを創造した十三人の叡智者達は連合から指示を受けていた、いつでもクリスタルスカルの力が発揮出来る様に、解除の待機をしていろと
クリスタルスカルの力を発揮する為に必要な解除コード
それは創った彼等しか知らない
そう、龍神最後の策はこれだった
龍神は連合に、こう伝えていたのだ
「クリスタルスカルのエネルギーが必要になる、我の出現時までに必ず、全てのクリスタルスカルを集められなければ、この宇宙は終わりを告げる」
ここまで作戦は順調ではあった
現在ペドスドラコには全てのクリスタルスカル
そして、スカルを守り、龍神からの指示を待つ、連合の隊長、青いモヒカンの男、ドラ・マスーヌ隊長、黄色い瞳を持つ女、隊長クエヌ。
二人もまた、スカルを創造した十三人の内の二人である
その二人もまた知らされてはいないが、スカル共々、連合の精鋭部隊に守られていた
全ては順調だった筈の流れ
その流れは突然、龍神によって、遮られている
「クエヌ、何故龍神からの指示が来ない?こちとらいつでも準備可能なのによ」
「何かお考えがあるのでは? それか龍神に何かあったとか」
「いや、龍神はここからでも見えてるし、全然普通に何時でも指示出来る様に見えるが」
「待つしか無いって事ですね」
「ちっ、知らねーぞ 取り返しのつかねー事になってもよ」
無論、クリスタルスカルを狙ってる者達も、この時、徐々に近づいて来ていた
ヒュウオオオオーー
目を覚ましたのはタケル
「あれ?ここは」
「良かった、目を覚ましたのね」
「マナさん!!」
「青龍は?神井は?」
「二人共無事よ、二人の方が重症だったから先に傷を治しておいたわ」
マナは分かっていた、すぐに気付いていた、この変化に……
もちろん、信じられないくらいに増大した、タケル、神井、二人の霊力の変化、ただ、それだけでは無かった
大きくねじ曲がり、歪まれ、もう、戻れない様な変化も同時に起こっていた事に気付いていた
背後に感じる異様な殺気
この殺気は、冗談などでは無い、本気の殺意
ゴゴゴゴゴゴゴゴオオーー
神井は信じられなかった、己があんなクズに敗北しただと己は負けた
「貴様、俺に勝ったのは偶然だ、今ここで貴様を殺し、俺の方が強い事を証明してやる」
空気が一変した、もう戻れない歯車が嫌な音を立て廻り、今まであった形は崩れ、もう修復不能な形にまで崩れ去ってしまった気がした
私が、神井君を止めなきゃ
マナが構えようとした時だった
「何言ってんだお前」
それは、友に向かって、呆れる様に言い放った、タケルの全く悪意の無い気の抜ける様な音の言葉
「貴様、次が最後の決着だ」
「俺は、お前に勝ってねぇ」
「なんだと」
「確かにお前をぶっ飛ばした、でもあれは俺の力じゃない、正直に言ってやらぁ、今の俺じゃあ、お前に勝てねぇ、だがな神井、俺は、お前にいつか勝つ、だからそん時まで首洗って待ってやがれ」タケルの本気の瞳が神井の瞳を真正面から見つめていた
神井は一瞬、思っていなかった反応に言葉を失った
「今、お前と戦っても、勝てねぇからやらねぇよ。それにお前も気付いてるだろ」
「?」
「この星に集まってる、とんでもねぇ霊力を放ってる奴等、俺達が今向き合わなきゃいけない奴等だろ。それとも何か?俺なら勝てるから、俺と戦って、あいつらは怖くて戦わないのか」
「……」神井は冷静に辺りの気配に意識を向ける
「神井、俺達の決着は後だ。俺達がもっと強くなる為に今出来るのは、あいつらと戦う事じゃねえのか」
「次は貴様を殺す」
そう言い、神井は物凄い速度で動き出す
タケルも動き出すと同時に、後ろに振り返りこう告げた
「青龍命を懸けた修行ありがとよ、それからマナさんも助けてくれてありがとう。この惑星をまずは助けよう、先に行ってくる」
ビュウウウンッ
「穏やかな空気感の男だな、そして神井、単純と言うか、戦闘狂とでも言うのか」青龍がほくそ笑む
「良かった、どうなる事かと」
「光と闇、仲良く出来ると言いな」
「ええ」
「さあ、我々も行くぞ」
ルシ・サタンの大幹部エバーフーミーは、ペドスドラコの惑星で空を見上げ、号泣していた
「ああ、我が王サタン様、あたなは何と偉大なのだ。あたな様こそ、この宇宙の王、それを邪魔する者は全て殺す」
「さて、先ずはサタン様の為に、何をするかね」 ニヤリ
龍神は何かに感づく、レインボードラゴン達も気付いた
「龍神様、あの気配は?」
「うむ」
「どうなさいます?」
次の瞬間、四方向から凄まじいエネルギーが龍神に撃ち込まれた。
ズゴオオオオオオオオオンンッーーーー
「おやおや、流石だねぇ」不気味にほくそ笑む、狐の面をつける女
四方向からの攻撃をしっかりと防いでいたレインボードラゴン
「やれやれ、次から次へと」
そこに立っているのは、鬼神、女狐、烏天狗、蝿王蛇
そう、かつて真堂丸と言う男に倒された怪物達であった
「龍神、貴様の首をとる事で、希望の芽を摘ませて貰うとしよう」
「龍神様、どうなさいます?」
「先に行くとしよう、ここは任せた」
「はっ」
龍神は一瞬で消えた
「ちっ、逃したか、追うぞ」
「そうはさせん」レインボードラゴンが虹色の炎を吐き出す
「ああ、このドラゴン相当強いな、倒さなきゃ追えないぜ」蝿王蛇が霊気を纏った刀を抜く
「では、殺るとしよう」
この時、一つの決着がつこうとしていた
それはリタ、白龍 vs ペダ、黒龍
リタと白龍は、無惨にも真っ黒い炎に身を包まれ、地面に落下している最中だった。
〜 アンブラインドワールド 〜




