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アンブラインドワールド  作者: だかずお
43/84

〜 爆発を止めろ 〜



「さあ、この惑星の爆破まであとサスリーフィクタル(三十分)ってところだ」クリストフが叫んだ。


「連合の奴等も、この通り、どうしますこいつら」岩石人間は倒れている光堂を見下ろした


「始末しておけ、どうせ爆破するんだ、連合のメンバーを殺した事など誰も気付かんよ」


「それじゃあ、俺の名前が有名にならなくて困るから、首だけは持って帰るか」


「物好きめ」


その時だった


ピキピキ ピキッ


「?」


驚く岩石人間

「なんじゃこりゃぁ」

自身の身体にヒビが入りはじめる、ヒビは全身に広がっていく


「まさか」


「流石に硬かったな、思ったより時間がかかった、俺の傷のせいで力が入らなかったから仕方ないが」

光堂が先程の姿勢の横に倒れながらのまま喋り出す


「きっ、貴様〜〜〜っ」


ドゴオオオンッ

木っ端微塵に、崩れ去る岩石人間


「ばっ、馬鹿なあいつがやられただと」


「岩石人間はそれくらいじゃ死なねえだろ、時間をかけて再生出来る、まぁ、その前に逮捕するがな」


クリストフは急いで奥の部屋に逃げて行く

まずいなっ、光堂は思う

pipシステムの機械はあの奥にある


「急がないとかなりまずいことになる」

くそっ身体が動かねぇ……


「おいっ、まじかよ、あいつがやられた」コレルドは隣で闘っていた岩石人間の敗北に驚きを隠せずにいた


「こいつだけでも始末しとくか」


その時だった、背後に凄まじい殺気が


ゾクッ

「なんだこの霊気は」


ヒュオオオーーッ


「だから…貴様はクソガキなんだよ」

コレルドの背後に立っていたのは神井


「ばっ、馬鹿などうやって槍から」


神井は自身の霊気でコレルドの槍を真っ二つに切断していた。


「貴様、俺が本当にあんなものから逃げられないとでも?」


ズガアアアンッ

神井の霊気を纏った拳がコレルドを吹き飛ばす


「貴様は今日死ぬんだ、とどめだ」


ザアアンッ


「?」


神井の拳を止めていたのはタケルだった。


「なんだと?」


「神井、こいつはもう動けない、無駄に殺すんじゃねぇよ」


「俺に指図するなよ」


「光堂さん、事情は全部その人に聞いた」


ペレーと一緒に後から来たのはマタスーバ

「クリストフこんな事はもうよせ」


次の瞬間だった、その場に居る誰よりも大きな声で叫んだのは光堂

「タケル、奥の部屋に行け!!扉が閉まればもう誰もこの爆破は止められなくる、そしたら全滅だ」


ゾクッ

その言葉に背後の通路をすぐに確認する


「まさか………」マタスーバの背筋に嫌な汗が流れた


「少年急げ、奥の部屋に辿り着けなきゃ、もう誰も、助からない」


その時、通路の先から声が

「貴様ら全員敗北者だ、死ねーーっ」


即座に凄まじい速度で走り出すタケル

「恐らく奴はpipシステムのモードを切り替えるつもりだ、この星全域を包む防御システムを解除し、代わりにその部屋に防御システムをかけるはず、そしてすぐ様、爆破の準備に取り掛かる」


「タケル、奥に行けなきゃ、もう止める手段がない急げ」


「うおおおおおおおおおおっーーー」


「もう予定通りでなくても良い、今すぐにでも爆破すればいい」


ガガガガガガ

pipシステム発動

扉が勢い良く閉まりだす

頼むっ、間に合ってくれ……


「うおおおおおおっーーー」

その時、扉の手前

タケルには分かってしまった

気付いてしまった…………

ぐおおおおおおっ


間に合わない


くっくそおおおおおおっ、どうしたって間に合わない

瞬間、背中を物凄い速度で何者かが押した

振り返るタケル


「俺を敗北者と呼んだあいつは許さん」

それは神井だった


「神井」

ああ、そうだよな、あきらめるなんて出来ねぇ!!

前を向くタケル「うおおおおっ」


ズガアアアンッ


ギリギリの所、扉の向こう側に抜けた二人


「よっしゃータケル、爆破スイッチを押す前にそいつを止めるウキ〜〜ッ」


「急げっタケル」光堂も叫んだ


だが、どうしたと言うのだろうか?静まり返る中からは返事がない


「どうしたと言うのだ」扉に近付くマタスーバ

すると、か細い声でタケルから返事があった。


「あいつ…」


「この野郎………」


「既に爆破スイッチを押して、自ら命を断っている」


「なんだとっ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオーー

地面に倒れ込むマタスーバ


「もう止める術は無いと言うのか」


壁側に這いずりながら近付いて来たのは光堂

「二人共、よく聞け、大きな画面がある筈だ、表示されてる数字を教えてくれ」


「八分の数字の表示」


「ふぅ〜」光堂が小さなため息をつく


「残り八分でこの星は消滅する」


「なんだって」


「ペレー、この惑星の防御は解除してある、出来る限りの人々に伝えろ、今すぐこの星から逃げろと」


「分かったウキ、すぐに行くウキよ、だけど…だけど…タケルと神井はどうするウキ……」


するとマタスーバが「私が解除コードを知っている、その数字を今からすべて伝える」


光堂がマタスーバの肩をそっと叩く

「分かってるだろ、間に合わない。10万桁のコードを入力してる時間はない」


「なら、あきらめるのか、二人はこの場に置き去りか?」


「いや、三人だ」


「馬鹿なっ、まさかあんた、逃げないつもりか?死ぬつもりか」


テイット302型

光堂はタケルと神井に呼びかける

「俺はpipシステムにはかなり精通してる、学んだ時期があった、見る所、奴はこの爆破をpipに連動させている」


「爆破システムは二人で解除しろ」


なんだって?


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーー


「馬鹿な解除だって」


「ああ302型はかなりの旧式、色々欠陥もあった、特に爆破システムには弱点がある」


「タケル、神井、やれるか?俺が支持を出す、こっから先は覚悟しろ、解除装置に汗一滴垂らしても即死と思え」


「ゴクリ」息を呑むタケル


「わっ、分かった」


マタスーバが光堂に向かって声を荒げる

「馬鹿を言うな、pipシステムをあの少年二人に解除させるだと、しくじれば即死、惑星もなくなる、他の方法がまだあるはずだ」


「いや、もうない、マタスーバ、お前も今のうちに逃げろ」


「光堂、神井、支持を出す」


マタスーバは地面に座り込む

「私もここに残る」

頼んだ私だけが逃げ、この者達を残して行ける筈がない


「マタスーバ、解除コードを全て入れなくても、主電源を弱めるコードは外から可能なはずだ、出来るな」


「分かった、すぐにやる」


「二人共、霊力を研ぎ澄まし、糸の様に細くしろ。作業はそっからだ、直に蓋の様な物質が現れる筈だ」


タケルは自身の頭を掻いた、くそっ、まじかよそんな作業俺に出来んのかよ、しくじりゃ爆発するんだろ。

自然と手が震え始めた


「おいつ聞いてるか二人共?時間の表示されている右下に黒い蓋が出現したはずだ、それは霊気じゃなきゃ外れない、霊力を形にしてコードを入力しろ」


「302型の爆破システム解除の入力コードはすべて共通に作られている(本来防御システムであったpipに初の爆破システムを付けた事が宇宙中から疑問の声が沸き、危険性を避ける為、爆破は誰しもが解除出来るように定められた、しかしこれを不服とする制作者達は簡単には出来ない様に設定する、これによりこの機は使われなくなる運びとなった、いや禁止され使えなくなったと言うべきか)気をつけろ、そこを開ける奴はまず居ないからな」


「5836216589168813467546857586884、これを霊気でそっと入力しろ、そっとだぞ、刺激を与えれば爆発する」


「覚えられないっすよ、あーくそっ」タケルの手が震え出す、と、同時に霊力の線も微かに震え出す


「あー光堂さん、わりい。みんな死ぬかも知れねぇ、俺こういうの苦手なんだ」


その時だった「どけ」

神井が前に出る


「俺がやる」


神井は手の震えもなく堂々としていた


「お前、怖くねぇのかよ」


「死ぬ事がか、笑わせるな、そんなものは怖くない」

神井が数値を次々に入力していく


「さあ、支持を出せ」


「黒いケースを外したら、大量の霊気のコードが配置されてるはずだ、右から104番目、下から32番目を切れ」


マタスーバは驚いた。切れって、本当に大丈夫なのか?間違えれば木っ端微塵になるこの状況で、何と言う自信、一体どれ程の修羅場をくぐって来たと言うのだ


「ふんっ、切ったぞ」


マタスーバは、自身の身体が今もなお残っている事実を確認し、大きなため息をついた

「まだ爆発はしてない」


「続けろ、左から30番目」

光堂の支持はおよそ10ほど続く


その時だった

「くそっ」

それは神井の叫び声

この時、神井はこの状況でも汗一つかかないほど冷静だった。

しかし、それは唯一の誤算……

垂れたのは汗でもない、血液であった

先程の闘いで、止まったと思われた傷口から一滴の血が垂れ落ちたのだ。


しまった、血が……爆発する

間に合わない……

神井の叫び声に死を覚悟したその時

神井の垂らした血を支える様に一本の霊気の糸がそこにはあった

タケルだった


「ふぅ〜神井、俺にはお前みたいには出来ねぇ、だから俺が全力でフォーローする、垂らした血や汗は俺がすべてカバーする」


「ふんっ」


扉の外

光堂はほくそ笑んでいた

残り十秒


「後はどうすんだ光堂さんっ」


「左から二番目を切れ」


ピッ

残り二秒


ピピッ


ゴクリ


「とっ、止まったぜー」

タケルの歓喜に満ちた叫び声が中から聞こえた


「ふぅ〜」光堂が帽子を目深にかぶる

ヘタヘタと倒れ込むマタスーバ


タケルが神井に手を差し出した

「やったな俺達」


「ふんっ、笑わすな」

握手はスルーして神井が扉に向かう


「おいっ、はやくこの扉を開けやがれ」


それは、その瞬間の出来事


「え?」


「嘘………だろ?」


ズガアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーンッ


凄まじい爆発音が


惑星全体に響き渡った瞬間だった。





〜 アンブラインドワールド 〜



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