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アンブラインドワールド  作者: だかずお
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〜 解放 〜



バルベインの瞳に映るのは、タケルの拳がポッポとキュアスの身体を貫通した姿であった。


「タケル何してるんだ」気付いたらバルベインは大声をあげていた。

しかし、すぐさま気付く、あのタケルの腕は肉体の腕じゃない、あれは霊力で具現化された腕……まさか。


それは妖精の惑星での出来事


「タケルあんたは第三チャクラが少し低い」


「私が引き上げてやるよ」


「そんな事出来るのかバルベイン」


「私は特に戦闘は強くはないが、スカルを創ったように、なにかを創るのは得意だ、霊力の整体師みたいな事もしてた。やってやるよ。そうすれば今より霊力のコントロールがしやすくなるはずだ」


「ありがとう、頼むぜバルベイン」


タケルの能力は浄化、私は浄化の能力を初めて目にする。

浄化の能力

魂、生命エネルギーは、中道状態と呼ばれる0ポイントであるニュートラルは自然な状態とされている。

しかし、生命エネルギーそのものである魂が肉体に宿り、生を展開する事により、自我を創り、制限を創り、世界にとらわれ、生命エネルギーそのものである自分自身を忘れ、時によってエネルギーは大幅に本来のバイブレーションから、はずれる事となる。

それら0ポイントを忘れ、忘却の中、彷徨う魂のバイブレーションの流れを調整し、本来の魂の波動に導く能力とされる。


「キュアスの様に、闇の意識に埋没していたい者にとっては、嫌な能力だろうな、半ば強制的に目覚めさせられる様なものだからな」バルベインが言った。


「なんだこれは、俺の身体が消えていく、貴様俺に何をした」


タケルが囁く「これじゃ駄目だ」


タケルが握った拳を開いた瞬間キュアスの身体が消えていくのが止まる。

タケルはポッポを揺さぶり起こした


「起きろ、奴が浄化したって、お前の精神が変わらなきゃ、また違う奴を引き寄せ、取り憑かれる、起きろ」


ポッポが目を覚ます


「もう大丈夫、お前に罪なんかないんだぜ」

タケルは自身の手をポッポの額にかざした

青白い光がポッポの額に集まりだす


「すっ、凄いこれがタケルの能力」驚くバルベイン

その瞬間ポッポの過去世の記憶が蘇る


「おっ、お姉ちゃん」


「ポッポ、ポッポお前は悪くない、大丈夫、すべての魂は大いなる力に愛され受け入れられてる、今こそ自身で握りしめる罪の心を解き放て」それは過去世で姉であったバルベインの声


「お姉ちゃんアリガトウ」

そう言いポッポは気を失った


「分からねえけど、多分次に目を覚ましたらこの子は、ポッポとしての今の時代の記憶しか残ってねぇ、バルベインそれで良いか?」


「ああ、大丈夫。ありがとうタケル」

バルベインは思う

光堂、あいつ移動の期間中タケルに教えてたのは力の使い方だけじゃ無かったって事か、タケルの能力に必要な霊的知識もきちんと伝えていたのか


「おっ、おれの便利な身体が」


タケルがキュアスの方に振り返り「で、お前はどうする?」


「ひいいっっ、許してくれ、ほんの出来心ってやつなんだよ」


「ポッポが解放された今、私はそいつを恨む事はしない」バルベインが言った。


ニカッ「そっか、だそうだキュアス。だけどもし再び他の者やポッポを同じ様に苦しめてみろ、そんときは俺が許さねぇ」


「ひいいっ、分かったよ、それなら俺を浄化してくれ、新しい人生をやり直すからよ」


「分かった」


こうして

キュアスは消えて行った、つぎの人生への旅路へと。


「タケルありがとう」


「気にすんなダチだろ」


「ダチか、良いものだな」


「ああ」


その頃

「マナ、ペレー聞こえるか?」

それは光堂からマナ達へのテレパシーであった。


「光堂、そっちは大丈夫?この惑星にシールドが」


「ああ、そのせいで磁場が乱れテレパシーが繋がりにくい、直に完全にコンタクトがとれなくなるだろう、この惑星は現在爆破されようとしている」


「爆破?なんだってウキ〜〜、せっかく観光だと思ってたのに、光堂と一緒だといつもこんなのに巻き込まれるウキ〜〜」


「俺達は今そいつを止めようとこの惑星の柱へ向かっている、応援が欲しい、みんなで来れるか?」


「分かった」「了解うき〜〜」


ゴゴゴゴゴゴオオー


沢山の宇宙惑星を眺めながら、鬼神、女狐、クラーケンは笑っていた。


「この広大な宇宙の中、連合すら手の出せないホンモノの凶悪な連中が居る、我々も名を上げ、この宇宙を支配する闇の存在達の仲間入りとなるだろう、今日はその一歩、まずは同時刻に数々の惑星を木っ端微塵にさせ、我々の驚異を宇宙に示す」鬼神が鋭い牙を光らせる。


「だが鬼神、さすがに俺達だけじゃ、宇宙にのさばる巨大な闇の奴らの力に及ばんのでは、俺達には数が居ない」


「クラーケンや焦るな、数などこれからいくらでも集められる、くっくっく憎きあの男はいつまで姿を隠していられるものか」


「真堂丸」

女狐の言葉に鬼神の瞳も同時にギラついていた


「さあこの宇宙で成り上がるとしようじゃないか」


その頃、妖精の惑星

ジョーは必死に情報を探していた。

何故だ、何故光堂さん達のチームが解散になった事件の情報が収集出来ない。

裏で何が動いているんだ?

ジョーは連合の中で情報収集の担当もしていた、言わば情報を集めるプロフェッショナルでもあった


「くそっ、駄目か」

くそっ、連合が手を出せない程の連中なら数は限られる。

その時背後から


「何を探しているんだ」

その声に驚き後ろを振り向く


「道来さん…」


「道来さん、あまりの危険さに、連合が相手に出来ない連中は確かに宇宙に存在している。でも仲間が殺されて、その事件を隠すなんて事が本当に」


「何かを調べているな、ジョーやめておけ」


「覗いてはならない、決して関わってはならない程の強大な力を持つ闇の者が宇宙には存在する、これ以上首を突っ込めば確実に感知される、奴らは黙ってない、奴らは冗談抜きに強いのだ」


道来の真剣な眼差し、その言葉にジョーの背筋がゾッとする


「奴らは宇宙の何処にいても気付ける程の霊力を持っている」


「連合も迂闊には宇宙戦争まで拡大する争いを引き起こしたくないのだ」


「そっ、そうですよね、分かりました。いやぁ〜命拾いしました。もうこれ以上止めときます」ジョーは席を立った。

その後ろ姿を道来は黙って見ていた。

道来はジョーの調べていた画像を覗く

そこに書かれていた文字


インフィニティ、検索不可能


道来はその文字を黙って見ていた

「インフィニティ」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオー


その頃、妖精の女王ぺぺと太一は会話していた。

会話の内容は真堂丸と文太の話


「本当に優しくて二人共強き心の持ち主だったんです、頼むぺぺ様、俺にも情報をこの通り」太一は地面に頭をつける。


「太一。頭をあげなさい、道来に伝えた通り今は無理なのです、それに……」

ぺぺは頭を抑え突然倒れる


「ぺぺ様」


妖精達が一斉に集まりだす


「ぺぺ様」


「大丈夫」


「おかしいですね、情報にモヤがかかるのです」


「何を仰ってるのですかぺぺ女王」


「私は光堂達にスフェアへ向かえと言いました、いつも通り見えない世界からの助言でした。しかし、おかしいのです、いつもなら理由までハッキリ見えた、でも今回は何故スフェアなのか私にも分からなかったのです」


「それを教えないほうがいいと言う事で見えなかったんじゃないんでしょうか?」


その質問にぺぺはハッキリと言い切る

「違います、モヤがかかってしまって見えなかったのです」


「なんですと?一体なぜ」


ただならぬ状況に困惑する者達を太一は見つめていた


女王が囁く

「闇の主の目覚めが近づいてる」

オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオーーー


タケルとバルベインの目の前ポッポが目を覚ます。

聞こえるかポッポ

ポッポはその声に訳も分からず涙していた。

本人は覚えてなくても魂が知っていたからかも知れない。


「お姉ちゃん、誰?」

事件前の少しの記憶はやはり消えていたようだった。

バルベインは背中を向け顔を隠す


「誰でもないよ、ただの通りすがりの者だ」


バルベイン……

タケルはそんなバルベインの背中を見つめていた。


「そうなんだ、お兄ちゃんは?」


「えっ、ああっ、俺もだよ」


「そうなんだ、ボクもう行かなきゃ」

去っていくポッポ、背中はどんどん小さくなる。

その時だった急に大きな声でバルベインは力強く叫んだ


「あんた今幸せなのか?」


「うん、幸せだよ」


「じゃあまたね」

ポッポは優しく微笑んで去って行った。

タケルは涙を流すバルベインの背中の後ろ、声を掛けることなく、いつまでも優しく暖かい空を見上げていた。




〜 アンブラインドワールド 〜



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