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アンブラインドワールド  作者: だかずお
38/84

〜 時代の告知 〜



睨み合う二人

神井の霊気が光堂の首元に向けられている

光堂は帽子を目深に被り、神井に背を向け歩きだす


その時だった


「くそっ、マナさん、マナさん何処だっ」


タケルの強い想いが、マナの心に響く様に伝わったのだ


「えっ、タケル君?」


「タケル君、聞こえる?」


タケルは何処からともなく響き渡るマナの声に驚いていた


「えっ、マナさん」


「タケル君、今テレパシー出来てるのよ」


「えっ、マジか!本当っすか?でも今はそんな事よりバルベインが死にそうなんだ」


その言葉に驚く光堂とマナ

「すぐに行くわ」


マナは依然神井の霊気が光堂に向けられてるのを知っていた


「マナここは大丈夫だ、行ってくれ」

マナが頷く


ヒュオオオオオオオオー


「連合の犬よ、俺の事をどこまで知っている?」

光堂は後ろを振り返り、神井の瞳をジッと覗き込むように見つめた


その頃、精霊の星

ジョーは宇宙船で、膨大な量の情報を探りながら、調べものをしていた


「そんなに必死に何調べてんだジョー」太一が興味津々に横から声をかけた


「ちょっと気になる事がありまして」


やはりおかしいんだ、光堂さん達のチームが解散したきっかけになったあの事件

あれは確か光堂さんのチームをまとめていた隊長が死に至るまでにいたった大きな事件、それなのに何故連合はその真相を突き止めようとしてないんだ

宇宙船の空間に映し出されているデータにかかれている文字

探索不能

ペレーの言葉が脳裏に浮かぶ

連合も迂闊に手を出せない強大な闇


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォ〜

一体本当の事実はなんだ?

俺は何も知らない、大好きな彼らの身に何が起こったのかを…

ジョーは一瞬躊躇する、このまま調べる事はもしかしたら自身の命に関わる事かも知れない

ジョーは止まった身体を再び動かし始める、俺は知りたいんだ、彼らに何が起こったのかを、真実を


その時、宇宙船の壁に扉の形が形成され開き出す

一瞬ドキッとしたジョー


「あっ、道来さんお帰んなさい」待ち侘びたように太一が言った


「太一、驚くな一斎が生きている」


「なんですって………」

その名前にジョーは驚く、一斎って言えばあの真堂丸に負けない程の刀の使い手、そんな魂がこの時代に転生していたのか


「それならさっそく会いに生きましょう」


「今は駄目だ」


「どうして?」


「分かってくれ太一、私もお前と同じ気持ちだ、今すぐにでも向かいたい。しかし今は行けないんだ」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ〜


ジョーは思う、一斎、彼は敵なのか?味方なのか?

何か大きな時代のウネリが、今ここと言う、目の前で起こり始めてるのを実感した瞬間


「一斎は文太の兄貴や真の兄貴の事を知ってるんですか?そもそも記憶を持って転生してるんですか?」


「記憶があるのは間違いないだろう、今この時期、そしてこの場所に自ら選び来ているみたいだ」


「でも何故?」


「間違いなく」


「文太と真堂丸に関係しているんだろう」

太一の瞳に涙がうっすら浮かんだ


「文太の兄貴、真の兄貴」


再び舞台はスフェアの惑星

マナは現在バルベインを治療している


「ペレー、マナさんに伝わったぜ、俺のテレパシーが」


「タケルテレパシーちゃんと使えたウキか」


「て言うか、ペレーが最初からしてくれたら良かったんじゃねえか」


「確かに、焦って忘れてたウキ」


「でもテレパシーって相手が霊力のスイッチ切ってたら伝わらないんだろ?」


「そうウキよ、感知出来ない状態ウキ、後、よっぽど霊力使って疲れてる時、地場が不安定な場所なんかも分からない時がペレーには、あるウキね」


「しかし、バルベインに一体何があったんだ、さっきの男の子も良く分からないらしいんだ」


空からは土砂降りの雨が降り注いでいる

一体何が起こっているんだ?


ガチャ


目の前のドアが開き、マナが部屋から出てくる


「マナさんっ、バルベインは?」


「一命はとりとめたわ、傷も治りかけてるんだけど、目を覚まそうとしないの」


「なんだって」


「霊治療は本人の霊力と精神が回復に大きく影響するの」


「同じ傷でも回復しやすい人と、しにくい人もいるわ」

マナはハッとする。

光堂はさっきのあの傷を、一瞬で動けるまで回復した?

致命傷は避けていたと言っても、かなりの負荷でのあの傷を?

違う、流石に今の私はそこまで回復技を会得出来てはいない

光堂の傷の具合50%くらいの筈、神井君とはどうなったの?


光堂は神井をジッと見つめている


「俺の事を知ってるか、どうする連合は俺を殺すか?」


「連合は知らない」


「何?」


「喋るつもりはない」

光堂は神井から目をそらし歩き出す


「修行も続ける、逃げるんじゃねえぞ」


神井は、光堂の背中を言葉無しにジッと見つめていた

すると光堂が足を止める


目の前に立っている頭の細長い老人


「連合の人だね」


「ええ、あんたは?」


「この星で大変な事が起ころうとしてます、我々に力を貸してくれませんか?」


「大変な事?」


「この惑星は、これからすぐに、完全に外からも中からもシャットアウトされます。もう何者も外には出られなくなるでしょう……この星が爆破するまで」


光堂は細長い頭の老人をしっかりと見つめた


「あんたは?」 


「この星をずっと見守って来た者です、名をマタスーバと申します」


「この星は我々五人のガーディアンにずっと守られてここまでやって参りました

だがある時、一人のガーディアンが欲にかられ、この星を我が物にしようとしたのです。無論他の四人は反発し、彼を他の星に星流しにしました

だが彼は戻って来た、宇宙の荒くれ者の仲間を連れて、我々は再び彼を食い止めようとしたのですが、私を除く他の者は皆、殺され、私だけが逃げのびた始末」


「あんたはさっきこの星が爆破される、そう言った。そいつが星を爆破する意味がいまいち見えてこないんだが」


「闇の主ですよ、彼は闇の主に魅了され虜になった、闇の主はこの星を爆破させたい、そう思ってるに違いない、どう言う訳か奴は勝手に盲信し、そう思い込んでるのです、闇の主が目覚める事によって、闇を秘めた波長の者は影響を受け始めてるのです」


「笑わせる、闇の主がこの惑星を認知してる訳が無いと思うが」光堂が言った


「くだらねえ、キチガイに構ってる暇はない、おいっ俺の修行をさっそく始めろ」神井が叫ぶ


「連合の方よ、この星は明日の午後爆破される、この星を支えてるエネルギーの柱に凄まじい威力の霊気の爆弾が取り付けられているんじゃ、どうか私に力を貸してくれ、この星を、民を救わなければならないのだ」


「分かった、そこに案内してくれ」


その時だった、十歳くらいの少年が突然地面の中から姿を現す


「見つけマタスーバ、殺すからこっち来なさい、この星は闇の主の貢物として爆破させる」


「そんな事はさせるか」マタスーバの手には光線銃が握られている、発射された光線銃を軽々と躱し、マタスーバに向かっていく少年


「じゃあね」


ザンッ


キイインッ

霊気の込められた手刀を止めたのは光堂


「誰あんた?」


「宇宙連合、コードネーム、コードー」


「嘘だろ、この星に連合が居たのか」


「こりゃ一旦戻って報告しなきゃな」少年は地面を蹴って高くジャンプした。


「ちょっと面白くなってきた、じゃあまたね〜」

目の前には神井


「なんだお前、どけよ殺しちゃうよ」


ブチッ

その瞬間、少年は神井の殺気を感じたと同時に、神井の頭を踏み台にして更にジャンプした「やべ〜こいつすげ〜短気〜」


ブチッ

「でも大したことないな、俺に比べたら弱い、じゃあね〜」


ブチッブチッ

少年は凄まじい勢いで走って去って行った


「おいっジジイ奴の行き先に案内しやがれ」


「やれやれ、分かりやすい奴だな」光堂が嘆く


「と言う事だマタスーバ、俺たちを奴等のもとに案内してくれ」

「あっ、ありがとう」


バルベインの眠る病室

「うっ、ポッポ駄目だ、そっちに行くなポッポ」

バルベインはベットの上で目を覚ました


「バルベインさん」


「お前はマナ」


「大丈夫?」


「あっ、ああ」


するとマナの後ろから

「良かった〜、良かったウキ〜〜」

タケルとペレーの声


「一体どうしたんだよバルベイン?」


「何でもない、ただ転んだだけだ」


「そんな事あるかよ、あの怪我で」


「うるさい本当だ。私は大丈夫だ、外に行かせてくれ」


「駄目よ、まだあなたの傷は完治してない」


「大丈夫だ動ける」


「何言ってるウキ、少し休むウキよ」


「うるさい私の勝手だろ、お前達とは所詮暇で少し付き合っただけだ、私はそろそろ行く、世話になったな」


「おいっ、何カリカリしてんだ、俺たち仲間だろ、何かあったなら話してくれよ」


バルベインは無視してベットから歩き出す


「なんとか言えよバルベイン、お前本当に、死にかけてたんだぞ」


「うるせえ、ガキのくせに、ちょっと話したら仲間だと、笑わせんなよ、てめぇ達なんて最初から仲間でもなんでもねぇ、誤解すんなよ」


「ねぇ、バルベインさん」マナがバルベインを見つめる


「ポッポって誰?」


その問いに目をそらし

「じゃあな」

バルベインは部屋から出て行った


「一体どうしたんだバルベインのやつ」

タケルはバルベインの背中を見つめていた


ザァアアアアアアッー


ああ、私とした事がね

これ以上あいつらと居たら本当に好きになっちまうよ

あいつら本当に良い奴等なんだもの

ポッポ私は必ずあなたを助け出す、例え私の存在が消滅しようとも


惑星スフェアを支えるエネルギーの柱の場所、霊柱


「ボス〜、問題発生」


「なんだ」


「この星に連合の奴等が来てるよ、確かコードーとか名乗ってた」


「コードー、聞いたことある名だ、確か若手のホープとか言われてた奴だったか」


「ボスどうする?今爆破しちまった方が」仲間の一人が言った。


「笑わせるな、これは闇の主様へ捧げる儀式、俺は闇の主様の一人の使い様に言われたのだ、あの圧倒的な霊力はまさしく闇の主様の使い、あの方は狐の面をしていた、あの方の指定された爆破時刻を変える事は出来ないのだ、わかったな」


とある惑星


「クッハッハッハ、馬鹿ばかりだな、闇の主の為に自爆して惑星を滅ぼす奴等が沢山いやがったな、闇の主の使いなんて聞いたことないぜ」


「クラーケン楽しみだねぇ、この宇宙で同時刻に沢山の惑星が破壊される」狐の面を被り、真っ黒な着物に身を包む女、女狐


その横には大きな巨体、鋭い牙、頭には太く頑丈な二本のツノ

「これは良い、俺たちの復活を祈って、宇宙で見事な花火があがる、恐怖と言う名のな」その鬼の名は鬼神


「さあ闇の時代の開幕だ、すべての存在よ恐怖に包まれろ、光の時代は終わりを告げる、これはその余興」


「フッハッハッハっハッハッハ」


それは永らく平和を維持していた全宇宙に向けた宣戦布告の合図





〜 アンブラインドワールド 〜


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