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アンブラインドワールド  作者: だかずお
34/84

〜予感〜


今俺たちは精霊の星に滞在している。


道来さんは、早朝から、相変わらず素振りの修行ばかり、太一さんも負けじと横で続けている

あれだけ一つの事に無心に打ち込める姿勢は、見ていて心に伝わるものがある

表情は苦しそうと言うよりも、何処か恍惚に満ちた感じすら受け取れた

自分も、あんなふうに、一つの物事に、無心に、没頭した状態になりたい素直にそう思った

ちなみに振っている木刀は五十キロはあるらしい。

俺からは化物にしか見えなかった。

二人は霊力だって使えるだろうが、それに頼らず肉体の鍛錬を一切怠らなかった

努力?と言うよりも、ただそれをする事が好きなようにも見えた。

そんな二人の姿勢に俺も感化されたのだが、今の俺には霊力を使わずにあれを振る事は例え一回でも辛かった。


「あいつら馬鹿だよなぁ」バルベインが言った。


「化物だよ、俺からすれば」


「なぁバルベイン、スカルを十三個集めて次元の扉を開いたら、望み通りの世界を創れるんだろ?」


「言葉通りではないが、まぁそんな所だ」


「そしたら闇の主が存在しない世界に出来るんだな」


「さあな、あくまで希望だ、試した事が無いから分からん」


「そう言えばなんで、バルベインはこの次元の宇宙に残ってるんだ?波長を変えられる術を持つ存在なら別次元の宇宙に移行出来る可能性もまだあるかも知れないだろ?」


「……確かに最悪の地獄行きの滑車からは降りられるかもな」

バルベインは遠くをぼんやり見つめ、少しの間沈黙する。


「お前たちは馬鹿ばかりだ」


「なんでだよ?」


「お前も含めて大馬鹿だ、貴様に問う」


「何故、お前はいっとう先に波長を変えられる様に訓練をしないで、霊力で戦う術を学んでいる?」


「貴様が全力で波長を変える術を学んでいたら、この次元の宇宙から脱せられたかも知れないんだぞ」


「いや、それは出来ねぇ。俺はみんなと出会っちまった」


「は?」


「光堂さん達は俺が逃げても、この次元に残るだろ、それに地球には俺の家族や友達も居るだろ、みんなを置いて逃げれる訳ないだろ、だから向き合う事にした」


「けっ、馬鹿だよ、やっぱりお前も、お前の仲間達もみんな。この次元から逃げられない者たちの為にお前らが残ったって、なんにも出来ないかも知れないんだぞ、いや、むしろ出来ないだろ、良い迷惑さ、正義のヒーローでも気取るつもりか?お前が一人残った所で何も変わらないんだ」


「確かにそうかも知れない、だけど、出来るかも知れない」


「お前は知らないんだよ宇宙レベルの闇の恐ろしさが、宇宙は凄まじく広大なんだぞ、伯爵に会ったか?こないだのあれはただの部下だぞ」


「分かってる、それでも俺は震え上がった、今までだってそうだ、何度も怖くてちびりそうになった」


バルベインはタケルの顔を見る


「でも仲間が殺されるのはもっと怖かった」


「だから馬鹿だって言ってんだよあたしゃ、その為にあんたは死ぬのかい?」


「だから死なねぇよ、守れる様に強くなるんだよ」


バルベインは野原に寝そべる

「あ〜やだやだ馬鹿には参るよ、あんた第三チャクラが少し低い、少し引き上げてやるよ」


「え?」


「強くなりてぇんだろ、手伝うって言ってんだよ」


タケルは微笑んだ

「ありがとうバルベイン、優しいんだな」


「ったく、うるせーよ」

そう言ったバルベインは何処か嬉しそうにも見えた


その頃、ベッドの上の神井が目を覚ます。


「目覚めた様だな」

目の前には光堂が立っている


「俺は…」


「お前はパニックになり意識を失った、俺には大体原因が推測出来ている、出来れば、間違いであって欲しかったがな」


神井の表情が変わる。

「だとしたらどうする?俺への修行を終わりにするか」


「いや、続ける。お前にとってもその方が良いだろ?」


「知らないぜ、俺はお前を超えた瞬間殺すつもりだ」


光堂は興味無そうに返事する

「ああ、好きにしろ」


神井の周りにはどす黒い真っ黒なオーラが漂っていた。


その頃、ペレーとジョーとマナは三人で泉の前に座って語っていた。そこはとても静寂に包まれた場所。


やっぱマナさんは可愛いなぁ〜、そんな事を思い、顔を真っ赤にして照れているジョー。


「本当に今思い返すと、あの黒楽町の冒険はスリリングだったけど、良い思い出ウキよ」


「あん時は必死だったけど」


「あっ、あのう」ジョーが喋りだす。


「ペレーに、マナさんは、あのチームを復活させたいと思わないんですか?」


「そりゃ、またみんなで一緒に組めたら最高ウキけど」


「私も、またみんなでやりたいと思ってるわジョー君、でも一人でもその気持ちが無ければチームは出来ない」


「あの事件……光堂さんに一体何が?何故連合はあの事件の解決に動かなかったんですか?あの事件の真の首謀者は誰だったんですか?」


「ごめんジョー、言えないウキ。それに知ったところで何も出来ないウキ、でも…これだけは言えるウキ、首謀者はとてつもないデカイ闇ウキよ、連合も迂闊に手を出せない程の、残念ウキけど、この宇宙には強大な力を持つ、邪悪な存在も居るウキ、ペレーだって、もちろん平和を望むウキけど、抵抗勢力がそれを阻み、連合が解決出来ないのも事実ウキ、悲しいウキけど、知るだけでジョーの命が脅かされる事柄が存在してるのも事実ウキ」


ジョーの心臓は破裂しそうなくらい速く動いていた。

それ以上、その先の事実を聞けなかった、いや聞きたくなかったと言うべきなのだろうか……

自身の無力さが腹底に渦巻いてる感じがした


ぺぺは沢山の情報を心の中で見ていた、それは現在、未来、過去、時間を超えた情報

目を開く


その日の夜、全員はぺぺに呼ばれ再び女王の部屋を訪れた。


「みなさんに導きがあります、これから呼ばれる者たちは、私の言う星に向かって下さい」


女王の姿を形成している、光が勢いよく輝き増す。


「光堂、タケル、神井、マナ、ペレー、バルベイン」


「この星のすぐ近くのスフェアの星に向かって下さい、運命があなた方を呼んでいます」


「他の者達はもう少しここに待機していて下さい」


「分かりました」


一体何があるんだ?

タケルはそんな疑問を持つ


そんな様子に気付いたマナが言う「ぺぺ様は目に見えない世界とか、色んな情報にアクセス出来るの、そこから何かメッセージが届いたんだと思うわ」


「では光堂、我々はここに残る、気をつけろよ」


「よろしくお願いします、道来隊長」


「みんな心して行って来い、スフェアは最近良い噂を聞かないからな」太一が言った。


「なんだかひと波乱ありそうっすね光堂さん」


「そうだな、何かが起こりそうだ、気を引き締めろよ」


「よっよっよし、みんな大丈夫ウキよ、こっ、このペレー様が居るウキから」


「ふんっ」神井は余裕の表情を浮かべている


「では行くぞ、スフェアの星に」


俺たちはこの星でこれから待ち受けているものを、この時はまだ何も知らなかった


ゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオーーーーーー





〜 アンブラインドワールド 〜



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