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アンブラインドワールド  作者: だかずお
33/84

〜精霊の星の女王〜



「みなさんを待ってましたよ」

目の前には精霊の星の女王ぺぺが立っていた。


なんて暖かくて、優しい波動なんだろう、いつまでもここにいたくなる様な、そんな絶対的な安心感に包まれている感覚……凄いっ


タケルはぺぺの驚く程に調和のとれた波動に驚いていた。

この世に、こんな心地の良い感覚があったなんて。

それに女王の身体…


「すげぇ、身体が半透明だ」驚くタケルは感じたままに声にする。


「馬鹿っ、タケル失礼ウキ」


クスクス笑うマナ。


「私は肉体を持たない光の存在なのです、少し見えにくいのは許して下さい」


「あはは、良いっすよ。ちょっと驚いただけっすから」

ぺぺはそんなタケルの言葉にニコリと微笑む。


「みなさんがここに来たと言う事は、運命は確実に私の見えてる通りの現実に進んでると言う事、始まったのです」


「闇の主が目を覚まします」

ぺぺのその言葉に一同の表情が変わる。


「私はじきに確実に消える事になります」


「何をっ、ぺぺ様」周りにいる精霊達が驚き、叫びだす。


その言葉にすぐに反応したのはタケルだった。

「何言ってんだよ、どうしてぺぺさんみたいな存在が消えちまわなきゃいけないんすか」


「闇の主の波動は絶大で、もし目覚めれば、私の光の波動はのまれ、その影響で消えてしまうでしょう、、私だけではなく、宇宙全体でこの流れが起こる可能性があります」

それを聴いて間髪入れずにタケルは反応する。


「そんな事、俺たちがさせねえよ」


うっすら微笑ましい表情を浮かべるぺぺ。

その瞬間タケルと言う人間の魂の色を垣間見た。

この子は自分を信じている、その己とはエゴより広く、全てに繋がり、宿る自己を

嘘のオーラが微塵も感じられない、見栄ではない、疑いの無い音、今の言葉を咄嗟に発する姿から、その色が見えた。


光堂は、タケルを見つめていた


「あなたがタケルですか?」


「うん、そうっす」

静かに微笑んだ後、女王は真剣な瞳になる。


「闇の主、あなた達はその存在を知っていますね?」


「それに宇宙に存在する強大な闇のエネルギー、それは伯爵だけじゃないのですよ、それもご存知ですね?」


頷く光堂達。

「彼らは自己と言う存在を、完璧に神とまで認識してる存在、確実に闇の主に反発する、この広大な宇宙に自分以外の王を許しません、我こそ主と、それほどの絶大的な力と絶対的な信念を彼らは持っています」


「とてつもない時代が到来します、宇宙は荒れますよ」

ぺぺは目をつむり、喋り続けた。

「宇宙船で眠っている仲間はじきに目を覚ますでしょう、大丈夫、ここの磁場が彼を癒やします」ぺぺは全て知っている様だった。


ぺぺの言葉にホッとする一同。


「しかし彼は…」

言葉を続けようとするぺぺに光堂が「分かっています」


「俺たちはすぐにこの星を出ます」

波動感知タイプのジョーはすぐに気づく、神井の持つ闇の波動はすぐに、ここの磁場を狂わせる、ここに長くは居れない。


「いえ、今日はここに泊まって行きなさい、あなた達はここで学べる事があります、それにマナだって久しぶりの友達との再会を喜んでいるのですよ」

ぺぺは人の心が全て手に取るように見えた。

ぺぺは全て自分の内で感じ取れる

ここに居るもの達は、心がそのまま表れてる様な人々なのですね。

深く優しい地平線の終わりが見えない様な、笑顔。

人というより、自然そのものと対話している様なそんな時を過ごした。


そんな女王の言葉に甘え、タケル達はこの精霊の星に滞在する事になる。


「ひやっほ〜ぺレーさっきの滝、案内してくれよ」

タケルがぺレーを見ると、光堂とマナと楽しそうに会話している。


するとジョーが「あの三人は親友で、もとは連合の中でもチームを組んでいたんだ、久しぶりの再会、良かったら三人だけにさせてあげられるか?滝は俺が案内するから」


タケルは微笑んだ

「それが良さそうだ」


タケルは思う

あんな楽しそうに話す光堂さん、初めて見た

ダチ、やっぱり良いもんだ。


「ジョー、一つ聞きたいんだ、光堂さん達のチームは何故解散したんだ?」


ジョーは、問題一つ無い、空を見上げる。


「光堂さん、ぺレー、マナさん、多村さん、マサさん、彼らは同じチームだった、宇宙にも多大なる安心を与えられる、そんな力強い、本当に最高のチームで他のどのチームよりも輝いていた、だけど…ある事件が起こる」


ジョーの真剣な表情に、タケルの鼓動は大きくなり、息を呑む。


「話はしたいんだけど、これは自分の口からは言えない、言えないんだ」


「その事件以降、光堂さんはチームを解散した」


一体何が?

「いつか、光堂さんが話す事があれば……」


「すまない、これは、公言は許されない事件なんだ」


そんな会話の最中、タケルとジョーは精霊の滝に着く。

あまりの感動に心飲まれる


「なっ、なんだよ、このバカでかい滝は〜〜」


「でかいだろ、そうだなタケルが住む地球にあるナイアガラの滝の500倍の面積はあるぜ」


「すげぇ、しかも水が虹色に輝いてる」


それはなんとも幻想的な風景だった、滝の周りには見たことの無い生き物達や妖精が集まっていた。

そして驚いたのが、そこの空気は今まで食べた事のあるどんな食材よりも美味しく感じたのだ。


「すげぇ、なんかここいろんな感覚が満たされてく感じがする」


「そうだろ、ここにいたら不足感って、なんだか分からなくなるよな」


「それに、この星に住む存在達は優しくて愛に満ち溢れた者たちが集まるんだ、ほら地球の日本にこんな言葉があるだろ、類は友を呼ぶ、宇宙も同じく似た波長の者たち同じ星に集まる」


「なんだか、いつまでもここに居たいってそんな気持ちにさせてくれる星だな」


「ああ、平和な星だ、みんなが全ての者に優しい、ここでは個人が全体に奉仕し、全体が個人を奉仕する、そんな流れが自然に出来てるのかも知れない」


すると、一匹の妖精が、花で編んだ冠をくれた「はじめまして、この星へようこそ」


「ありがとう妖精さん」笑顔のタケル


「ジョー、なんで宇宙の存在達は地球人の前に姿を現さないんだ?」


「色んな理由があるさ、一言では言えない、もし今俺たちが地球人の前に姿を現したらどうなると思う?」


「う〜ん、人によるだろうけど、大多数の人が驚くと思う」


「そうだろうな、もし、そんな状況の中、嘘の情報が流れたらどうなると思う?彼らは地球を侵略しようとしているとかね」


「反応はそれぞれ違うだろうけど、多くの人間は未知なるものを恐怖する傾向がある、我々は今の地球の意識を読むと感じる」


「まだ、人間にそれを事実として冷静に受け入れる準備が出来てないって事か?」


「まあ、何度も言うけど、人により反応は違うだろう、既に気付いている者もいれば、コンタクトをとってる者、うすうす気付いている者、全く信じていない者、姿を現しても自分の見てるものを疑うもの、タケルの住む地球の集合意識を読むと正直パニックになるだろう」


タケルは最初に光堂さんに会った時の自分を思い出して笑った。


「タケルは今どう思っているんだい?」


「俺も最初は信じられなかったけど、今、色んな奴らに出会ってそりゃ、宇宙には危ない奴も居るかも知れないけど、良い奴も沢山居る、俺はみんなに知り合えて良かったと思ってる」


「嬉しいよ」


「それに地球にだって良い奴も居れば悪い奴も居るし、宇宙と変わらないよ」タケルは笑った。


「みんなで仲良く出来たら良いなぁ、争いもなく、平和に」


「ああ、そうだね」


その頃

「ら〜らららら〜〜っ」


ラルフォートは一人真っ暗な海の上を歩いていた。


「それにしても無謀、無謀、無謀過ぎる、あの人間達、本気で闇の主を止めるつもりでいるのかい?」


ラルフォートは海上に座り、手の指で顎をさすった。

希望なども無いこの状況に、果たしてどこまで出来るか見物でもありますね」

道化師は真っ暗な空を見つめる

「ここには光など届かない、見えるのは闇だけ、そんな場所で果たしてあの者たちが何をするのか、かぁ」


ニタアアアアアアッ

「ああ、これは悲劇?それとも喜劇?」


ラルフォートの瞳が引き締まる


「この絶望の中で君達はどんな創造をするんだい?」


「最高のショータイムになりそうですね」


「その中で僕はキーマンでもある、気付いているんだタケル君の事」


「あああああっ無謀過ぎる、恐ろしいのは闇の主だけではないのだよ、宇宙には本当に恐ろしい猛者共が居る、僕すら震え上がる程の者たちが」

ラルフォートは立ち上がり、踊り始めた。


「ああ、これは最高の舞台、ああこれは最高のエクスタシー」


「この状況を一体どうするんだい?あの人間共」


らららあああああああああ〜〜〜っっ


ゴゴゴゴゴゴゴオオオーーッ






〜 アンブラインドワールド 〜





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