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アンブラインドワールド  作者: だかずお
32/84

〜精霊の星〜




ゴオオオオーーーンッ ゴオオオオーーーンッ


現在タケル達は宇宙船で宇宙空間を漂っている。

依然として目を覚まさない神井、タケルはその間も修行を続けていた。


「まっ、今更なんだが私からも自己紹介をしよう、って言うか、お前たち!!知らない者が船に乗り込んだなら、少しは誰?とか聞くもんだろ、少しは興味を示せ!この無関心どもが、私の名はバルベイン、クリスタルスカルを創造した者の一人」


「スカルを本当にあんたが?こんなガキなのに」


「うるさいタケルとか言う地球人、私はこの身体を使っているがお前の何万倍も人生経験してる先輩なんだからね」


「見た目がこんな子供の奴に言われてもね〜」


「それにしても何故あんたが船に?」光堂が聞く


「それ、二日前に聞く質問だろ普通、まっ、まあ暇だから少しお前達の旅に同行しようかと、いっ、良いだろ?」


「まぁ良いんじゃねえか」


「好きにしてくれ」


「あぁよろしく」


おっ、お前ら本当に危機管理能力とかあるのか……


「この辺りの近くに俺の知り合いのヒーラーが居る、良かったら神井の事もあるし、行こうと思う」光堂が言った。


すると「ウキ〜〜」ペレーが叫んで喜ぶ。


「もしかして光堂、この近くって、マナの所ウキかぁ〜」


「ああ」


ジョーが顔を赤らめる、マッ、マナさんかぁ〜。


「マナ?」


「タケルは知らないウキね、ペレーと光堂の親友の一人ウキ、昔五人で冒険してから大親友ウキよ、とっても可愛いウキよ〜」

その言葉にテンションのあがるタケル。


「じゃあ決まりだな、行くか精霊の星」


精霊の星、太古の昔からその星は、全ての者を癒やすと言われている。

その星に住まうのは精霊や妖精、美しい景観は心に調和をもたらし、住まう者の心に平穏を与えると。


船内で飛び跳ね喜ぶペレーとジョー


「やったウキ〜、くつろげるウキ〜」


「よ〜し癒されまくるぜ〜」(マナさんを見て)


「まったく呑気な奴等だぜ」太一が微笑む。


かくして一行は精霊の星へと向かう。


「着いたぜ」


太一の声にタケルは外を眺める。


「うわぁ〜〜」


それは息を呑む程の美しい景色、深く広大な自然に囲まれ、何より景色が光を帯びて輝いて見えるのだ。

その場に居るだけで癒やされる様な調和のとれた空気がその場所を包んでいた。


「なんで、木から光が出てる様に見えるんだ?」驚くタケル


すると光堂が「オーラだ、この星の生き物達は本来の生き物の本質を非常に色濃く表している、ここでは精霊達の純粋な波動により、生き物が生命エネルギーを完璧に表現して生きていられるんだ」


「へぇーそりゃ凄いっす」


「確かに心落ち着く場所だ」道来も和んだ表情を浮かべている。


ゴオオオオーーーッ


「この音は?」


「精霊の滝ウキよ、ここは宇宙でも指折りの名所で凄まじい癒やしの磁場を生み出してるウキ、後でペレーが案内するウキよ」


「サンキューぺレー」


この星に辿り着く少し前の船内でこんなやり取りがあった。


「じゃあマナに行く事をテレパシーで伝えるとするか」


「待つウキよ光堂」


「何でだぺレー?」


「内緒にして、喜ばせるドッキリウキ〜〜」


と言うぺレーの粋な計らい?そんな流れで、マナに、ここに来る事は伝えなかったのだ。


「それにしても、テレパシーって便利だよなぁ、俺も使いたいぜ」


ジョーが笑う「タケル気付いてないか、お前も既に使っている様なもんなんだぜ」


「えっ、どういう事?」


「気付かなかったか、色んな惑星の存在に出会って会話してるのに、全ての言葉が通じてる事、テレパシーとはまたちょっと意味合いが違う様にも感じるかもしれないが、これも一種の意思疎通能力が開花してるんだ」


「そーいや、今までの星のみんなの言葉が普通に分かったな」


「周りに居るみんなの波長に共振して、知らず知らず今まで使わなかった能力や感覚が高まり開花してたんだよ」


「なるほどね」


「すぐに、テレパシー感覚なんてマスター出来るさ」


「そうか〜、そしたら携帯要らずで金もかかんないぜ」


「あはは、そんな地球のシステムも好きだぜ」ジョーが笑う。


しかし、ここの星は本当に凄かった、流れる川の音がまるで歌っている様に聴こえ、そこに育つ木々達は身体中からほとばしる程の光を放ち、蝶々にも似た手足のはえた、小さな妖精が微笑ましい様子で沢山飛んでいたのだ。


「地球の友達に見せたいぜ、妖精は実在したんだってな」


「タケルの住む次元の地球にどれだけ信じる心を持ってる人が居るか気になるウキけど〜ウキね」


「みんな言うぜ、頭大丈夫かって」タケルは笑った。


精霊の星には一つの偉大な女王が住んでいる

彼女の名前はぺぺ・ウィーザー

背中に羽をはやし、何処か昆虫の様にも人間の様にも見える、容姿はとても美しい姿をしている、身体は光で出来ていて、ほとんど肉体と言うより光の存在に近い。

ぺぺは閉じていた瞳を開く。


「来ましたね」


「ぺぺ様、彼らに迎えの者達を向かわせましょうか?」


「いいえ、既に向かってますよ」


ヒュウウウウウ〜〜 

そこに吹く風は何処と無く、懐かしさを感じる風

その瞬間瞬間が、とても美しい瞬間にタケルには見えていた。

そう思ったのは、この星の美しさだけのせいか、何故かは良く分からなかったが。


目の前を歩いていた光堂さんの背中が突然立ち止まる。

光堂さんの目の前には白い装束衣装に包まれた女性が立っていた。

俺は、綺麗な人だなと思った。


すると光堂さんが口を開く。


「成長したようだなマナ」


「ええ、久しぶり光堂」


二人は懐かしそうに、そして嬉しそうに微笑んだ。

何故だか俺はその光景を見て、嬉しくて泣きそうになってしまった。

ずっと新身に、だけど何処か深刻そうな光堂さんの久々に安堵にも似た顔を見れたのが嬉しかったのかも知れない。


この頃には俺は光堂さんの事を、実の兄貴の様に感じていた。


「マナ〜」「マナさ〜ん」


ぺレーとジョーが喜び、飛び跳ね、マナのもとに。


「ぺレー ジョー君」


そのマナの微笑ましい笑顔に、嬉しくて気を失いそうになるジョー。

かっ、可愛いなぁ


「マナ、俺たちがこの星にやって来たのは」


「分かってる、ぺぺ様は全てをお見通し。案内するわ、ぺぺ様のもとに」


「ぺぺ様?」


「この星の女王みたいな存在ウキ」


「女王?」


ヒュオオオオオオオオー


その頃ぺぺの美しい瞳からはひとすじの涙がこぼれていた。

この宇宙の宿命

そして今私の目の前に現れた者達

ぺぺは力強い瞳で目の前に広がる世界を直視した。

もう後戻りは出来ない…………




〜 アンブラインドワールド 〜



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