第6話 より良い答えは
キャンドルホルダーは眠り、ろうそくの火のやわらかい残り香が漂っている静かな部屋。ベッドに横になって、毛布にくるまって、目を瞑っても、一向に眠気はやってきてくれない。
寝る妨げになるから考えないようにしても、何か別のこと——ファミニア様やテンヴィスお兄様のこと——を考えようとしても、どうやったって頭から離れないのは昼間の出来事だった。
『きっと、オレたちを助けに来てくれたんだって』
そうやって笑ったベルル様。その思いに応えたいけど、そもそも何に困っているのかすらわからない。
『祈りの不確かさなんて、星神〈ファミニア〉から守られてきたあなた方にわかるはずがないでしょう?』
そうやって嗤ったユズノード様。それに返す言葉は、時間が経った今でもわからない。
わたしはそっと瞼を開いて身体を起こした。衣擦れの音がやけに大きく響いた。
すぐそばの黒いカーテンを開けて、ファミニア様が在られる東の空を望む。
窓ガラス越しに星空が見えた。白色、赤色、橙色、青色、そして金色。無数の星神様方は今日もわたしたちを見守ってくださっている。
「……ファミニア様、」
一際輝く金色の星神様は母なる闇に変わらず浮かぶ。瞬きもせず、ただじっとそこにある。
ファミニア様とわたしとを隔てる窓ガラスに触れると、すぐに指先の暖かさが奪われた。だんだんと侵食してくる冷たさをどうにかするよりも、今はこのわからないということに答えがほしい。
「わたしは……」
どうすれば良いのだろう。どうするのが正解なのだろう。たとえファミニア様に直接お聞きすることができても、きっと答えてはくださらない。
強いていうなら「ウィラなら見つけることができますよ」という言葉はいただけるかもしれない。それ以下はあってもそれ以上のものはないだろう。
だからわたしは考えるしかない。知っていくしかない。その上で、わたしがより良いと思える選択をするしかない。
——これは間違っていませんよね、ファミニア様。
わたしに光を分けてくださった金色が、気のせいでなければ一度瞬いた。
遠くの木々が揺れたと同時にかたりと窓が音を立てた。握りしめた手はすっかり冷え切っていた。
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