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21話 一番最初は私がいい

AI使用のが出来たので、この作品は本文には誤字脱字、表記揺れチェックするのに使っています。

本文以外にはタイトル、あらすじ、あとがきに使ってます(だって何書いていいかわからないから!)

「な、なな、何言ってんの紫音ちゃん!?」


「そ、そうだよ。そんな重婚なんて……なんて……ふわぁ……」


「いや……まあ、確かに条件としては満たしてるけど」


 俺達が生まれる少し前、この国では結婚制度が大きく変わった。


 一定以上の収入や資産、相手全員の同意、そして厳しい審査を満たせば、複数人との婚姻が認められるようになったのだ。


 世間ではハーレム政策なんて揶揄されているが、実際に利用している人もいる。


 そして、条件だけで言えば、確かに俺はその制度を利用できる側にいる。


「政治家とか芸能人が使ってるって聞くと、なんか生々しいわよね。で、どうなの? 男の子的には夢のような法律でしょ」


「そんな相手が居ないので考えたこともありません」


 確かに星宮さんの言う通りかもしれないが、実際そんな相手は居ないのでキッパリと言い切る。


「「「ふーん……」」」


 うん。なんで揃いも揃ってそんな反応かな?


 なんで蒼月さんはそんなジトッとした恨みがましい目で見てくるの!?


 なんで陽向さんはちょっといじけた風な反応!?


 星宮さんは大変楽しそうね!!


「ああ因みに、住人の知り合いなら、一緒に使えばタダで利用出来るから、今度ジムやプール使ってみる?」


「えっ、良いの!?」


「それは普通に嬉しいわね」


「私は運動はあんまりだけど、二人と天城くんだけなんてダメだから参加する」


 いや、ダメてなにが?


「それにしても、いろいろと聞いて天城くんって凄いなぁって改めて思ったよ」


「そう?」


 改まって陽向さんにそう言われ、内心で嬉しいのを隠しながら返事をする。


 いやまあ、実際嬉しいけど本当に自分が凄いとは思ってないしなぁ。


「確かに。何か切っ掛けでもあったの天城くん?」


「切っ掛けねぇ?」


 蒼月さんに言われて少し考える。


 でもやはり切っ掛けと言われればあれくらいだろうか。


「切っ掛け……と、言えるかはわかんないけど、ガキの頃にすげぇ嫌な奴に会ってさ。ああはならないようにしよう、とは思った」


 名前も顔も曖昧なのに、あいつみたいにはなりたくない、という感覚だけは今も残っている。


「子供の頃だとそんなものかもね。私も子供の頃の事を思い出せって言われても、詳しく覚えてるのは少ないもん」


「うん。私も子供の頃の記憶は二人や家族の事くらいしかない。後は嫌な思い出」


 苦々しい顔をしている所を見ると、多分あれの事を思い浮かべてしまったのだろう。


 俺達は揃って苦笑いした。


 その後もうだうだと話していた俺達だが、ふと時計を見ると結構いい時間になっていた。


「そろそろ皆帰らないとだね」


「ハッ!? 話に夢中になってて天城くんと遊べなかった。今日こそ蜂の巣にしてあげようと思ったのに」


 ……連続十二連敗中の人間がよく言いよる。


「今日は諦めい」


「えー、あっ、そうだ」


「駄目」


「まだ何も言ってないんですけど!?」


「すまない。なんとなく……で、何?」


「天城くんのお家にお泊まりした───」


「「「却下」」」


 蒼月さんの妄言に全員の声が重なる。


「酷い! こんなに可愛い女友達がお泊まりしたいって甘えてるのに、考える素振りすらなくて却下するなんて!」


「いや、酷いのはアンタの考え方よ。このおバカ娘」


「真白ちゃん。流石にそれはないよ」


「また何時でも来ていいから諦めて帰りなさい」


「え〜」


「ハウス」


「扱い酷くない!?」


「はいはい。お家に帰るわよお嬢様」


「帰る準備しましょうねー。お嬢様」


「扱い!?」


 蒼月さんが吠えているが、まぁしょうがない。自業自得だ。


「三人とも帰る方向は一緒でいいの?」


 いつも通り送って行くため一応聞くとどうやら星宮さんだけは方向が違うらしい。


「別に良いわよ。ここからなら割と近いし一人ででも大丈夫───」


「いや、あのね。蒼月さんにも言ったけどこんな時間に女の子一人で帰すなんて選択肢ないからね?」


「そ、そう?」


「そ、そっかぁ……」


 はて? なぜ二人は少し顔が赤くなっているのだろうか? 


 女の子を夜一人で帰さず送るなんて、常識の範疇だよね? 


 そして蒼月さんは無言で脇腹を殴るの止めてくれませんか?


「天城くん。そういうところだよ」


「どういうところよ!?」


「ま、まあ、いいわ。それじゃあどうしましょうか?」


「あー、だったらまず方向違う星宮さんを、バイクでちゃっちゃと送って、その後二人を───って、なんでしょうか?」


 予定を話すと何故か蒼月さんに思いっきり袖を引っ張られた。


「天城くんってバイクの免許なんて持ってたの!?」


「うん。持ってるが?」


「聞いてない!?」


「聞かれてないから言ってない」


 バイクの免許は前から16取得出来る。


 二人乗りをするには取得から一年経過する必要があったが、今は追加で金を払い、講習を受ければそれを待たなくても良くなったのだ。


 五千円しか違わなかったから、どうせならって感じでやったけどそれがここで生きてくるとは。


「天城くんはも〜!!」


 ポカポカと殴られるが、自分からバイクの免許持ってんだよね。なんて、きっかけもないのに言わないと思うのだが?


「……今まで誰か乗せた事ってある?」


 若干頬を膨らませて怒ったように俺を見ながら聞いてくる蒼月さんにないけど……と答える。


「むー。なんの意味もないし、ただのワガママだってわかってるけど、私が一番最初に乗りたいな」


 そんな風に言われて後ろを見ると、星宮さんも陽向さんも、困った子供を見るような目をしながら、どこか嬉しそうな雰囲気を漂わせて良いよと言った。


「良かったの?」


「うん。真白ちゃんがそんな風に素直にワガママ言う方が珍しいし、全然構わないよ」


「そうね。別に拘りはないし、ただ琥珀はそろそろ門限になるから次に送って上げて」


「了解」


 喜ぶ蒼月さんを抑えつつ二人に聞くと、やはり少し嬉しそうにしながらそう答えた。


 短い付き合いだが、俺としてはそんな姿(ワガママ)の方が馴染みがあるので、二人の答えに少しビックリした。


 まあ、二人が良いなら俺も全然問題ないんだけど。


「えへへ……一番最初」


 そう言ってフニャッと嬉しそうに顔をする蒼月さんに「じゃあ、ちゃっちゃと行きますか」


 できるだけ軽く言ったつもりだった───。


 けれど、嬉しそうな顔でニヤニヤと笑う蒼月さんに、内心は見透かされている。


 それにはあえて気が付かない振りをするのだった

ここまで読んでくださりありがとうございます。


真白の「一番最初に乗りたい」は、かなり素直なワガママでした。


続きが気になる方は、ブックマーク・評価・感想で応援してもらえると励みになります。


真白、陽向、紫音の反応や、理人の無自覚さについて一言でも感想をもらえると嬉しいです。

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