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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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98/166

98戦闘

高屋が、小型車2台ぐらいなら何とかすれ違えそうな広い内調地下2階の、コンクリートにパステルカラーのブルーで塗装した壁に全速でブチ当たり、ナイトの胴体に突撃した。


だが素早く、ナイトは手に持った長い槍を突き立てた。


高屋は、自在にボールになった己を変化させることができる。

槍を避けて、高屋はフォークボールのように下に沈んだ。


だが、槍も可変する。

堕ちる高屋のボールを追って、槍の切っ先が下がっていく。


そこに井口のカラスが、甲冑男ナイトの顔を狙って鋭い爪を突き立てた。


高屋は、その一瞬で、カーブのように大きく横に変化して、ナイトの足元に落ちると、そのまま足の向う脛に体当たりをした。


美鳥のミサイルが破裂し、無数の蝶がナイトの周囲に溢れかえった。


誠は、必死にレディたちダンサーチームを追いかけていた。


ミオも鍛え抜かれた元プロボクサーであり、レディは常にミオのトレーニングに付き合っている。

背も誠よりも低く、体も小さなレディこと春川順平だが、ミオに遅れない速度で走るし、ミオの全ての動きにシンクロして「ダンス」をする。


強烈な死のダンスだ。


誠は全く追いつけなかった。


だが、誠も影繰りではある。

空中に浮かんだ一瞬で、影の手を使えば、5,6メートルを一瞬で移動はできる。


だけど、レディさんの振り子を透過するとしたら、レディさんに並ぶぐらいに近づかないと…。


そこが問題だった。


なにしろレディとミオの死の舞踊に付かず離れず付いていかないといけないのだ。


前方の廊下では、高屋がナイトの周囲の天井、壁、床を跳ねまわり、凄まじい攪乱戦を続けていた。

普段はのんびりした大阪弁のおばさんだが、戦闘となれば超高速のボールの破壊力は、ナイトをよろめかせる程だ。


井口と美鳥は、うまく高屋をフォローしながら、ナイトの動きを止めようとしていた。


そしてダンサーチームは、ナイトに振り子を打ち込める位置に到達した。


ミオはスピードを落とし、影である大きな蕾の花弁を広げた。

花弁の広さはボクシングのリングより少し大きい程度。

ミオは、この花弁の上を滑るように移動できる。


誠も速度を緩めた。

ダンサーチームの前に出れば、逆に主力であるダンサーの動きを制限してしまう。

今回は誠はダンサーの背後で、レディの振り子を透過しなければいけない。


美鳥と井口は壁際に寄って、ダンサーチームを前に進ませる。


高屋がナイトの顔面にボールをぶつけ、ナイトが大きくよろめいた。


レディが分銅をナイトに撃ち込んだ。


今だ!


誠は思った。


だが、その時、誠の足元が突然爆発した。


「誠!」


美鳥が叫ぶ。


ナイトは、杖のように槍を地面に突き立てていた。

その先端は、硬いコンクリートを潜ってダンサーの足元を通り抜け、誠を狙って飛び出したのだ。


誠の体を槍が貫く。


幸い、誠は透過をしようとタイミングを計っていたところだった。


咄嗟、誠は自分の体を透過した。


レディの分銅はナイトに当たり、グレンの炎を吹き上げた。


やはり僕を狙ってくるのか!


ミオの言ったとおりだった。

そして鉄壁の防御力を誇るナイトの槍は、およそ30メートル離れた誠を攻撃できる。


なんて強い影繰りなんだ…。

誠は絶望と共に感嘆した。


この攻撃を避けながら分銅を透過なんて、出来るのか?


誠は唸った。





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