97強襲
誠は幾つかの防御シャッターを透過し、影の手で全員を地下2階に運んだ。
そこは、既にシャッターが押し上げられ、一直線の通路が続いていた。
「この先に甲冑男がいるのか…」
レディが唸った。
レディは甲冑男ナイトとは戦っていない。
だが、マッドドクターが全幅の信頼を寄せている事は言葉のやり取りから判っていた。
「でも、どうすんのん?
あれには直接攻撃は全く効かんよ」
高屋は声を震わせた。
「落としても、コンクリートの中で生きていて、すでに何度も自力で這い出してきているんです」
誠も言う。
「唯一、奴に被害を与えたのは、体に消火器を重ねて、透過を解いた時だけでした。
今回は似たようなことで息の根を止めようと思っています」
「似たようなこと?」
レディが問う。
「つまりレディさんの分銅を、甲冑男の体内に透過して入れるんです」
「それは効きそうね」
美鳥が頷いた。
「しかし、その形をとるためには皆さんで甲冑男の足を止めるぐらいに攻めて頂かないとなりません。
後は僕がタイミングを見て、透過するだけです」
「それしかないだろうな」
とミオが言う。
「だが誠君、奴だって君に予想外の攻撃を受け、倒されたことは鮮明に覚えてると思う。
奴はまず、君を狙ってくるだろう。
君は、作戦を成功させるためにも自分の身の安全を守らなければならない」
6人は素早くそれだけ話し、通路を進んだ。
直後、ドカン、ドカン、と防御シャッターを殴る音が再開した。
「何らかの感知能力でこちらの動きを察したんだな」
井口が呟く。
「連中が来る前に甲冑男を殺すわよ!」
美鳥が言った。
甲冑男ナイトは、既に防御シャッターを押し上げるのを止めており、誠達をゆっくり振り返った。
「行くで!」
高屋が完全球体に変身し、廊下を跳ねて加速して、甲冑男に向かう。
すぐ後ろに3匹のカラスと、美鳥のミサイルが続いた。
その背後に、ミオとレディが重なるように走っていた。
ぴったりと連携した二人の動きに誠は感嘆しながら、最後を走る。
なんとか透過で防ぎきらないと…。
誠の影の纏い方では、強力な甲冑男の攻撃を防ぐのは不可能だった。
それに…。
誠は、甲冑男がどう攻撃するのか、まだほとんど知らなかった…。




