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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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91/166

91爆弾

こうして元気に直立し、勝気に自分を見下ろしているカブトを改めてみると、なるほどレディの兄弟、だと誠は思った。

女性風のメークをしていないレディは、童顔の少年だったが、カブトは、少し大人びた面差しのある風貌だった。

髪型が男性なのもあるのか、背もレディより高いし、全体的に逞しい。

それでも、どこか女顔のようにみえる、いわゆる美少年だ。


レディはオムツ一つで、と言っていたが、着替えたのか、黒いTシャツに黒いジーンズ、赤いスニーカー姿で、黒いジャージを羽織っていた。


カブトは両手から影の鞭を出し、ニヤッ、とヤンチャそうに笑うと、口から、ぽぅ、と火を吐いた。


まるでクリスマス蝋燭に灯っているような、小さな灯が、カブトの頭上にフワフワと浮かんだ。

続けざまに何度か、カブトは火を吐き、カブトの頭上には天使の輪のように火が取り巻いた。


いつの間にか、そのうち2つが美鳥の蝶で覆われた2人のところに飛んでいて、あ、と思ううちに影の蝶を燃やしてしまう。

カブトは、飛び降りて2人の前に立ち塞がった。


倒れていた2人は、荒く息をし出していた。


「厄介ね、あの火は…」


美鳥が呻いた。

誠は囁く。


「今のうちに、あの二人を1階下に落とします。

ミサイルを、同時に打ってください」


美鳥は頷いた。


カブトの背後で倒れていた2里人が、姿を消した。

同時に美鳥がミサイルを放ったが、それも空中で消え去った。


「成功しました」


誠が囁く。


「透過の坊やか…。

君は面倒な子だね。

可愛くない…」


カブトはむっつりと言うが、ニィと笑い。


「最初に壊してやる!」


ククク、とカブトは笑った。

誠は身構えたが…。


突然、誠の足元が爆発した。


攻撃されてもいいように透過をかけていたために実害はなかったが、誠は影の手を天井に伸ばした。


万一、透過できなければ、足が完全に吹き飛んでいただろう。

誠の、1か月訓練しただけの影のオーラでは、銃弾以上の攻撃は受け止める事が出来ない。

本来は戦場に立たない方がいいが、立ってしまった以上は、早く終結させることが最大の防御だった。


誠は天井に貼り付いたまま、カブトに影の手を伸ばした。


カブトの頭の周りをまわる火の玉が、誠の影の手と触れると、爆発が起こった。


影の手が消滅した。


「面白いだろ?

攻撃と防御を兼ね備えた火の球なのさ。

俺には誰も触れない。

そして…」


誠の周囲の天井が爆発した。


あ…、危なかった…。


誠は、微かに体が震えるのを感じた。

懸命にカブトの攻撃を感知しようとしていたが、全く感じられなかった。


今、偶然、下に降りようとした瞬間だったので、何とか無事に避けられたのだ。


誠は背後のシャッターに、体を貼り付けた。


「なんだ?

奴は考えただけで、あらゆる場所を爆破できるのか?」


ミオが呟く。


「いや。

そんな能力のはずはない。

何かカラクリがあるんだ!」


レディが叫ぶ。


ふふふ、とカブトが凄惨に笑った。


「そうかな。

僕は、考えるだけで、あらゆる場所を爆破できるんだよ。

違うというなら、反論してみろよ…」


アハハ、とカブトは笑った。


誠は、再び影の手を伸ばす。

前と同じように影の手が爆発した。


この爆発…。


誠は爆発の性質を確かめるために、手を伸ばしたのだ。


「あの火と、僕の近くで起こった爆発は同質です。

たぶんカブトは、とても小さな、あの火を、地雷として予めこの周辺に埋め込んでいるんです。

小さくて感知できない分、とても避けずらい攻撃です!」


カブトが小さく舌打ちした。

だが、思い返したように喋り始めた。


「君は頭がいいな。

その通りさ、褒めてあげるよ。


爆弾は小さいほうが優れている。

色々応用がきくからね。

感知されないぐらい小さいと、面白いことになる。

さーて、僕の地雷は、あと何処に仕掛けてあるのかなぁ」


歌うように言い、カブトは笑った。


レディは唸った。


3年前のあいつは、ただ火の玉を打つだけの単調な影繰りだった。

どうせ、威力を上げたとか、そんな程度かと思っていたが…。


小さすぎて見えずに、感知できない爆弾か…。

さすがに予測できなかった。

蒼井の入知恵だろうか…。


「レディ、攻撃の形だ!」


ミオは叫ぶと、走り出した。

レディは、オーライ、と答え、3本の分銅をカブトに撃ち出した。


分銅は、カブトの防御の火の玉とぶつかり、爆発した。

3つの爆発が交わって、それは巨大な炎を生んだ。


その火の中を、影の鞘を纏ったミオが突き破っていく。


さすがに内調でも有数の攻撃力を持つダンサーチームらしい、ゴリゴリの特攻作戦だ。


だがカブトは、ミオから飛び退きざま、鞭を放った。


ミオは、ボクシングのステップワークで、鞭を避ける。

が、ミオの前進する進路に、不意にカブトの小さな炎が割り込んできた!


爆発が起き、ミオは背後に飛び去った。

間一髪、影の鞘でミオは爆発を防いでいた。


誠も戦闘に参加しようと影の手を伸ばすが…。


背後の物音に美鳥が気付いた。


「誠!」


視線で誠は問題を察知した。


「蒼井が来ました!」

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