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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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90/166

90戦闘

「俺ってば、演技のレッスンも最高点だし、もしかして芸能界でも売れるかもな!」


誠たち練習生は、武器の操作や格闘、運動能力の向上の他にも、外国語や演技の練習も行っている。


「いいですねぇ、演技レッスンが上手くて…。

僕なんて、いつもダメ出しばっかりですよ」


「棒読みなのよ」


美鳥が噴き出し笑いをしながら言った。

誠は運動も苦手だったが、演技など肉体を使った実技技能全般が苦手だった。


「そんなん、気にする事無いで。

役者やないんだから、上手くなくともいいんやよ」


誠は虚空を見上げて、それ以前なんですよねぇ…、と嘆いたが、ミオが現実に引き戻した。


「それより、今がチャンスなんじゃないか?

今はドクターは戦えない。

あの影繰り二人なら我々で制圧できるだろう。

今のうちに敵の戦力を削ってしまおう!」


「待って、今、永田さんに連絡するから」


美鳥が携帯を取り出す。


「永田さん?

えっ、判りました。

それから、マッドドクターは電磁波爆弾の起爆装置を持っています。

カブトの乗っている車椅子がそうなんです。

ええ、了解」


美鳥の様子が明らかに緊張していた。


「蒼井が人質を取って、エレベーターでこっちに向かっているわ!」


「しまった!

チャンスを逃したか!」


ミオは、今日はサラサラの短髪の前髪を搔き上げて嘆いた。


「まだ時間はあります。

防御シャッターも閉まっているし、そう素早くは動けないはずです。

敵の合流を食い止めましょう!」


誠は言った。

レディは聞いた。


「で、誰を人質に取ったんだ?」


「警備の人らしいけど…」


「影繰りの見張りに、ただの警備をつけたのか!」


内調の警備は、ほぼ自衛官が行っていたが、それでも相手が影繰りでは一般人と変わらない。


「本部のほとんどの影繰りは、今、外に出ているのよ」


美鳥がムーンライト号の説明した。


「とりあえず、上に出ましょう」


誠が言った。

全員異存はなかったので、誠は影の手で皆を抱えて、レディが螺旋分銅で大穴を開けた場所に戻った。


敵は二人とも、円盤使いと銃使いの長距離攻撃型なので、誠はすぐに透過で逃げられる、シャッターすれすれの場所に出た。


敵に動きは見られない。

上階、地下1階の方に引っ込んでいる。


「一発かますか?」


レディが囁く。

ミオは頷いた。


レディは素早く3つの分銅を出し、ドリルのように回転させながら撃ち出した。

螺旋分銅だ。

3つの分銅は、レディが明けた穴の、さらに奥に命中し、大爆発を起こした。


慌てたように、2人の影繰りが、飛び降りてきた。


円盤男が、6つの円盤を同時に発射した。

同時に、両手に銃を構えた男は、なんと空中にハンドガンを複数浮かべ、左右に広く展開した。


「なんだありゃあ、ファンネルかよ!」


井口が叫ぶ。


「影の力はイメージの力ですから、それもあり得ますね。

アニメが好きなのかも」


誠の言葉を遮るように、無数の銃器が一斉に発射された。

閉鎖された室内に轟音が鳴り響いた。

それだけで耳を覆いたくなるようなダメージだったが、さすがに戦い慣れたミオは、4枚の花弁の前面の1枚を持ち上げ、銃弾を弾いた。


ミオの背後では、レディが分銅で銃弾と、銃に遅れて飛んできた円盤を弾く。


美鳥は大量の蝶を出し、銃弾を受け止めていく。

銃弾と蝶は、相殺するように同時に消えた。


高屋は大きく膨れた。

その肉体で、十数発の弾丸を受け止め、バラバラと床に落とした。


誠に向かって飛んできた円盤と銃弾は、全て背後の防御シャッターに当たって弾かれた。

うわ、と誠は背後を振り返って驚いた。


「こうゆう場所で透過すると、跳弾しちゃうんですね…」


「一々気にしない。

あなたは治療も習ったんでしょ!」


美鳥が誠を叱咤した。


誠は黙って頷き、影の手を長く伸ばした。

2本の手が、それぞれ円盤を操る白人と、ロン毛の銃使いを掴もうと手を伸ばす。


円盤男は、腕を前に突き出した。

その指先を中心に、回転ノコギリのように円盤が回り出し、なんと誠の影の手を切断した。


影の手は、切られて一瞬で消え去ってしまう。


こんな風になるのか!

誠は驚いた。


だが。

影の手に背後に、井口が3羽のカラスを潜ませ飛ばしていた。

大ガラスは一瞬で円盤男と、ロン毛を吹き飛ばす。


美鳥が蝶のミサイルを撃ち、倒れた2人の影繰りを真っ黒に覆い尽くした。


「やった!

制圧したぜ!」


井口が叫んだ。


だが…。


地下1階の穴から、一人の少年が姿を現した。


「やってくれるね、順平。

どうやってドクターの催眠から逃れたかは知らないけど、なかなか凄い攻撃だった。

だけどね、順平。

君はいつだって、僕には勝てないんだ」


カブトが、戦場に姿を現した。


「気をつけろよ。

奴は、はっきり言って、強いぞ…」


レディが切迫した声を上げた。




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