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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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88/166

88目的

「…ちょっと正面から行き過ぎたんじゃないのか…」


井口が困惑して呟いた。


目の前には、フリスビーのような影の円盤を5つ浮かべた白人男と、銃を両手に構えたロン毛男が、殺気を吹き上げて誠たちを睨んでいた。


「甲冑男は本当に恐ろしい影繰りでした。

でも、この2人は、それほどには見えません」


誠は、自分がスラスラと強気な発言をしてしまうのが不思議だった。

本当に、妖怪でもついているんじゃないだろうな…。


「おばちゃん、鉄砲とか嫌いやねん」


「三人の長距離攻撃を同時に相手にするのは難しいわよ」


美鳥も唸る。


「大丈夫…。

そうはなりません…」


誠は唸るように言い…。


喋りながら、透過で落ちた。


誠達が落ちたのは、地下3階だった。

不意打ちだったが、全員影を纏っているので、その程度でダメージはない。

同時に、レディだけが3階に落ちていた。


「やると思ったぜ、誠」


レディが苦笑している。


「あのままではレディさんが、前と後ろに敵を抱えてしまいますから」


レディはシリアスな表情で、


「俺を信用するのかよ?」


「前から、ずっと信用していましたよ」


レディは、鋭く誠を、ぐい、と睨んでから、


「良かった。

ミオを助けてくれたんだな」


言って分銅を引っ込めた。

ミオは、深く安心して溜め息を漏らした。


「レディ、帰ってきてくれたんだね…」


レディ、というか少年姿の春川順平は、へへへ、と笑い、


「俺は最初からマッドドクターの嘘が判っていたんだ。

と、同時にドクターに操られている奴らも薄っすらと判った。

カブトも、完全にドクターに操られていた」


「マッドドクターは、本当にダメージを受けていたの?」


美鳥が聞いた。

レディが、逆に聞いてきた。


「いったい、お前ら何をしたんだ?

ドクターは痙攣しながら倒れて、今はちょっと動けないぐらいにバテてるぜ」


「人質の頭に入っていたマッドドクターの影を消したんです」


誠の返答に、レディは驚愕する。


「体の中に、マッドドクターの影が入っていたのか!

ただの催眠術だと思ってたら…」


ぞ、と鳥肌が立ったようで、


「俺は大丈夫なのか?」


「おそらくレディさんは、防護壁を壊す段階で催眠術は解けていると思うのですが…」


誠の横から、ミオが素早くレディの顔にフラッシュを焚いた。


頭上から、微かな叫びが聞こえてくる。


「この基地、意外と防音状態が悪いようだけど、本当に核シェルターの機能なんてあるのかしら」


美鳥は訝った。


「なんだ?

今のが、マッドドクターを苦しめた攻撃なのか?」


誠は、催眠術の原理をレディに教えた。


「人の心に中に入り込むなんて胸糞悪い影能力だな…」


レディは気味悪そうに、自分の腕を撫でた。


「なんやねん、こんなんなるなら緊張して損したわ。

先、教えてーな」


高屋は、少し怒っていた。


「あの場合仕方なかったんです。

皆さん、本気で戦うつもりだったから上手く騙せたんです」


まぁ、そうだろうな…、と井口も苦笑する。

高屋も、


「こんなら、もう、こっちのもんやね。

勝ったも同然や」


さっきまで怒っていたのに、もうニコニコと笑うが、レディが、


「それが、そうでもないんだよ。

奴らは奥の手を持っているんだ。

ムーンライト号の爆弾の起爆装置は、ドクターが持っているんだ」


レディの言葉に、全員が息を呑んだ。


「じゃあ、アクトレス教官たちが海上にいるうちに、爆弾を起動させると!」


誠は叫んだ。


「たぶんな。

ドクターたちが本部に入ったのは、蒼井聡の救出なんかが目的じゃない。

ここなら、爆弾を破裂させても安全だからだ」


来週は予定があって連載できないので、次の掲載は20日(土)になります。

すみません。

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