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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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87/166

87決戦

誠達がいるのは、甲冑男に追われて逃げた先だった。

1枚の防御シャッターを透過した先は、直線の長い廊下だ。

みな甲冑男に、防御シャッターをこじ開けられてしまったのだ。


誠達は、その1枚1枚のシャッターを下ろしながら、マッドドクターたちがいる地下1階と二階をぶち抜いた穴に向かって進んだ。

もし、再度逃げる羽目になった場合、それが逃走を助けてくれるはずだ。


僕にできるんだろうか…。


誠は、胸にもたげてくる不安と戦っていた。


確かに、あの強い甲冑男を倒した。

だけど、僕の影はレディさんみたいに直接、相手を破壊できる力じゃない…。


レディは一瞬で相手を殺せる。


誠も、普通の状態ならば、一瞬で相手を落とせるはずなのだが、残念ながらここは内調本部だった。

落とせば、マザーコンピューターまで落ちてしまう場所だ。


だから、不用意に敵を落とすことが、今の誠にはできない。


そして、落とせない誠の戦闘能力は、敵味方合わせた中でも、おそらく最弱だろう。


気を張って、影の体を自分の肉体に貼り付けてはいるが、そうしてさえ美鳥よりも、高屋よりも弱い。

なのになぜだか、誠は、まるで戦いのエースのように自分が振舞ってしまっていることに、自分で一番、戸惑っていた。


やがて、シャッターが閉まっているエリアに到達した。

誠が透過して、マッドドクターたちから逃げたルートだ。


「この先にレディはいるのか…」


ミオさんは、不安げに言った。


「あと多分、シャッター10枚と言うところでしょう…」


「どんな様子なん?」


「一見すると、全員、上の階で、互いに距離を取って休んでいるように見えます。

レディさんは、カブトの車椅子の近くで、何か話しています。白人の男は、老人の世話をしているようです」


「連中が何で動かないのか、推理できないのか小田切?」


井口の問いに誠は。


「無理ですね。

ただ…」


言葉を一端切って、


「防御シャッターを下ろして進んだ音が、聴こえていないとは考えられません」


「もーちょっと、油ァ差しといて欲しいなぁ、ほんま」


「まぁ、防御が目的なんで、消音性とかは考慮されていないだろうからな…」


ミオは苦笑した。


「つまり、あたしたちを待ち構えている、ってこと?」


美鳥は、既に船上でドールマスターと戦った時の顔になっていた。


「だからかしら。

異様に静かね」


美鳥の蝶は、戦闘でも高い性能を持っているが、様々な感知センサーを持った探索にも優れた影だった。


「行きます」


誠は、呟くように言い、5人はシャッターを透過して、レディが大穴を開けた地下2階の部屋に侵入した。


誠達が部屋に入ったと同時に、二人の男が軽々と穴を飛び降りてきた。


金髪に近い明るい茶髪の白人男性と、ロン毛の日本人の2人だった。

遅れて、レディも降りてくる。


ミオはファイティングポーズをとり、ミオを中心として、4つの影の花弁が花開いた。

この花弁を回転させながら、ミオはボクシングスタイルで、ジリジリと敵に向かっていく。


美鳥も、無数の蝶を舞わせた。

頭上には、蝶のミサイルも浮かべている。


高屋も、防御シャッターを押したときのように、一回り大きくなっていた。


井口は、頭と両肩に巨大な3羽のカラスを止まらせる。


一方、白人男性は、フリスビーにも似た回転円盤を頭上に浮かべていた。

日本人らしいロン毛男は、片手に大口径のハンドガンを、もう片手には軍事用自動小銃、マシンガンを構えていた。


その2人の背後で、レディも分銅を浮かべる。

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