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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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77/166

77再誕

直線の道をしばらく走り、70度ほど折れ曲がると…。


誠達は息を呑んだ。

コンクリートの通路は再三の爆発に黒々と焼け焦げ、そして…。

厚さ10センチはあるという内調の、鋼鉄の防護シャッターが、ひしゃげて、穴をあけていた。


「あいつ、やっぱ凄ぇな」


同級生の井口は感嘆した。


「ま、確かに破壊力なナンバー1ね」


美鳥は冷淡に言った。

戦ったら自分が勝つ、と思ってるんだろうな…、と誠は推測した。


美鳥はスマホで永田に報告する。

非常シャッターは本部内にも複数設置されているので、それを閉める、と永田は答えたが、通用しないのは永田も判っていた。


「アクトレスたちが、今、そっちに向かっている。

それまで辛抱してくれ」


自分たちは3人を追う、と美鳥は答えて通話を切った。

ほぼ同時に、誠たちの目の前の防御シャッターが、音もなく降りてきた。


「あれ、俺達はどうするの?」


井口は慌てるが、美鳥が、これ、がいるでしょ。

と誠を顎でしゃくった。

誠は苦笑しながら、


「じゃあ透過します」


と第一の壁を透過して進んだ。


「音がしないわね。

ずいぶん先にいてしまったのかしら?」


美鳥の問いに誠は、


「いえ、3つ先のシャッターの中に閉じ込められています。

でも…。

あれ、おかしいな、マッドドクターたちの他に今まで見なかった2人が合流しているようです」


「え、他に透過できる奴がいるのか?」


井口の言葉に高屋が、


「内調内部の人間は、通路間を移動できる道があんねん。

たぶん、内部に協力者がおったんやで」


1か月前に入ったばかりの誠だけでなく、練習生の美鳥や井口には知らされていない秘密が、内調にはまだあるらしい。


「しかし、新手2人が影繰りだと、ちょっと手ごわいんじゃないか」


井口の言葉に、誠は考える。


「何とか攪乱して、出来れば五人を別々にしたいですよね」


「誠なら、上手くやれば、とか考えているわね?

無理よ、未知の影繰りが二人も混ざっていたら」


「そうそう。

影繰りは、相手の能力を知らない、っていうのが一番怖いんだぜ。

あの甲冑男だって、誠の能力を知っていたから、落ちずに耐えたんだ。

手の内が判っていればやりようはある。

初見は、それだけで1ランク上と見積もらなきゃならないのさ」


美鳥と井口の言葉に、なおも誠は考えながら、


「しかし、敵の分断は、どうしても必要ですよ?

1人はレディさんで、1人は戦争経験者のマッドドクターなんですから」


「さっきの男も強かったなぁ、あんなん5人もいたら手ぇ出しよーもないわ。

みんなでやったから勝てたんやで。

作戦立てて1人づつ潰さんと、とっても難儀やで」


高屋の言葉に誠が頷く。


「僕たちは1階下に落ちるというのはどうでしょう。

そして、まずレディさんを落とすんです。

もし説得できれば、だいぶこちらが有利になります」


美鳥は目を伏せて、考えていた。

俯くと、美鳥の睫毛は意外と長いので、誠は驚き、ドキリとした。

美鳥は目を開き、


「いいわ。

それなら何とかなるかもしれない。

でも一つ聞くけど、レディと誠は、相性が悪いんじゃないの?」


誠は頷く。


「レディさんを首まで落としたとしても、問題はあの分銅ですから、僕一人ではとても対打ちできないでしょう」


「あらら。

ぼんがそれじゃあ、どうするの?」


「説得できなかったら、その時は迷わず殺すのよ。

ミオさんの事なんかは後で考えればいいの。

まぁ、あなたに戸惑いが見えたら、あたしの蝶であの子を殺すけど」


美鳥の言葉に、誠も重く頷いた。




コンクリートの通路に、ビシッ、と亀裂音がこだまして、甲冑の手が、穴から突き出てきた。

甲冑内には、30分ほどは活動できるだけの酸素も蓄えられているのだ。

甲冑男は、水中行動も、実は得意だった。




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