71襲撃
「おー、山崎がやったか!」
永田は無線で感動の歓声を上げたが。
突然、地下にある内調本部が、ぐわり、と揺れた。
「なんだ?
どーなっている!」
「C3口で爆発が起こっています」
オペレーターが叫んだ。
「どうやら、レディが扉を攻撃している模様です!」
誠は、芝離宮の島から地下の内調本部を透視していた。
「あっちの方角です。
海岸通り沿いの入り口に、レディさんが攻撃を仕掛けているようです。
他にも、8人ぐらいの仲間がいます」
誠が海側を指さした。
「やれやれ、やな。
今、動ける影繰りはうちらだけやで、早よ、行かな!」
基地の職員に、誠たちが抑えた蒼井聡の部下を引き渡し、誠たちは走り出した。
「8人って、全員、影繰りなの?」
美鳥は聞くが、誠も首を傾げる。
「さぁ…」
美鳥なら、見た感じで影繰りかどうかは判るかもしれないが、誠には、そこまでの洞察力はまだない。
「おそらく、8人全員影繰りってことは無いで!
そんなん、もぅ戦争や!
おって3、4人やろ!」
高屋が言う。
4人は誠の示した方向に走り、壁を透過した。
すぐ目の前がビルの壁で、それを透過すると広い倉庫のような場所に出る。
「ぼん?
どーすんの?」
問いかける高屋に、誠は言った。
「落ちます」
ひゃぁぁぁぁ! と高屋の叫びが、床の中に消えた。
ムーンライト号は勝鬨橋を通過した。
左手は銀座であり、右手には晴海ふ頭、タワーマンションも並び立つ東京のど真ん中に、場違いな豪華客船が純白の巨体を隅田川に浮かべていた。
無数の小型船舶や漁船、タグボート、釣り船、屋形船が必死でムーンライト号を引き留めているが、外洋を航行する豪華客船の力は強く、少しづつ佃大橋に向かって進んでいく。
田出一等陸士が叫んだ。
「人質、撤収完了しました」
全員、疲労の色が濃い。
豪華客船のあらゆる場所を捜し歩いていたのだ。
そんな中、船に乗り込んでくる人間もいた。
勝鬨橋を開橋させた男、山崎だ。
「どうだい?
止められるかね?」
アクトレスが問うが、山崎は涼しい顔で答えた。
「エンジンを止めてしまえば問題ありませんよ」
山崎を始め、技術班が入船するのと入れ替わりに、アクトレスたちは多くの船に分乗して竹芝に向かった。




