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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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52/166

52、正体

あのハンマーが落ちてきた瞬間!


誠は考えた。


その瞬間、僕がきちんと交わしていれば、そのまま奴を透過で落とせる!


今までは不意を撃たれ、自分を透過して逃げていたので、敵の攻撃方法も判らなかった、が今は判る。

冷静に対処できれば、それ程…。


思いながら誠はブース脇を慎重に進み、その角から透視を使った。

角越しに、その先のブースも範囲に入れて、透過のターゲットにした。


瞬間、誠の目に、緑色に膿腐った巨大な足が飛び込んできて、うわっ、と叫び、思わず跳び退いた。

敵は、誠の乱れを見逃さなかった。


ハンマーが落下した!


誠は、影の手を伸ばし、強引に自分を横に引いた。


5メートルほど距離を跳び、誠は2体の人形を同時に確認した。

ハンマー、は足を天井に付けたまま、ウィンチのついた鉄ハンマーを下に落とす、ある意味単純な人形だった。


ゾンビの足は、それとは別の人形だ。

ゾンビの下半身の上に、何か数センチほどの突起物が、すぅ、と回転している。


何だ、と思った誠が見守る中、その回転物が、僅かな光に、ギラッ、と光った。


銃だ!

台座に固定された、おそらく自動小銃が、滑らかに回転し、誠に標準を合わせようとしていた。


誠は、影の手で、ゾンビの足を殴った。


ドンッ。


暗闇に発砲の赤い光が、瞬間、煌めき、ゾンビの足は倒れた。


何のことは無い、足底に車輪が付いた簡単な仕掛けだった。

ただ、音を気配も立てずに動き、銃を撃つことに特化しただけの人形だったのだ。


が…。


ゾンビの足に気を取られている間に、ハンマーは天井に戻ってしまっていた。


誠は、違うブースの横に滑りこみ、ブースの横板に、したたか体を撃ち付けていた。


痛たぁ…。


頭を押えながら、誠は呻いた。


慌てていて、あれをやるのを忘れちゃった…。


今まで露見しないで済んではいるが、誠は実は運動音痴だ。

体育の評価で普通を貰ったことなどない。

常に、低評価を受け続けている誠の身体能力では、この程度の事がスマートに出来なかった。

それが一か月、露見しないで済んでいるのは、ある驚きの現象のためだ。

影の体を自分の体に重ねると、なぜか運動神経が良くなるのだ。

さすがに、猛者ぞろいの内調の人間が目を見張るほどのものではないが、まぁ、及第点は貰えるぐらいに振舞えることに、誠は驚きと共に感謝も感じていた。

影の体、様々だ。


今は、つい影を重ね忘れていた。


気を付けなくっちゃ…。


が、それよりも…。

今は敵を一つでも少なくするんだ!


誠は、ゾンビの足を海の底に透過して落とした。


その瞬間、背後から飛び出したボーガンをもった幼児の放った矢が、誠の肩を貫いた。


がっ!


激痛が走り、誠は床に倒れていた。

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