↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
PR
50/166

50ゾンビの巨人

あの巨大人形!


思った瞬間、誠が背にしていたブースが、ドカン、と爆発した。

ジョークかファンタジーRPGにしか出てこないような、馬鹿デカいハンマーが、誠ごと、ブースを叩いたのだ。


ハンマーは床に突き刺さり、ブースの破片やゲームソフトも、凶器に等しい速度で四方に散った。


誠は、透過で身を守りながら、隣のブースに飛び移った。


迂闊だった。

敵は三体だと思い込んでいた。


だが…。

おかしい…。


あんな巨大な人形が動いたなら、微かにも、何か気配があるのではないか?

偶然、ブースを透視しなければ、誠は、粉微塵に砕かれていた。

あれだけのパワーがある、しかも2メートルを超える巨体が、すぐ隣にいたなど、誠は欠片も気が付けなかった。


まぁ、確かに、僕はまだ戦いの素人かもしれないけど、だけど…。

シルエットで見た、あの巨体が動けば、いくらなんでも判るんじゃないか?


新しいブースの影に隠れ、用心に周囲を透視して安全を確認する。


薄気味の悪い足をしていた。

あの素足の様子を見ると、巨大ゾンビとか、その類だろうか?

まるでバイオハザードから抜け出してきたような化け物だ。


腰を浮かせて、じりじりと誠は前進する。

砕けたブースの黒いカウンター板が新しいブースの側壁に突き刺さり、、誠の進路を塞いでいた。

コサックダンスのように、横に一歩、屈みながら進んだ瞬間。


誠のいた場所が、再び爆発した。


誠は透過しながら、低空でジャンプした。

そこで影の手を伸ばして、遠くの床を掴み、自分の体を引っ張る。


一瞬で、3メートルほど横移動しながら、巨大ハンマーの落ちた先を見るが…。


そこにはハンマーが降り下ろされた後の、文字通り円形のクレーターが一個、大きな穴を開けているだけだった。


やっぱり、おかしい!


誠は唸っていた。


あの巨体で、敵の動きは素早すぎる。

そして、正確に僕を狙ってきてい過ぎている!


ドールマスターが、完璧に僕の位置を知っているなら、とっくに僕は殺されていなかればならない。


たぶん…。

ドールマスターにしても、おそらく、人形の視力以上の知覚は持っていないはずだ。


おそらく…。


ならば、あのゾンビの巨人だけが、これほど正確に僕を狙えるのはなぜだ?


僕が発信機でも付けられたのか?

思い、身体を探るが、そんな事で判る場所には、何もなかった。


おかしいのは、他の人形は、誠の位置を知らないことだ。

ドールマスターその人が、ゾンビの巨人の感知していることを知ったならば、ボーガンも、ナイフの翼をもった鶏も誠を襲えるはずなのに、正確な位置を知り、攻撃しているのは、ゾンビの巨人だけなのだ。


自動追尾システム、的なものなのか?


確かに、いくら、そういう影であろうと、何百体もの人形で、同時に57人の影繰りと戦うのは、一人の人間のコントロールの限界を大きく超えているように感じる。

ある意味、AI的な物の判断を取り入れていない、とも言い切れない。


つまり、ドールマスターは、常に何百体もの人形の複雑な動きを操っているのではなく、人形たちは、かなり独力で動いており、ドールマスターは、それを上から眺めながら、要所要所でマニュアル操作に切り替える。


これなら、確かに一体の人形の単価は高くはなるが、楽に多くの敵と戦える。


だが、誠が発信機を付けられたのなら、多分ドールマスターも判るか、最悪、周囲の人形たちも情報を共有出来ておかしくない気がする。


だとすると…。


誠は、一旦、腰を落とした。


発信機でないなら、誠自体が、あの人形の、独自の自動追尾センサーに掴まっている、という事らしい。

今、誠を知るのは、あのゾンビ巨人一体のみだ。


だが、ドールマスターは、人形の動きを追っているはずだ。

もし、奴がゾンビ巨人の捕捉しているものに気が付いたら。


さすがに、誠の命はないだろう。


誠は、できるだけ、息を落ちつけよう、と、思いっきり息を吐きだした。


過呼吸も水泳も、息を吸うのではなく、吐く行為を意図していけば、収まるもの、と誠は教わっていた。

おかげで、水泳は、今では何百メートルかは続けて泳げるようになっていた。


何度かゆっくり息を吐いた誠は、ある事に気が付いて、慌てて頭上を見上げた。


そこに、巨大なハンマーが振り下ろされていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。