47包囲網
ニンテンドーの購買ブースに近づいていく。
何か、2メートルを超えるキャラクターらしい人形が展示されていたが、明かりは消えていた。
影の視力をもってしても、細部までは判らない。
「…ここにだけ人形があるのは、おかしいわね…。
注意して頂戴」
美鳥は囁いた。
離れたブースで、ロンドンか何処か、石造りの古都の街並みを飛行する画面が現れた。
どうも、鳥の目線で、鳥たちの戦いが繰り広げられるらしい。
ゴシック様式の塔を横切り、大聖堂か何か、複雑な彫刻に彩られた壁面に舞い降り、空飛ぶ敵を交わしていく。
なぜ、気づいたのか。
誠にも判らなかったが、カーペットの足元に、ワイヤーのような物が埋め込まれていた。
カーペットがフカフカなので、毛の中に隠れ、それと気が付かなかったが、ゲーム画面の青白い光に、ワイヤーが微かに光っていた。
「美鳥さん、足!」
誠が言った瞬間、美鳥は凄い力で引かれていた。
ワイヤーが、足に絡まったのだ。
美鳥は、隣のブースに激突し、無数のゲームソフトを撒き散らしながら叫んだ!
「これは陽動よ!
敵はあなたを狙ってくる!
気をつけて!」
声が、急速に遠ざかっていった。
タタタタタ…。
足音が、誠の傍を横切っていく。
トトトトトトト…。
遠くでも、走る音がある。
誠は、慌てて周囲を見回した。
視力で、敵を確認することは出来ない!
音に注意をして…!
思いながら、ブースを背にしようと、あとじさり、ぞっ…、と背後を見返した。
あの、巨大人形が、どこかに消えていた。
誠の周囲を、複数の足音が、駆け回っていた。




