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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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46/166

46包囲

ゲームの購買ブースはかなり広く、沢山のゲーム機やソフトが売られていた。


体育館ぐらいあるんじゃないかな?


誠は用心深く、暗い室内を見回した。


右手前でマリオの画面と共に特徴的な音楽が鳴っていた、と思うと画面が消えて、左奥の大型スクリーンにファンタジー物のRPGらしい、激しいアクションがヒロイックなロック音楽と同時に流される。


巨大なドラゴンが首をもたげ、グルンと首を蛇のように回転させると、その先に小さな人間の弓使いが大弓を引き絞っていた。


画面に弓使いが大写しになる。

肩で息をしながら、ドラゴンに向け、鋭い弓を撃ち放った。


誠の顔の横を、ヒュン、と弓が通り抜けた。


ゲーム画面と、ドールマスターの攻撃が連動した?

偶然なのか?


薄暗い購買ブースに、確かに何者かがいて、走り回っているのだが、小さすぎてとても追えない。


遠くの画面が突然光り、外国風に格好良くデザインされた骸骨が、腹を抱えて、笑いだした。

どうやら、敢えて笑う骸骨を映して見せたらしい。

ドールマスターは、おそらく、このブースを支配しており、誠たちは周囲を敵に囲まれている、らしかった。


また、別な画面が浮かび、闇夜の墓地の地面から、死人の手が土を破って飛び出して来る。


誠は、異様な気配を感じ、ふと背後を見た。


漆黒の犬人形が、飛び掛かってくるところだった。


影の手で、犬を空中で押さえ、そのまま落とした。


パン。


誠の側頭部に、ツブテのような物が飛んできた。

美鳥の蝶が、それを弾いた。


「今の動きはよかったわ。

引き続き、気を抜かないのよ」


美鳥は、唸るように言い、ゆっくり歩を進める。


二次元の画面に、ドット絵で描かれた芋虫が、迷路を歩き回っている。

電子音の簡素な音楽に合わせて、緑の葉が、ちょこちょこと逃げ回る。


緑の葉は、種をまいて花を咲かせて通路を塞ぐ。


芋虫は、花を食べられるのだが、上手く、葉が、一定時間、芋虫の動きを止められれば、芋虫は、巨大な鳥についばまれ、画面クリアになるゲームらしい。


新しい画面では、芋虫が2匹になっていた。

緑の葉は、せっせと逃げていく。


だが、今度は左右から芋虫に挟まれてしまった。

音楽が、緊迫していく。


トトトトト…。


誠の横を、何かが走って行く。


タタタタタ…。


そこし遠くで、微かな足音もする。


美鳥は、急がずに歩いていた。


誠は、こんな敵の包囲網の中は駆け抜けたかったが、たぶん…。


それは、相手の思う壺なのだろう。

遠距離の攻撃をする敵と、接近して襲い掛かる敵が複数いて、常に包囲した相手の隙を狙っている。


混乱して、走り逃げようとすれば、包囲を縮めて襲い掛かれる。


美鳥は、全ての攻撃を押えながら、確実にドールマスターの潜む場所に歩き進めているのだ。


「美鳥さん、ドールマスターがいる場所って…」


誠は囁いた。


「吉井一曹が探していた、A11の放送設備なんですか?」


「…設備と言うほどの物じゃ無いわ。

たんなる、マイクの接続端子の付いた箱に過ぎない。

ただし、まぁ、そうね、私たちが向かっているのはA11といってもいいでしょうね…」


誠は唾を飲んだ。


ここで吉井一曹は殺されたのだ…。

暗闇は、酷く重く感じられた。

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