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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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42/166

42ショッピングモール

瞬間、誠は自分の首に、透過、をかけた。


キンッ、と金属的な弦が撓る音がして、誠の、首を切断するように、ピアノ線は後部甲板の人工芝の上を走り、透明プラスチックの滑り台の下で垂直になった。


誠は、改めて滑り台を透過した。


バンッ!

びっくりして振り返ると、美鳥がテーブルを叩いていた。


「油断しないで!」


美鳥は、怒りに声を震わせる。


「死んだら、もう後悔なんて出来ないのよ…」


視線をテーブルに落としている美鳥に、誠は、すいません…、と呟いた。


美鳥は、親しい人間を、自分の手で殺していた。

それについては、美鳥自身、まだ傷はいえてはいない、と語っている。


青ざめた美鳥を見ると、その言葉が決して嘘ではないことを物語っていた。


「敵は、あなたを嫌がっているわ。

彼は物凄い力の持ち主よ、この船に乗っている57人の影繰りを、たった一人で制圧しようとしている。

特A級の影繰りと言っていいでしょう。

でも、あなた一人に、彼の思惑は狂わされている。


こういう時、影の使い手は、本当に躊躇なく、相手を殺しにかかるものよ。

邪魔なら殺す。

それは、この世界では、ごく当たり前の心理なのよ。

自分の能力に不都合な能力者が見つかったら、まず、最初に殺しておく。

それが、自分が生き残る、最良の手段なのよ」


確かに、誠は、少しドールマスターを甘く見ていた。

こういう方法があり得る、と予測する慎重さを、つい忘れてしまっていた。


「まぁ、いいわ。

どっちにしろ、これでドールマスターの尻尾は、完全に掴んだ。


さぁ、誠。

奴を追い詰めるわよ」


言うと美鳥はテーブルから立ち上がり、踵を返すようにショッピングモールに歩き出した。


「美鳥さん、見つけたんですね!」


煌びやかなョッピングモールに向かっていく美鳥に、誠は小走りに追いついた。


「誠。

油断しないで。


ここは、奴のテリトリー。

しかも、ここに向かった影繰りは、おそらく皆、殺されている。

ここは、奴にとって、まさに玩具箱のような場所なのよ」


誠は、ショッピングモールを見渡した。


確かに…。


さっきのラジコンカーのような物なら、いくらでも陳列されていた。

人形は、玩具店だけではなく、クリスマスオーメントとして、ショッピングモールじゅうに展示されている。

そして、ドールマスターは、ポップコーンでさえ蛇のように操って見せた。


電飾、キラキラした飾り紐、万国旗や二階、三階の吹き抜けになっている、モールの中央廊下を飾る無数の幟まで、おそらくドールマスターは、苦も無く操って見せるだろう。


「まずいですね…。

吉井一曹は一人で…」


「彼は、もう死んだわ」


あっさりと、美鳥は告げた。

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