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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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39おもちゃ

こと、と微かな音がした気がして、誠が振り向くと…。

数脚離れたテーブル席に、ウサギのぬいぐるみが無造作に置かれていた。


あれ…。

前から、あったかな…?


白いテーブルに白いウサギなので、見逃していただけかもしれなかったが…。


ふと、甘い匂いが鼻を突く。

ポップコーンに、シロップがかけられていた。


自動で作っているのか?


「ぼん…」


高屋が唸った。


「あそこ、黒いのなんやと思う?」


後部甲板から見下ろせる、階下の温水プールに…。

真昼の陽光を受けてキラキラ光る水面に、何か黒いものが、ぷかぷかと浮いていた。


「さぁ…」


なんとも判らない。

しいて言えば、濡れた布のようだった。


「手袋だ!」


井口が叫んだ。


「ほら、中居さん、左手に火傷の傷があるから、いつも手袋ををしていたじゃないか!

あの手袋だよ!」


確かに、大学生の中井さんは、左手だけに手袋をしていた。

言われれば、確かにそう見える。


「プールで襲われたんだ!

助けに行こう!」


井口が立ち上がる。

が、美鳥は、


「井口君、あなたと高屋さんでプールに行って。

あたしは、ショッピングモールを、もう少し調べたいわ」


「判った。

小田切、美鳥を頼むよ」


誠は頷いたが、正直、心許ない。

自分一人なら、どうにかなりそうだが、美鳥を守る、と言うのが、まだ1か月しか訓練を積んでいない誠には、少し重荷だった。

実際のところ、誠が内調で受けているトレーニングは、体力増進や護身術等であって、ボディガードの心得などは、さっぱり習っていなかった。


それに…。


ポップコーンは自動で作られるのか、ウサギのぬいぐるみは最初からあったのか、そんなことすら…。


ジィィィィィ。


音に気付いて、ショッピングモールの広い通りに目をやると。

赤いカーペットの床を、ラジコンのジープが、ゆっくりと進んできていた。


おもちゃ?


ジープは、ショッピングモールの赤いカーペットから、後部甲板の緑の人工芝に、微かな段差を大きく車体を揺らしながら乗り越え、誠たちの方に進んでくる!


ラジコンは、自動では動かないはずだ!

誰かが、操作しているのだ!


ガタンッ!

と、誠は立ち上がったが…。


「誠。

落ち着くのよ。

どうもドールマスターは、あなたを始末したいらしいわね…」



美鳥が、いつの間にか鋭い眼光を、テーブルを見つめながら光らせていた。





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