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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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34/166

34透過

高屋が小型のハンドガンで、誠の手を握った男の子の人形の胴体に発砲する。


だが…。


人形の胴体は、羽根でも入っているかのように銃弾を貫通させてしまい、服に穴が開く以上のダメージはなさそうだ。


誠は、握られていた腕を透過し、跳ねるように子供の人形から距離を取るが、30体の人形たちは、じりっ、と誠たちを包囲するように動いていく。


「なんやねん、このマネキンは!」


高屋が叫ぶ。

誠は、


「力はとても強いようです」


袖をまくり、握られた腕を見せた。

赤く、痣が出来ていた。


「接近戦する意味は無いわね」


美鳥は言い、蝶を浮かばせる。


一体の豪華なドレスを着た人形が、美しい金髪を風にまき散らして、美鳥に襲ってきた。

蝶が人形の関節に貼り付き、動きを鈍らせたところで、美鳥はしなやかな回し蹴りを放った。

人形は、デッキを滑って外周の手すりにぶつかる。


「誠、落とせないの?」


美鳥の問いに、


「落とせることは落とせますが、下の人に、余分な敵を押し付けることになってしまうのでは…」


と、困惑の表情を見せる。


「全く。

あなた、頭が固いわよ。

下のフロアに落とすんじゃなく、その下にあるのは何!」


「あ…」


誠はポカンと気が付き、


「そうでした。

それなら…」


言うと、一瞬で、30体の人形を透過させた。


無人になった船首デッキを見渡し、高屋は感嘆する。


「ぼん、噂には聞いてたけど、凄いなほんまに…。

こんな強い子、風丸以来、久しぶりに見るわ…」


「風丸?

僕は、会ったこと、ないですよね」


「あたしの師匠みたいな人よ」


美鳥が、前髪を掻き上げる。


「彼は、世界中を飛び回っている、超一流の影繰りよ。

高屋さん、あまり坊やを、調子に乗らせないでください。

今だって、あたしが言わなければ、ただの案山子だったんですから」


「あ、あれは、咄嗟に判断が…」


「船内マップに囚われ過ぎて、外が海って事も判断できない子供なんだから!」


美鳥に怒られ、誠はしゅん、と下を向くが。


「最初は皆、素人なんよ。

ぼんは、ようやっとるわ。

まぁ、それよりも…」


高屋は船を見上げた。

船首フロアのうえに一等船室が三層にわたって作られ、その上に、艦橋が青空を背景に、そびえたっていた。


「どないしよ?

一旦下りて、他の班の応援に回る?」


誠も艦橋を見上げていた。


「いえ、このまま外壁を登って、一気に艦橋を制圧すれば、事件は解決するはずです!」

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