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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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30/166

30接触

一隻の屋形船に、武装した57人の影繰りが乗り込んだ。

誠も、着ている服は変わらなかったが、防弾チョッキをブレザーの下に着込み、ポケットには小型の拳銃を忍ばせている。


他に漁船、釣り船、モーターボートなど、生様な船が船団を組み、豪華客船ムーンライト号に群がった。


一方、芝浦埠頭のタンカーは、背後から客船を追っていた。

東京湾には、無数の船がひしめき合う結果となった。

これでは、ヘリやドローンで状況を見ようと思っても、何が起こっているのか、推察できかねそうだった。


船団は、巨大な豪華客船に近づきつつあった。

それは、正に海の城だった。


「よくレインボーブリッジを通ったもんだねぇ」


アクトレスは呆れたように言った。


「作った当時最大の豪華客船クイーンエリザベスも通れるようにしたらしいです。

今は、もっと大型の客船もあるようですが。

ムーンライト号は、あれでも、クイーンエリザベスよりは小さいようですね」


誠は、暢気にスマホで検索をしていた。

透過するため屋形船の船首付近にいるのだが、まだ、最先端にいるのは数百メートルの狙撃が出来る、弓の影を持つ荒木三曹や、まさにライフルの影を持つ橘陸尉など数名で、その後ろに誠やアクトレス、美鳥が控えて、純白の海上ホテルを見上げていた。


「今のところ、人質への発砲はないです」


もう少し接近しないと影能力を使えない井口が、望遠鏡で甲板を見ていた。

誠たちと同じ訓練生で、三羽の鴉を影に持つ。

150メートルの射程があり、また、三羽で別々の行動も出来る面白い影だが、その分制御はとても難しいようだ。


「もう、突っ込んじまうしかないね。

人質が撃たれたら遠距離組は一斉攻撃。一か八かだよ」


「いいんですか?

普通、こういうのって、政治家とか色々…」


誠は逆に慌てたが、アクトレスは通信機のスイッチを切ってしまう。


「現場では、常に事故も起こりうる。

最善を尽くしゃあいいのさ!」


屋形船は、船首の横手から直進を始める。

みるみる、ムーンライト号は近づいてくる。

屋形船が近づいているだけでなく、それ以上の速度で豪華客船が前進しているのだ。


「あっ!」


井口が叫んだ。


「井口は、鴉の視力を使って、甲板を見ているようだった。


「銃じゃないぞ! 持っているのは、デッキブラシだ!」


その時には、もう誠の視界一杯に純白の船首が迫っていた。

タイミングを合わせ、誠は屋形船を透過させた。



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