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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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1861式戦車

「青山さんたち、遅いですねぇ…」


あまり広くはない警備室に、大柄なアクトレスと誠、美鳥、老警備員が控えており、満員状態だった。

人事の木田は、応援が来たら呼び出してくれ、と言い残し、部署に戻った。


誠は、学生服のままKCジャパンに来てしまったので、トイレで着替えた。

上着はブレザーのまま、紺のジャージを着ている。

全部、体操着だとおかしいので、と頭を掻いた。


「Yシャツは脱いだほうが良いわ」


美鳥が言って、誠のシャツをめくった。

誠は、シャツを捲られて赤面した。

とはいえ、Yシャツの下はVネックのシャツだったので、格別、見られて困るものでもない。


アクトレスとしては、自分が誠の世話を焼きたのだが、上官としての威厳もあるので仕方がない。


誠は、自分でも驚くほど、心臓の鼓動が早くなっていた。


ちょっとシャツを捲られただけなのに…。


と、同時に、やっぱり美鳥さんは、僕を弟ぐらいにしか見ていないんだな…、とも感じる。


でも、戦いで、良いところを見せられれば!


誠の中では、逸る気持ちが育っていた。





やれやれだね。


アクトレスは、内心、溜息を噛み殺していた。


どんどん、チビたちの戦闘意欲が高まっているのだ。

戦場生活の長いアクトレスは、そういうものに敏感だ。

嗅覚も鋭いので、二人のアドレナリンを嗅ぎ分けることも出来た。


覚悟しておけ、などと言ってしまったのが、逆効果になったようだ。

また、来るはずの五人が、なかなか来ないのも、彼らを逸らせる原因だ。

あまり、待ったをかけられすぎると、逸ってくるのは馬でも人間でも同じだった。


「そういえば、内閣調査室というのは、陸上自衛隊の階級を準用しとるんですな」


老警備員、梁川が突然、口を開いた。


「へー、よく陸自だって判ったね」


アクトレスが問う。


「あたしゃ大学卒業後、陸自に二年、いたんですよ」


「おや、梁川さんの頃、自衛隊ってあったのかい?」


「え?

だって、一番古いゴジラにも、戦車とか出てきますよね?」


誠が嘴を挟むと、ハハハ、と梁川は笑い、ゴジラは自分の子供の頃の映画だと教えた。


「私らの頃は七十年安保という奴でね、いやぁ、参りましたよ。

せっかく鳥取の田舎から勉強をしようと東京の大学に入ったのに、セクトがどうの、革命がどうのって、戦争ごっこしとるんですわ。

しかも、武器と言えば角材ですよ。

あんたら角材で革命が本当に出来ると思っとるのか? と尋ねたら、しかるべき時が来たら中国やらソ連やらが軍隊を派遣してくれると言うんですよ。

奴ら、本気で国を売り渡す気でいたんですな。

頭にきて、若気の至りですな、自衛隊に入りました。

私らの頃は六一式戦車でしたな」


ゴジラって、そんなに古いのか、と誠は変なところに驚いた。

子供の頃に、BSか何かで見て、白黒のせいもあったが、リアルで怖かった思い出がある。


「アンポ? 革命? ソレン?」


美鳥も首を傾げている。


老人は大笑いをして、若い人には、安保もフォークソングも判らんでしょうな、としみじみ言った。


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