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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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開頭

「済まないな、思うより時間を使ってしまった」


ミオは、床に倒れて白目を剥いたカブトを見下ろしながら、今もナイトに卍固めをかけているレディに、柔らかく語った。


レディは、床で、卍固めというよりは、ナイトを鍋敷きのように平ったく絡めていた。

三本分の鎖が絡まるようにナイトを固めていて、3つの分銅、が、鎖を巻き付けてナイトを閉めていく。

今、この瞬間にもナイトはギリギリと、締め付けられていた。


「遅くなりました!」


誠が、美鳥や高屋、井口を運んで2階に戻ってきた。


井口が頭から血を被っている。

相当の戦いをして来た事が窺われた。


「さすがね、ダンサーチームは!」


銃使いは、壁に刺さるように倒れていて、顎か鼻を砕いたのか、血糊が壁に飛び散っていた。


カブトは白目で床に倒れていて、あの圧倒的なブルドーザーのような甲冑男ナイトは、レディによって鎖で巻き込まれて身動きが取れない。


「誠、ちょっとこいつを殺すの、手伝ってくれよ。

甲冑が分厚くて、どうにもならないんだ」


レデイが分銅をギリギリ絞りながら言う。


「判りました…」


とにかく…、


と誠は考える。


とにかく今は、事件を収めないと、後の事は何も考えられない。

失敗したら僕の住む街が無くなってしまうんだ…。


微かに頷き、誠はナイトの甲冑を透過した。


瞬間。


ボキリ、と幾つかの骨が同時に砕ける音がして、バン、と頭蓋骨が割れる音がした。


レディの分銅は、既に血飛沫を上げるミンチを、更に磨り潰している最中だった。


吐くか、と美鳥は誠を見ていたが、青ざめながらもミンチを凝視している。


「そうだ…」


誠は呟き、


「カブトの強化服も接収しましょう」


言うと、影の手で服を掴みながら、強化服を透過した。


うわっ!


と叫んだのは井口だった。

どさ、と誠は膝から倒れて、


「あの人、やっぱりキ〇ガイだったんだ…」


うわぁ!


とレディは叫んだ。


「誠、戻してくれよ、早く! 俺の恭平が死んじまう!」


ヘッドギアを剥ぎ取ると、カブトの脳みそは、完全に剥き出しであり、無数の電極が脳に突き刺さっていた。


「あの硬さの正体は、これだったのか…」


ミオも呟く。


脳神経医学の黎明期、人間はサルの脳を開頭いて、同じような実験をした。

生きたサルが、脳のどこの部分を使って行動をするのか解明するためだ。


だが…。

人間にそれをするとは…。


心ならずも、ミオは怒りに震えていた。


「心配ないわ」


天井のスピーカーから吉岡医師の声が聞こえた。


「すぐに医療チームをそこに向かわせる。

動かしちゃだめよ」


「吉岡先生、早くしてくれ、恭平が死んでしまう!」


レディはすすり泣いていた。


ミオはレディの肩を抱いた。


「ま…、待ってください。

マッドドクターは、どうなったんですか?」


永田の声が、シュボ、とタバコに火をつける音と共にスピーカーから流れてきた。


「あの変態は、誠が落とした地下四階の密室から出ようと、今もあがいているよ。

我々は、遠隔操作で、密室の酸素を抜く操作を始めている。

このまま、あの爺は窒息してもらう」


冷静な言葉の中にも、深い怒りが漂っている。


「どけどそれじゃあ、外の飛行船は原爆を投下するんじゃないのか?」


井口が呟くように言う。


「まぁな。

だから君らの新しい任務は、なんとかして飛行船に乗り移り、中の糞野郎を一人残さずブチ殺すことだ。

できるな?」


誠達は視線を交わした。


「はい、出来ます!」


誠は低く答えた。


その時非常扉が開き、吉岡里穂医師と白衣の男性4人が到着した。


「レディ、お医者様にカブトは任せよう。

誠君、我々を外に運んでくれ」


真っ青なレディを見ながら、誠は戸惑った。


だが、レディは頷いた。


「ああ。

糞野郎は、皆、俺が磨り潰してやるよ…」





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