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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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誠は、美鳥と共に蒼井聡を地下7階の、自分も入ったことのない何かの研究室に透過させた。


見たところ、何らかの実験を行うための施設のようで、鍵が無ければ開かない厳重に防護された部屋のようだ。

ベージュ色のプラスチック素材らしい壁と天井、床はグレーの防水シート張りで滑り止めの加工がされている様子で、細かい縦筋が一面に入っている。

天井から何から何まで丸洗いできる、と言う風に見えた。

壁際には緑色のホースと蛇口も設置されていた。


今のところ、この実験室には何も置かれてはいなかった。

広さはざっとテニスコート程だろう。


蒼井聡は、頭から落ちるように実験室に落下した。

盛大な音が密閉された室内に響き渡ったが、蒼井聡は何事も無かったかのように起き上がった。


「おいおい君たち、もう諦めたらどうなんだい。

マッドドクターには敵わない、それは君たちも判っていると思うがね」


蒼井は、ヘッドギアの下の、プラスチックフレームの眼鏡を光らせて、薄笑いを浮かべながら語った。

眼鏡は見た目より頑丈と見えて、これだけ落下しても壊れるどころか顔からズレさえしない。


「敵わないとは思いません。

現に、もうドクターは僕の感知能力をジャミング出来ません」


誠は決然と言った。


「なぜ、そんなことが判るんだい?

今、きれいさっぱり騙されたところだろう?」


誠も笑った。


「あの人は、確かに天才なんでしょうが、同時に、とてもお喋りです。

自分でジャミングの種明かしを全て話してくれました。

今、ドクターの分厚いパソコンはコンクリートの中に埋めてあります。

だから、もはやジャミングは出来ないわけです」


「あの瞬間に落としたのね!」


美鳥も笑った。


「確かに、あれが無ければ、あのお爺ちゃんもただの催眠術師に過ぎないわね」


ははは、と蒼井は笑い、


ドクターは私の頭も見ているんだよ。

つまり、今の話も筒抜けだ。

パソコンなど、簡単に取り戻せる」


誠はニンマリと笑った。


「どうでしょうね。

自分で、基地の配線を使っている、と話していましたからね。

つまり、あのパソコンのジャミングも、この基地のネットワークシステムを利用して行っているわけです。

ここは防衛施設ですから、もちろんローカルネットワークです。

調べればすぐにパソコンを特定できるし、中身も検閲できる。

蒼井さんは知らなかったんですか?」


蒼井聡は、微かに顔色を変えて舌打ちし、


「まあいい。

君たち二人は、ここですぐにミンチになってしまうんだからね」


言って、両手からドロリ、とした影を発生させた。

まるで黒いスライムのようなそれは、トロトロと伸び、短い鞭のように蒼井の両手から伸びていった。


「気を付けて誠。

あの鞭、当たれば強烈な打撃ダメージを与えるだけでなく、私の蝶のように貼り付いて固まるわ」


誠は頷いた。


それに、さっきは弾のように手から飛ばしてもいた。

美鳥の蝶のように一面を埋め尽くすものではないが、スピードは遥かに上のようだった。


「ハハハ、美鳥、君は何年も私の戦いを見ていないだろう。

それだけだ、と思うのかい?」


影の種類はたいていは1つ、誠の2種類というのもかなりの変わり種だ。

だが、同じ昆虫を発生させるにしろ、美鳥が蝶をミサイルにしてみたり、カミキリムシに変形させたり、しているようにバリエーションを増やすのは誰でもしていることだ。


数時間前、一度誠達は戦い、蒼井を倒しかけているが、あの時はマッドドクターが参戦してきたために誠達はすぐ撤退してしまっていた。


あの場では勝っているように見えていたが、あそこから青井がどんな逆転の技を繰り出していたか、見れなかったのが惜しい、と誠は思った。


確かレディさんが14の時、カブトは海外逃亡したのだから約3年、美鳥さんも蒼井を見ていないことになる。

カブトも時限爆弾を開発していたし、相棒の青井も相応に強くなっているはずだ。

2人の力関係が今も変わらないとするなら、蒼井聡はカブト以上に強い、という事になる…。


どん、と床をけるような鈍い音が響き、蒼井は一瞬で誠の前まで走った。


まるで瞬間移動だ。


そう…。


蒼井たちは、本来の影繰りの力に加えて、今はマッドドクターの身体強化まで受けていた。





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