偽装
誠達は地下3階に登り、マッドドクターの真下に回り込んだ。
頭上から拳銃使いを透過すれば、甲冑男とマッドドクターでは、カブトたちの掘った穴を辿る以外には誠達を追う術はなくなる。
「落とします」
誠は呟くように言い、上階の銃使いを透過した。
何色もの電線が奇妙に張り巡らされたヘッドギアを付けた銃使いが、英語で驚きの言葉を叫びながら地下3階に落下した。
「よし、まずはこいつから始末をつけるぞ!」
言ったときには、ミオは影の花弁を開いていた。
素早く、レディはミオの背後に回る。
誠達は中間距離でダンサーチームの戦いを支援する形を作った。
だが…。
誠の背後にある防御シャッターが、急に音もなく天井に収納されてしまった。
「…はっ…、なんで…」
誠は驚愕した。
そこには、カブトと蒼井が立っていた。
向かいの防御シャッターも開くと、ノコギリ男と甲冑男ナイト、そしてマッドドクターが誠達を包囲していた。
「驚いたかね。
私は影繰りの力を研究している、と言っただろう」
マッドドクターは笑った。
「影の感知能力についても、私は解明に成功していたのだ。
つまり小田切誠君、君は私がこれで…」
とマッドドクターは1台のゴッツめのノートPCを嬉しそうに持ち上げた。
「君に架空の映像を見せていたのだよ。
そして、こういった軍事施設の配線などは、私にとって子供のおもちゃの配線も同じ、つまり…」
ノートPCの画面には、本来本部でしか見えないはずの監視カメラ映像がずらりと並んでいた。
「全てを目視できるのは君だけじゃ無い。
いや、既に君には私のジャミング映像を本物と取り違えているのだからして…。
全てを目視できるのは、この私のみなのだ!」
マッドドクターは高らかに笑った。
誠は愕然とした。
今、改めて周囲を見ると、依然、カブト、蒼井、ノコギリ男は地下を進んでいた。
「ジャミング…?」
「教えてやろう。
影の感知とは、すなわち普通の人間は感知できないが、この世には偏在している光りの周波数、影を見る、すなわち可視化する能力の事で、影繰りは古来、この影を自由に操ることで事象に干渉し操っているのだ。
だが影の数学的編纂にさえ成功すれば、今のように架空の、電算上の数値を直接君の感知機関に見せることが可能だ。
まぁ、現に今、君が見ているのだから疑いを差し入れる余地はないだろう」
アハハハと、マッドドクターは笑いのめした。
これはまずいな…。
とミオは思った。
誠がいる自分たちの優位と思っていたことが、あっさりとマッドドクターに覆えされてしまった。
こういった戦いは、ただの戦闘力以外に、精神的に優位なものの方が何倍もの力を出すことが多い。
兵力、武器共に優れた徳川軍が、錦の御旗を見せられた途端、転がるように敗退してしまう、などが良い例だ。
即座に手を打つ必要がある、とミオは判断した。
「誠君、僕らを別々な地下深くに落とすんだ。
君と美鳥が蒼井、高屋さんと井口君はノコギリ男、僕らはカブトと拳銃男と戦う。
地下5階以下に落としてしまえば、マッドドクターや甲冑男は我々の戦いに関与できない。
あそこのセキュリティは厳重だからな!
急げ!」
呆然としていた誠は、言われるままに仲間と敵の影繰りを、別々な場所に落下させた。
昨日は外出をしていたために小説が書けませんでした。
かつてスタジオアルタの地下にあった、カレー屋さん、ハイチカフェが中野にある、と聞いて出かけていたのです。
丸井の裏の坂から高円寺方面に入り、セブンイレブンの横を曲がってまっすぐ行くと、ほんとにこじんまりとしたお店がありました。
コーヒーがカップの半分まで、とか、あー懐かしいなぁ、と思いながらドライカレーを完食。
たぶん2杯はいける…。
今現在の基準でいうと、たぶん圧倒的に美味しい、という訳ではないだろうけど、懐かしい味を堪能しました。




