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シャドーダンス2 東京炎上作戦  作者: 六青ゆーせー
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102/166

102迂回

誠は天井を見上げた。


「カブトはこちらに直進しています。

蒼井は中心部まで横移動をしようとしているようです。

ノコギリ使いは医療棟方面に移動中です。


銃使いとマッドドクター、それに甲冑男はカブトの開けた穴を辿って、ゆっくり降りてくるようです」


「よし、ここでカブトを迎え撃とうぜ!」


レディの鼻息は荒いが、ミオが、


「焦るな。

それでは後から来た3人とも合流されてしまう公算が高い。

我々の強みは、誠君の透過なら、どこに移動したのか敵に読めないところだ。


どうだろう。

一旦、上に出て、ドクターの背後を突くんだ」


「しかし、それでは甲冑男と銃使いを相手にすることになりますよ」


誠は言う。

ミオは笑って、


「きみは敵の一人だけを我々と一緒に落とすことができるだろ」


「まず、銃使いを倒すんですか!」


ミオは頷き、


「そうすれば、ドクターは足を失う。

甲冑男では竪穴は掘れないから、連中を本当の意味で分断できる」


全員が納得したので、誠達はドクターの背後に回るように透過で横移動を進めた。


防護シャッターを5枚ほど透過したところで、ゴン、と激しい貫通音が響いた。

カブトが地下四階に到達したらしい。


ミオは目配せし、全員に音を立てないよう指示した。


すぐにガンガンと床を殴る音が聞こえ始め、やがて音がくぐもってくる。


「床を殴って、穴をあけています。

とんでもないパワーだ…」


誠は、むしろ感嘆したように呟いた。


「馬鹿な奴だ…。

ドクターに乗せられて、一生分の影の力を無駄に使いやがって…」


レディは、吐き捨てた。


レディとカブトは、決して中の悪い兄弟ではなかった。

大人しいレディとヤンチャなカブト、と言う風に見られてはいたが、家庭内ではレディの方が立場は上だった。

カブトは、目先の事にとらわれて、全体が見えなくなって失敗をする、癖があったから、レディが引き留めてカブトを諫める、というような力関係だったのだ。


今もそうだ。


レディは思った。

カブトはすっかり目先の勝利に夢中になって、ドクターの悪辣な悪だくみに自ら率先して引っかかろうとしている。


そして…。


蒼井という男は、どうやらそんなカブトを見放しているのではないのか…。

無茶をしなくとも適当に合わせておけばいいのだ、と蒼井が一言カブトに言っていれば、あそこまで目一杯に動かないのではないか…、レディは想い、奥歯を噛んだ。


ミオは、レディの肩を叩いて慰め、


「きみが弟を心配するのは判るが、上手く立ち回らなくては全てを失う。

判るな、レディ。

よし、我々はドクターを襲うぞ!」


誠は全員を影の手で掴んで、一気に2階に上昇した。


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