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第71話:無限反発の死の卓球と、ただの物理演算テスト

無限の出力を手にした俺たちの前に、天から「漆黒の卓球台と破壊の球(神速の宣告者)」が轟音を立てて降り注ぎ、空間の『運動法則』を急速に汚染し始めた。

その台が怪しく明滅した瞬間、俺とルナは強制的にラケットを握らされ、世界の法則によって『打ち返すたびに速度と威力が無限に倍加する、回避不能の死のラリー』へと巻き込まれていく。


世界の調停機構が発動した、動体視力と反射神経を焼き切る最高位の運動魔導――『無限反発・死の卓球インフィニット・ラリー』。


『――どれほどの力を持とうとも、この絶対の反発力からは逃れられぬ。これより汝らを『無限に加速する破壊の球』の応酬へと閉じ込める。一瞬でも反応が遅れれば肉体は塵と化す。極限の卓球大会の前に、如何なる無双も打ち砕かれるのみだ!』


天の彼方から響く調停者たちの声と共に、激しく世界の物理を書き換える汚染の波は、ルナの立ち位置にまで侵食し、放たれた球が空間を引き裂きながら迫る。


「主様! @&#$!? ……球の運動エネルギーが、物理法則を無視して神話級の破壊力へと加速しています! 謎の調停機構の手によって、この空間の『反発係数』そのものが絶対の死の遊戯へと改ざんされています! このままでは、この理不尽な卓球の衝撃波で粉砕されてしまいますぅぅ!」

ルナが完璧な解説役としての絶望顔を浮かべ、空間を圧迫する球の覇気に怯えながら悲鳴を上げる。


その様子を眺めながら、俺は世界を破壊の遊戯に染めようとする「汚染された卓球台」を、退屈そうに見つめて鼻で笑った。


「無限加速の卓球ねえ。調停機構とやら、お前らがドヤ顔で発動させてるそのシステム……。これ、俺が昔、まだ原初の魔導物理を組み立ててた頃に、物質の衝突演算が正常に働くか確認するために、球体と板を配置して自動で跳ね返らせてた時の『ただの物理演算テスト(あるいはただの反発確認)』の構造そのまんまじゃねえか。ガワだけ最高位の運動魔導っぽく見せてるけど、根本にあるのは俺のただの摩擦係数の確認作業だぞ」


指先で空中の魔導文字をトントンと2回叩く。


「俺のやらかした演算テストなんだから、俺が一言『――あ、摩擦と反発の数値戻すわ』と言って世界の物理を修正してやれば、この球も一瞬で『俺たちが軽く打ち合うだけで、極上の光と心地よい音を奏でる最高級の遊戯(絶対至高の温泉卓球状態)』に書き換えることなんて朝飯前だろ」


次の瞬間、世界を覆っていた漆黒の卓球台は砕け散り、美しい黄金の遊戯盤マスター・ピンポンへと再構成された。調停機構の破壊魔導は、俺にとってはただの「数値の入力し直し」で、一瞬にして快適なレジャー空間へと変換させられた。


「……死の卓球を、昔のただの物理演算テスト扱いして、一瞬で全宇宙最高の優雅な遊戯へと自動固定させたのですか?」

ルナが、虚無の目(しかし瞳は黄金に輝いている)で、いつの間にか浴衣姿に着替えさせられ、俺と楽しげに黄金の球を打ち合っている己の状態を見上げる。


「おいおい、そんなに焦らなくても、この世界のすべての物理法則は俺の計算式ひとつさ」


俺が微笑み、空間を軽やかにスワイプすると、ルナの視線が俺の指先に引き寄せられる。卓球台のネットの奥に、次のステージへと続く「黄金のキャットウォーク」が自動生成されていく。


「さあ、お前の席はいつでも俺のすぐ隣だ。完全に俺の支配下となったこの最高品質な遊戯のステージで、次はどんな極上の退屈しのぎを見せてくれるのか、じっくり楽しもうじゃないか」


俺を中心に、完全掌握した卓球空間にして、すでに最高の配置で寄り添うルナ。その圧倒的な調和を纏ったまま、俺たちは世界の規則すら完全にプライベートな玩具としたその先へと、優雅にステージを移行させるのだった。

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