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第7話:無能な新勇者からの通信と、絶対強者の嘲笑

エルフレデが俺への絶対の忠誠を誓った翌日。

邸宅のリビングで、空間が突如として歪み、青白い光と共に一台の『遠隔通信魔導具』が勝手に起動した。


投影された立体映像の中に現れたのは、帝国の玉座にふんぞり返る無能な新勇者レナードの、ニヤついた顔だった。


「よお、無能のディアス。元気にしてたか? 俺の放った最精鋭の『黒鉄騎士団』に囲まれて、今頃ガタガタ震えながらエルフレデと10億ゴルドを引き渡す準備をしてる頃だと思ってな!」


どうやらこいつは、先遣隊が昨日、俺の邸宅の門外で『重力のシミ』に変えられたことすら、まだ報告を受けていないらしい。帝国の情報網の無能さが、読者の優越感を極限まで刺激する。


「レナード、お前は相変わらず哀れなほどに情報が遅いな」


俺はソファに深く腰掛けたまま、冷たく笑った。


「あぁ? 何を強がってやがる。お前のような魔法しか使えない引きこもりが、帝国の最精鋭に勝てるわけねえだろ!」


「なら、お前のその通信魔導具の広域探知機能を使ってみろ。お前たちが自慢していた鉄クズどもが、今どこで何をしているか」


レナードは不審そうに顔をしかめ、手元の端末を操作した。

次の瞬間、彼の顔から血の気が完全に引いた。


「な……ば、馬鹿な! 黒鉄騎士団の生命反応が……全員『ゼロ』だと!? 反応地点はディアスの屋敷の門前……。おい、何が起きた! どんな卑怯な罠を使ったんだ!」


「罠など使っていない。ただ、俺の敷地に入ろうとしたから、少しだけ重力を重くしてやっただけだ。文字通り、一瞬ですり潰されたよ」


「ひ、一瞬で……騎士団を……!?」


レナードはガタガタと震え、隣の美女の肩を掴む手にも力が入っている。

これこそがなろうの王道、【主人公の何気ない一言で、敵が絶望して顔を青ざめさせる(顔芸)】のカタルシスだ。


その時、俺の背後から、新しく新調したシルクのドレスをまとったエルフレデが、静かに歩み出てきた。

その胸元には、以前よりも遥かに強大で神聖な魔力が、眩いほどの光を放って渦巻いている。


「レ、エルフレデ!? お前、力を奪われて奴隷になったはずじゃ……その圧倒的な聖魔力は、一体何なんだ!?」


エルフレデは、かつて国を裏切ったレナードを冷徹な目で見下ろし、俺の隣にそっと寄り添った。


「お前たち無能な帝国に壊された私の聖痕は、私の唯一の主であるディアス様の手によって、完全に、以前よりも強く再生された。レナード、お前たちに告げておくわ。ディアス様に牙を剥いたこと、その首を洗って後悔しなさい」


「主、だと……!? あのエルフレデが、ディアスを『様』付けで呼んでいる……!?」


かつてプライドの塊だった最強の聖女が、自分ではなく追放した男に完全に心も身体も捧げている。

その圧倒的な敗北感と屈辱に、レナードは顔を真っ赤にして絶叫した。


「ふ、ふざけるなァ! ディアス、調子に乗るなよ! 近いうち、俺が直々に帝国軍の本隊を率いてお前を八つ裂きにしてやる! 覚悟しておけ!」


プツン、と通信が切れる。


俺は残された魔導具を見つめ、ただ退屈そうにため息をついた。

「来るなら来ればいい。その時は、国ごとまとめて消し去るだけだ」


(第8話へ続く)

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