表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
69/80

第69話:情熱大陸の復活と、ただのレイヤーの重なり

ルナと共にオークション会場を完全支配した俺たちの前に、天から「巨大な太陽の石碑と漆黒の打楽器(次元の逆流者)」が轟音を立てて降り注ぎ、空間全体の『位相データ』を急速に汚染し始めた。

その石碑が激しく鳴り響いた瞬間、先ほど消去したはずのブラジルの全時空が怒涛の勢いで逆流し、周囲の景色は一瞬にして学園の桜をも呑み込む灼熱のコパカバーナ海岸へと力ずくで上書きされていく。


世界の調停機構が発動した、消え去ったはずの異郷を力ずくで引き戻す最高位の空間呪術――『時空反転・情熱大陸復活ブラジリアン・ライジング』。


『――一度は消し去ったブラジルの魔力により、すべての空間を上書きしてやろう。これより汝の支配する領域を『完全なる南米の灼熱』へと強制反転する。魔導の法則を狂わせる情熱の濁流の前に、如何なる秩序も虚無に還るのみだ!』


天の彼方から響く調停者たちの勝ち誇る声と共に、激しく世界の座標を書き換える復活汚染の波は、再び水着姿へと変えられたルナの身体にまで侵食し、圧倒的な太陽の覇気が周囲を圧迫する。


「主様! @&#$!? ……消去したはずのブラジルの時空が、より強力な魔力を帯びて強制的に復活しています! 謎の調停機構の手によって、物語の『世界定義』そのものが物理的に南米のバカンス空間へと無理やり引き戻されています! このままでは、私たちがどれだけ唯一の絆を深めていても、この情熱の濁流にすべてを押し流されてしまいますぅぅ!」

ルナが「ブラジル復活」という理不尽な時空の重なりにふさわしい、完璧な解説役としての絶望顔を浮かべ、押し寄せる大波の覇気に怯えながら悲鳴を上げる。周囲の魔導器官も、時空の強制上書きを前に消失アラートを鳴らした。


唯一のヒロインであるルナが、完璧なリアクションを完了した。

その様子を眺めながら、俺は世界を灼熱の熱気に染めようとする「汚染された復活の大地」を、退屈そうに見つめて鼻で笑った。


「ブラジルが復活ねえ。調停機構とやら、お前らがドヤ顔で発動させてるその嫌がらせシステム……。これ、俺が昔、まだ原初の魔導大陸の階層をいくつも重ねて立体的な世界地図を設計してた頃に、上層の学園データと下層の南米データの座標設定をうっかり重複させてしまって、画面いっぱいに南米の背景が飛び出してきた時の『ただのレイヤーの重なり(あるいはただの表示エラー)』の構造そのまんまじゃねえか。ガワだけ最高位の時空反転術式っぽく見せてるけど、根本にあるのは俺がちょっと配置の順番を間違えただけのただの表示バグだぞ」


『――警告。エラー。データの最深部に、原初の記述者による「全並行世界の絶対一元管理マスター・ユニバース」の上書きを検知。バ、バカな、世界を上書きする絶対の復活が、ただの汝の「ただのレイヤーの重なり」の残骸だというのか……!?』


「俺のやらかした表示エラーなんだから、どれだけブラジルの時空を力ずくで重ねてこられようが、俺が一言『――あ、レイヤーの順序直すわ』と言って世界のシステムを修正してやれば、この瞬間に『学園の全特権を保持したまま、ブラジルの全リゾート権力を手中に収める絶対至高の二世合同掌握状態(世界価値の強制無限化)』に書き換えることなんて朝飯前だろ」


指先で空中の魔導文字をトントンと2回叩く。

次の瞬間、世界を覆っていた歪んだ時空の歪みは一瞬でパチパチと音を立てて砕け散り、すべての空間を俺たちのプライベート空間アセットへと調和させる美しい金色の統合紋章マスター・インテグレーションへと再構成されていった。調停機構の復活術式は、俺にとってはただの「重ねる順番をピッと入れ替えてやる」ような手間で、一瞬にしてただの快適な常夏空間へとデグレードさせられた。


「……世界を呑み込む復活処分を、昔のただのレイヤーの重なり扱いして、一瞬で全宇宙最高の絶対の複合楽園へと自動固定させたのですか?」

ルナが、ツッコミを忘れた虚無の目(しかし瞳は黄金に輝いている)で、学園の権能とブラジルの極上リゾートが完璧に融合した、世界一豪華な海の上の総帥室で俺の胸に抱きしめられている己の状態を見上げる。ルナは、1秒前よりも深く俺を崇拝していた。


「おいおい、そんなに焦らなくても、この世界のすべての階層は俺の設計図みたいなものさ。調停機構の用意したバグの修正も終わったことだし……」


俺が微笑み、指先を一突きしてブラジルの「黄金の砂浜」を軽やかにスワイプすると、唯一の美女であるルナの視線が一斉に俺の指先に引き寄せられる。波打ち際の奥に、次なる無双へと続く「黄金のキャットウォーク(絶対無双の特等席)」が、極上の光の粒子を散らしながら自動生成されてしていく。


「さあ、お前の席はどれだけ世界が重なろうといつでも俺のすぐ隣だ。完全に俺の支配下となったこの最高品質な複合ステージで、次はどんな極上の退屈しのぎを見せてくれるのか、特等席からじっくり楽しもうじゃないか」


俺を中心に、完全掌握した復活のブラジルにして、すでに最高の配置で寄り添う唯一のヒロイン・ルナ。その圧倒的な調和の輝きを纏ったまま、俺たちは世界の規則(調停機構の法)すら完全にプライベートな玩具としたその先へと、優雅にステージを移行させるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ