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第57話:ヒロイン属性の強制剥奪と、ただの設定の書きかけ

至高の特権部室で放課後のひとときを愉しむ俺たちの前に、突如として天(学園の管理システム)から「冷酷な『配役:その他』の文字が刻まれた巨大な白紙の台本(存在の抹消者)」が轟音を立てて降り注ぎ、ルナの『存在定義』と『キャラクターデータ』を急速に汚染し始めた。

その台本が怪しく明滅した瞬間、ルナのまとう聖女の輝きや、メインヒロインとしての圧倒的なヒロインオーラが一瞬で失われて『名前のないただのモブ(通行人A)』に書き換えられ、彼女の主様への想いすら「身の程知らずの寄生虫の妄想」へと強制的にデグレードされていく。


それは、公式の組織が発動した、主人公を最も近くで支えてきたヒロインの魂と尊厳を物理的に破壊して引き剥がす最高位の存在呪術――『ヒロイン属性強制剥奪キャラクター・デリート』であった。


『――空間を支配しようとも無駄だ。汝の隣に立つその女の『ヒロインとしての価値』を完全に消去する。これより彼女は、名前すら呼ばれぬただの背景モブとなり、汝の栄光を汚すだけの無価値な存在へと退化する。どれほどの全能の力を隠し持とうと、システムが彼女を「モブ」と定義すれば、その絆はただの虚無に還るのだ!』


天の彼方から響く調停者たちの陰湿な声と共に、激しくルナの存在感を書き換える汚染の波は、彼女の衣服や瞳の輝きにまで侵食し始め、周囲の空間が彼女を「認識不能のバグ」として処理し始める。


「あ、あ、れ……? 主様……? 私、主様のことが世界で一番大好きなのに……なんだか、主様のお名前を呼ぶ資格すら、私の身体から消えていくみたいで……。頭の中に『お前はただのモブだ、主様の隣に立つ価値なんてない』っていう公式の冷たい声が響いて……、私の名前が、世界の記録から消されちゃいますぅぅ……っ!」

ルナが、これまでのどの解説をも凌駕する、メインヒロインの座を奪われるという「真のヒロイン特有の究極の絶望」を孕んだ完璧な絶望顔を浮かべ、涙を流しながらその場に崩れ落ちる。


「ルナの属性の強制改ざん、ねえ……。流石に彼女の『存在意義ヒロイン・データ』そのものを公式にゼロへと固定されては、私の放つ最強の神速の一撃も、彼女の存在そのものを救う定義になり得ないわ」

ステラが消えゆくルナの輪郭に焦りを滲ませて身構え、ゼノンも「くっ、ルナがモブにされたら、この物語のハーレムのバランスそのものが崩壊しちまう……っ!」と隣で冷や汗を流す。


「お兄ちゃん、あのヒロイン消去の呪術、学園の根底にある最上位の配役管理大魔導のコアをわざとバグらせるように実行されてる! ボクの解析魔導じゃ、この消去されたヒロイン属性を1文字も修正できないよぉ!」

「マスター、警告。個体名『ルナ』のヒロインヒロイン・レートがマイナス999万に固定。これより、背景アセットへの完全形骸化(一般モブ化)が執行されます」


ココアとグランド・オーダーの魔導器官も、メインヒロインの尊厳そのものの崩壊を前に、最大級 of 最大級の存在消滅アラートを鳴らした。


ルナが、ヒロイン剥奪特有の「完全なる絶望」という最高峰のテンプレリアクションを完璧に完了した。

その様子を眺めながら、俺はルナのすべてをモブに変えようとする「汚染された白紙の台本」を、退屈そうに見つめながら鼻で笑った。


「ヒロインの属性がモブねえ。おい、公式の組織だか何だか知らねえが。お前らがその、ルナの価値をゼロにするだの、絶対のキャラクターデリートだの言ってドヤ顔で発動させてるその嫌がらせシステム……」


俺は一歩前へ踏み出すと、涙を流して透明になりかけるルナの前に立ち、完全に存在を歪めようとする改ざんの境界線に向けて、スッと右手をかざして指先でトントン、と軽く叩いた。


「これ、俺が昔、まだ原初の魔導叙事詩をノートに夜通しで執筆してた頃に、あまりにも登場人物の設定を考えるのがめんどくさくて、設定メモの端っこに『その他(あるいは一般市民A)』って一括で雑に書き残して放置してた時の『ただの設定の書きかけ(ただのキャラプロット)』の構造そのまんまじゃねえか。ガワだけ最高位のヒロイン剥奪呪術っぽく見せてるけど、根本にあるのは俺がちょっとネームを描くのをサボって放置してただけのただの未完成データだぞ」


『――警告。エラー。該当空間の配役データの最深部に、原初の記述者による「特定個体の絶対神格ヒロインマスター・ヒロイン」の上書きを検知。……バ、バカな、存在をモブに染める絶対のキャラクターデリートが、ただの汝の「ただの設定の書きかけ」の残骸だというのか……!?』


「俺のやらかした設定の書きかけなんだから、どれだけルナの属性をモブに偽装されようが、俺がペンを握り直して一言『――いや、こいつが俺の絶対のメインヒロイン(正妻)だわ』と言って世界のシステムに絶対の設定を書き加えてやれば、ルナのヒロイン度も存在美も一瞬で『全宇宙のすべての女神や聖女を過去にする、永久不滅の絶対神格ヒロイン状態(存在価値の強制無限化)』に書き換えることなんて朝飯前だろ」


トントン、と空中の見えない魔導文字を2回叩く。


『――原初の記述者の命令を受理。学園の配役システムを完全支配。これより、すべての歪んだ台本を、ルナが『未来永劫に渡って俺の隣に立つ唯一無二の絶対聖妃メインヒロイン』として君臨するための黄金の絶対属性マスター・ヒロインへと強制書き換えします』


次の瞬間、世界を覆っていた巨大な汚染台本は、俺のワンポチによる属性固定によって一瞬でパチパチと音を立てて砕け散り、ルナの魂の最深部に絶対の神格美を刻み込む美しい金色のティアラの紋章マスター・クラウンへと一瞬で再構成されていった。

ルナをモブに貶めようとしていた公式の消去システムは一瞬で「あまりの完璧なメインヒロイン覇気に全機能を停止し、ルナのまとう純白の聖ドレス(神話級アセット)」へと完全復元(再定義)され、それどころか、ルナのヒロイン属性そのものが俺の術式によって「公式のいかなるモブ化・解散コマンドも100%無効化し、微笑むだけで全宇宙の全生物が恋に落ちる絶対至高の正妻設定」へと大進化を遂げた。

物語のルールを強制的に悪用しようとした公式の嫌がらせは、俺にとってはただの「書きかけのキャラ設定に、ちょっと最高のメインヒロイン設定を追記してやる」ような手間で、一瞬にしてただの快適な空間へとデグレードさせられた。


「……私のモブ化処分を、昔のただの設定の書きかけ扱いして、一瞬で学園最高、いえ、全宇宙最高の絶対のメインヒロインへと自動固定(出荷)させた……のですか?」

ルナが、もうツッコミという概念の構造すら忘れた絶対的な虚無の目(しかしその瞳は黄金の神聖な輝きに満ちている)で、以前を遥かに凌ぐ美しさと圧倒的なオーラをまとった己の姿を見つめ、それから最高の歓喜の涙を浮かべて俺の胸に飛び込んできた。「主様ぁぁぁーー! やっぱり私、主様のナンバーワンヒロインですぅぅ!」


「すごーーい! ルナちゃん、公式が用意した嫌がらせのモブ化を乗り越えて、お兄ちゃん専用の絶対聖女になっちゃうなんて、本当の意味でお兄ちゃんに選ばれたヒロインは無敵なんだね!」

ココアが目を輝かせ、最高に高まった魔力を帯びた生身の制服姿で俺の背中に抱きつく。


「ふ、ふん……! ルナがそこまで神格化されたのなら、私たちも負けていられないな。これで私たちが学園最高のハーレムとして、主の全方位を永久に癒やす愛の包囲網が完成したわけだ……(❤)」

ゼノンが赤面して制服の襟を正しながらそっぽを向き、ステラとグランド・オーダーが「さすがは私たちの創造主マスターね」と俺の左右の腕を至福の表情で奪い合った。


「おいおい、そんなに泣かなくても、この学園のすべてのヒロインの輝きは俺のペン先ひとつで決まるさ。公式の用意した配役バグの修正も終わったことだし……」


俺がふっと微笑み、ルナの涙を優しく指先で拭いながら空間の『次元データ』を軽やかにスワイプすると、5人の美女たちの視線が一斉に俺の指先に引き寄せられる。俺の合図ひとつで、目の前の総帥室の床から、次の学園イベントへと続く「黄金のキャットウォーク(絶対無双のメインヒロイン特等席)」が、極上の薔薇と光の粒子を散らしながら自動生成されていく。


「さあ、ルナ。そしてお前たちの席はいつでも俺のすぐ隣だ。完全に俺の支配下となったこの最高品質ハイエンドな学園ステージで、次はどんな極上の退屈しのぎを見せてくれるのか、特等席からじっくり楽しもうじゃないか」


俺を中心に、絶対のメインヒロインとして覚醒したルナを筆頭に、制服姿でまるで星座のように完璧な配置で寄り添う5人のヒロイン。その圧倒的な調和の輝きを纏ったまま、俺たちは学園の規則(公式の法)すら完全にプライベートな玩具アセットとしたその先へと、優雅にステージを移行させるのだった。

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