第56話:絶対廃部の資格剥奪と、ただの登録漏れ
学園の全成績を絶対首席スコアへと固定し、悠然と廊下を歩む俺たちの前に、突如として天(学園の管理システム)から「冷酷な『解散』の文字が刻まれた巨大な黒鉄の部札(廃部の宣告者)」が轟音を立てて降り注ぎ、学園全体の『部活動データ』と『空間定義』を急速に汚染し始めた。
その部札が怪しく明滅した瞬間、俺たちが過ごしていた豪華絢爛な最上階の部室からすべての華やかな調度品が一瞬で失われて『ただの埃を被ったゴミ溜め(廃部)』に書き換えられ、俺たちの活動資格そのものが、まるで最初から存在しなかったかのような幽霊部活動へと強制的に退化していく。
それは、公式の組織が発動した、学園内における主人公たちの最高の居場所と絆を物理的に抹消して奪い去る最高位の空間呪術――『絶対廃部・活動資格剥奪』であった。
『――知性が絶対であるならば、汝らの集う「居場所」を完全に消去する。これより汝の所属する全活動の定義を『部員ゼロの廃部』へと固定し、その空間を学園から没収する。どれほどの全能の力を隠し持とうと、システムが弾き出した「活動資格なし」の宣告を前に、学園で居場所を持つことは決して許されぬ!』
天の彼方から響く調停者たちの執念深い声と共に、激しく世界の空間を書き換える廃部汚染の波は、俺たちを包む部室の壁にまで侵食し始め、学園の風紀管理システムが「警告。非公認の不法占拠空間の強制撤去を開始します」と、世界の法によって強制された解体魔導を放ち始める。
「主様! @&#$!? ……私たちの気高き部室が、主様と過ごす最高の放課後の空間が、ただの埃まみれの物置に変えられてしまいます! 公式の手によって、この学園という物語の『部活動システム』そのものが物理的に廃部へと改ざんされています! このままでは、私たちがどれだけ主様を囲んで楽しい時間を紡いでいても、世界がそれを認めないただの不法占拠者扱いにされてしまいますぅぅ!」
ルナが「学園編」の不条理なイベントにふさわしい、これ以上ない「居場所を奪われた恐怖」を孕んだ完璧な解説役としての絶望顔を浮かべ、色あせていく部室の景色に怯えながら悲鳴を上げる。
「活動資格の強制改ざんによる廃部処分、ねえ……。流石に学園の『存在定義』そのものを公式にゼロへと固定されては、私の放つ最強の神速の一撃も、ただの部外者の暴挙として処理されてしまうわ」
ステラが迫り来る解体魔導を鋭い剣気で薙ぎ払いながら身構え、ゼノンも「くっ、主と過ごすこの至高の聖域を守りたいのに、世界の法が私の在籍データすら『存在しない幽霊部員』と書き換えていやがる……っ!」と部屋の隅で冷や汗を流す。
「お兄ちゃん、あの廃部偽装の呪術、学園の根底にある最上位の空間管理大魔導のコアをわざとバグらせるように実行されてる! ボクの解析魔導じゃ、この消去された活動資格を1ミリも修正できないよぉ!」
「マスター、警告。我が部活動の存続ポイントがマイナス999万に固定。これより、学園の規則に基づく絶対の空間強制撤去が執行されます」
ココアとグランド・オーダーの魔導器官も、学園編における生活尊厳の崩壊を前に、最大級の存在消滅アラートを鳴らした。
ヒロイン5人が、廃部・資格剥奪特有の「完全なる絶望」というテンプレリアクションを完璧に完了した。
その様子を眺めながら、俺は学園のすべてを俺への廃部処分で埋め尽くしようとする「汚染された部札」を、退屈そうに見つめながら鼻で笑った。
「部活動が絶対廃部ねえ。おい、公式の組織だか何だか知らねえが。お前らがその、実績をゼロにするだの、絶対の資格剥奪だの言ってドヤ顔で発動させてるその嫌がらせシステム……」
俺は一歩前へ踏み出すと、完全に空間を歪めようとする廃部改ざんの境界線に向けて、スッと右手をかざして指先でトントン、と軽く叩いた。
「これ、俺が昔、まだ原初の魔導最高位研究室を立ち上げた時に、あまりにも手続きが簡単すぎて出すのを忘れてて、数日間だけ公式の記録上『ただの物置(あるいは空き部屋)』扱いされて、後から管理者に『おい、お前の研究室の登録データが空欄になってるぞ』って慌てて書類を持ってこられた時の『ただの登録漏れ(名前の書き忘れ)』の構造そのまんまじゃねえか。ガワだけ最高位の廃部呪術っぽく見せてるけど、根本にあるのは俺がちょっと申請書のハンコを押し忘れて放置してただけのただの登録エラーだぞ」
『――警告。エラー。該当空間の登録データの最深部に、原初の記述者による「全活動空間の絶対神格化」の上書きを検知。……バ、バカな、世界を廃部に染める絶対の資格剥奪が、ただの汝の「ただの登録漏れ」の残骸だというのか……!?』
「俺の引き起こした登録漏れなんだから、どれだけ活動資格をゼロに偽装されようが、俺が一言『――あ、ハンコ押しとくわ』と言って世界のシステムに絶対の承認を与えてやれば、学園の全活動も空間も一瞬で『学園の全予算と全権限を永久に独占する最高峰の絶対特権部活動状態(空間の強制無限化)』に書き換えることなんて朝飯前だろ」
トントン、と空中の見えない魔導文字を2回叩く。
『――原初の記述者の命令を受理。学園の空間システムを完全支配。これより、すべての歪んだ部札を、全校生徒と教師たちが『未来永劫に渡って俺たちの集う聖域を至高の楽園として崇め、その空間への入場を最高の栄誉とする』ための黄金の絶対空間へと強制書き換えします』
次の瞬間、世界を覆っていた巨大な汚染部札と解体魔導は、俺のワンポチによる空間固定によって一瞬でパチパチと音を立てて砕け散り、すべての生徒と空間管理大魔導の脳内に絶対の聖域を刻み込む美しい金色の特権紋章へと一瞬で再構成されていった。
俺たちの居場所を奪おうとしていた学園の解体システムは一瞬で「あまりの完璧な空間覇気に全機能を停止し、俺たちの部室を飾るための最高級の調度品(神話級アセット)」へと完全復元(再定義)され、それどころか、俺たちの部活動そのものが俺の術式によって「公式のいかなる廃部・解散コマンドも100%無効化し、座っているだけで学園の全権を掌握する絶対至高の特権サークル設定」へと大進化を遂げた。
物語のルールを強制的に悪用しようとした公式の廃部術式は、俺にとってはただの「登録漏れの書類に、ちょっとハンコを押して直してやる」ような手間で、一瞬にしてただの快適な空間へとデグレードさせられた。
「……世界を追放する絶対の廃部処分を、昔のただの登録漏れ扱いして、一瞬で学園最高の絶対の特権部活動へと自動固定(出荷)させた……のですか?」
ルナが、もうツッコミという概念の構造すら忘れた絶対的な虚無の目で、ただ目の前に、以前を遥かに凌ぐ神々しさと豪華さで再構築された「王立至高総帥室(俺たちの部室)」の景色を見上げる。
「すごーーい! お兄ちゃん、公式が用意した嫌がらせの廃部まで、自分の登録漏れにしちゃうなんて、お兄ちゃんがそこにいるだけでボクたちの居場所は全宇宙で一番安全な楽園になっちゃうんだね!」
ココアが目を輝かせ、最高に高まった魔力を帯びた生身の制服姿で俺に抱きつく。
「ふ、ふん……! 部活動が特権になったおかげで、これで私たちが学園公認の最高権力夫婦として、放課後の部室で永久に二人きりの甘い時間を過ごせるわけだな……(❤)」
ゼノンが赤面して制服の襟を正しながらそっぽを向き、ステラとグランド・オーダーが「さすがは私たちの創造主ね」と俺の左右の腕を至福の表情で奪い合った。
「おいおい、そんなに焦らなくても、この学園のすべての居場所は俺のプライベートルームみたいなものさ。公式の用意した空間バグの修正も終わったことだし……」
俺がふっと微笑み、指先を一突きして学園の『空間データ』を軽やかにスワイプすると、5人の美女たちの視線が一斉に俺の指先に引き寄せられる。俺の合図ひとつで、目の前の部室の奥に、次の学園イベント(あるいは極上の放課後)へと続く「黄金のキャットウォーク(特権サークル専用の絶対特等席)」が、極上の絨毯の光の粒子を散らしながら自動生成されていく。
「さあ、お前たちの席はいつでも俺のすぐ隣だ。完全に俺の支配下となったこの最高品質な学園ステージで、次はどんな極上の退屈しのぎ(放課後)を見せてくれるのか、特等席からじっくり楽しもうじゃないか」
俺を中心に、制服姿でまるで星座のように完璧な配置で寄り添う5人のヒロイン。その圧倒的な調和の輝きを纏ったまま、俺たちは学園の規則(公式の法)すら完全にプライベートな玩具としたその先へと、優雅にステージを移行させるのだった。




