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第23話:超巨大魔導アーマーと、天才幼女のおもちゃ

「見つけたぞ、侵略者ども! ボクの防衛線を突破し、ゼノンまでたぶらかした不届き者は貴様らだな!」


ゼノンを仲間に加え、外宇宙の本拠地へと続く回廊を進んでいた俺たちの前に、今度は一機の大柄なロボット――全高十メートルはあろうかという、禍々しい超巨大魔導アーマーが立ち塞がった。


そのコックピットハッチから身を乗り出していたのは、大きなゴーグルを頭に乗せ、ぶかぶかの白衣を着た、いかにも生意気そうな小柄な少女だった。


「ボクは外宇宙最高峰の天才科学者、ココア! ボクの最高傑作『終焉を告げる魔導巨神エンド・ギガント』の超重力砲で、まとめて宇宙の塵になりな!」


ココアが勝ち誇ったように笑うと、魔導アーマーの砲口に星すら吸い込みそうな暗黒の重力エネルギーが収束していく。


「主、あれは危ないです! 空間そのものを圧縮して消滅させる兵器ですよ!」

ルナがいつものように親切な解説を添える。


だが、俺は溜め息を一つ。


「ロボットねえ。男のロマンとしては悪くないが……装甲が薄すぎるな」


俺は弾丸のような速度で肉薄すると、エネルギーが発射されるより早く、魔導アーマーの重装甲のド真ん中へ、軽く右手の指先を向けた。


――パチン。


ただの、軽いデコピン。

だが、そこから放たれた衝撃(質量改変)は、外宇宙の超希少金属で作られたはずの巨神の装甲を、まるで「アルミホイルのように」一瞬でクシャクシャにへし折った。


ズガァァァァァン……ッ!!!


「ふぇ!? ボ、ボクの最高傑作が、ただのデコピンでぇぇぇ!?」


動力炉をピンポイントで止められた魔導アーマーは、爆発することすら許されず、ただの鉄クズとなってその場に沈黙した。

コックピットから放り出され、尻もちをついたココアは、ペシャンコになった愛機を見て、みるみるうちに大きな目に涙を溜めていく。


「う、うわぁぁぁん! ボクが三日三晩徹夜で作ったギガントがぁ! この化け物! 乱暴者! 最低のバグ男ぉぉぉ!」


ワンワンと泣きじゃくる天才幼女。

俺は流石に少しうるさいなと思い、ポケットの中から、道すがら適当に手慰みで作った「光り輝くルービックキューブのような物体」を取り出し、彼女の目の前に転がした。


「ほら、泣くな。これでも休日に作って遊んでろ」

「な、何さこんな子供騙しの……え?」


涙を拭いながらココアがその物体に触れた瞬間、彼女の天才脳に電流が走った。


その小さな立方体には、彼女が一生をかけても解明できないレベルの外宇宙の法則、因果の配列、そして未知の数式が完璧な美しさで凝縮されていたのだ。回すたびに、周囲の空間の重力が緻密にコントロールされるのがわかる。


「こ、これ……空間歪曲と次元演算を完全に調和させた、永久機関おもちゃ……!? 貴様、こんな神をも超えるオーパーツを、ただの手慰みで作ったっていうのか……!?」


ココアは完全に脳のキャパシティを破壊され、目がハートマーク(技術への狂信)になりかけていた。


「すごい……すごすぎるよぉ! お兄ちゃん、ボクを弟子にして! いや、ボクを貴様の所有物にして、もっとこういうの作ってぇぇぇ!」

ガバッと俺の足元にしがみついてくるココア。


「ちょっと! 新顔のロリ科学者! 主の足から離れなさい!」

「あらあら、また随分と騒がしいのが懐いちゃったわね」

「貴様、ずるいぞ! 私は頭を撫でられただけなのに、そいつにはそんな凄そうなおもちゃを……っ!」


ルナのツッコミ、ステラの微笑、ゼノンの嫉妬、そしてココアのおねだり。

こうして、俺の背後には、いよいよもって隙のない「なろうテンプレ・完璧なハーレム陣形」が機械的に完成するのだった。

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