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第22話:外宇宙の女騎士と、理不尽な頭ポンポン

「貴様らかッ! 我が軍の誇る防衛要塞を跡形もなく消し去った不届き者は!」


ステラとルナが俺を挟んで火花を散らしていると、次元の裂け目から空間を切り裂いて、一人の女戦士が猛然と姿を現した。


露出度の高い黒銀の魔甲冑に身を包み、身の丈ほどもある巨大な大剣を軽々と肩に担いだ、勝ち気な目元の美少女。外宇宙の侵略軍を率いる若きエース、魔騎士ゼノンだった。


「私は外宇宙軍第一精鋭大隊長、ゼノン! 防衛線を突破されたと聞いて来てみれば、地上界のバグ風情が調子に乗りおって……! ここで我が大剣のサビにしてくれるわ!」


ゼノンが凄まじい敵意を放ちながら、超次元の速度で肉薄してくる。

その大剣から放たれた一撃は、惑星をも両断せんばかりの暗黒エネルギーを纏っていた。


「主、危ない! あれは時空すら歪める暗黒剣です……!」

「あらあら、元気な女の子ね」


ルナが慌てて叫び、ステラが余裕の笑みを浮かべる中、俺はただ退屈そうに右手を一歩前に出しただけだった。


キィィィィィィィン……ッ!!


「な……っ!? ガハッ……!?」


ゼノンの渾身の一撃は、俺の左手の人差し指、ただ「爪の先一本」によって完全に受け止められていた。

激突の衝撃波すら発生させず、暗黒のエネルギーは俺の指先に触れた瞬間、システムエラーを起こしたようにシュンと消滅する。


「ば、バカな……! 我が絶対の魔剣を、指先一つで……!? 貴様、一体どんな不正チートを――」

「必死だな。お前」


「ひゃうんっ!?」


驚愕で動きを止めたゼノンの頭に、俺はぽんと右手を置いた。

そして、その癖のあるツインテールの頭を、優しく、だが圧倒的な実力差を見せつけるように、ゆっくりと撫で回した(頭ポンポン)。


「な、ななな……何を、何をしていやがるッ! 放せ、この無礼者! 私は誇り高き魔騎士――」

「そんなに肩肘張って戦ってると、すぐに限界が来るぞ。少しは力を抜け」


「くっ、殺せ……! 殺せぇぇぇ!」


お決まりのセリフを叫ぶゼノンだったが、その顔は耳の裏まで真っ赤に染まっていた。

生まれて初めて自分を圧倒し、あろうことか子供のように優しく扱ってきた男。その理不尽な強さと大人の余裕の前に、彼女の戦士としてのプライドは一瞬で消し飛び、代わりに未体験の感情が胸の中で暴走を始めていた。


「主! またですか!?」

ルナが頭を抱えて絶叫する。


「あらあら、また可愛い妹分が増えちゃったわね」

ステラが楽しそうにクスクスと笑う。


「ふ、ふん! 勘違いするなよ! 助けてもらった(負けた)わけじゃないんだからね! 貴様の底底そこそこ底知れない力を近くで見極めるために、一時的に同行してやるだけなんだから!」


顔を真っ赤にしたまま、大剣を収めてそっぽを向くゼノン。

こうして、外宇宙の最強エースは、出会ってわずか数分で完璧な「ツンデレ・チョロイン」として、俺のハーレムの隊列へと機械的に組み込まれるのだった。

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