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第18話:神界の大結界と、最高神たちの自爆祭り

歪みの中心を通り抜け、俺とルナが辿り着いたのは、雲海の上に黄金の宮殿がそびえ立つ未知の世界――『神界』だった。


だが、宮殿へと続く唯一の白亜の橋の手前で、文字通り世界を遮断するような、圧倒的な密度の神聖エネルギーの障壁が立ち塞がった。


「主、あれが神界の絶対防衛線『始祖の三重結界』です……! 地上のいかなる魔法も通さず、触れたものを概念ごと消滅させます。これを解除するには、神界の三つの神殿にある『創世の鍵』を揃えるしか――」

「いや、めんどくさいだろ、そんなの」


俺はルナの丁寧な解説をバッサリと切り捨て、結界の表面にそっと右手を触れさせた。


「な、何を……!? 触れたら消滅して――え?」


ルナが悲鳴を上げるより早く、結界の黄金の光が、俺の指先からドス黒い魔術回路へと染まり変わっていく。


――『神聖コード改竄・セキュリティ乗っ取り(バックドア・ハック)』。


「さて、神界の防衛システムをハッキングしたぞ。……お、ご丁寧に『自動迎撃用・神罰の雷撃砲』が五百門ほど、この結界と連動して宮殿に配備されてるな」

「は、ハッキング……!? 神の結界を、一瞬で……?」


俺は空中に浮かべた魔力画面を適当に操作し、迎撃砲のロックオン対象を『侵入者(俺たち)』から『登録ユーザー(神々)』へと書き換えて、エンターキーを叩いた。


「よし、トリガー。撃て」


その瞬間、黄金の宮殿の各所から、鼓膜を引き裂くような爆音が連動して鳴り響いた。


ズガガガガガガガガドン……ッ!!!!


「ぎゃあああああ!? なんだ、なぜ神罰の砲台が我らの方を向いている――!?」

「結界が暴走しているぞ! 止めろ、止め……ぎゃあああああ!!」


宮殿の奥から、高貴な神々たちの無様な悲鳴と絶叫が響き渡る。

俺たちが一歩も動かないうちに、神界の最高幹部たちが誇っていた無敵の要塞は、自分たちが用意した最高火力の雷撃によって、内側から派手に火の手を上げて崩壊し始めていた。


「よし、安全が確保されたな。行くぞ、ルナ」

「あ……、あ……」


煙を上げる白亜の橋を、俺は散歩でもするかのように悠々と歩き出す。

ルナは、もはやツッコミを入れる気力すら失ったようで、半ばヤケクソ気味に笑いながら、俺の後ろをただトコトコとついてくるのだった。


「私の知っている神界が、主のワンポチで自滅していく……。もう何が起きても驚きません……」


宮殿の奥からは、パニックになった神々が右往左往する無様な足音が、こちらに向かって近づいてきていた。

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