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第14話:冒険者ギルドの激震と、規格外のステータス

神界の次なる動向を探るため、俺はボロボロの聖衣から一般的な旅装へと着替えさせたルナを連れて、街の冒険者ギルドへと足を運んだ。


一歩足を踏み入れた瞬間、ギルド内がシンと静まり返る。

いくら気配を隠す魔道具を着けさせたとはいえ、元・女神であるルナの圧倒的な美貌と、隠しきれない神聖なオーラは、むさ苦しい冒険者たちの視線を釘付けにするには十分すぎた。


「おい、あの隣の男……確か、一昨年に50万文字分くらいの依頼を淡々とこなしてた、あの不気味な魔導士だろ……?」

「なんであんな極上美女を連れてやがるんだ……?」


周囲の嫉妬混じりの囁きを無視し、俺は受付嬢の前に立った。いつものベテラン受付嬢・ミーナが、ルナの姿を見て完全に硬直している。


「あ、あの……そちらの連れの方は……?」

「新しく俺のパーティーに入れる。一応、仮の奴隷契約(安全のため)を結んでるから、身元保証は俺だ。冒険者登録の更新と、神界――いや、最近この付近で妙な空間の歪みや、高位の魔力反応がないかの情報が欲しい」


「奴隷!?」と周囲の冒険者たちが色めき立つ。ルナ自身は「主の奴隷(仮)……ふふ、悪くない響きです」などと頬を染めて呟いているが、これもスルーだ。


「わ、わかりました。では、手続きのために、こちらの魔力水晶に手をかざしてステータスカードの作成をお願いします……」


ミーナが震える手で差し出してきた最高級の測定水晶に、ルナが細い指先をそっと触れさせた。

その瞬間。


ピキィィィィン……ッ!!


ギルドに設置された巨大な魔力測定器が、見たこともない漆黒と黄金の光を放ち、アラートの爆音を響かせた。水晶の内部に、ルナのステータスが魔力文字で浮かび上がる。


【氏名】ルナ

【種族】元・神族(一級神)

【レベル】測定不能(地上換算:999+)

【保有魔力量】神格魔力:測定限界突破

【固有スキル】『運命操作(劣化版)』『天界魔術』『始祖神への反逆』


「な……ッ!?」


ミーナは悲鳴のような声を上げ、そのまま白目を剥いて椅子から転げ落ちそうになった。周囲の冒険者たちも、その文字を目にした瞬間、持っていた酒杯を床に落としてガタガタと震え出している。


「か、神族……!? レベルが測定不能……!? おい、何かの間違いだろ、ギルドの測定器がバグりやがった!」

「バカ言え! あの測定器は国宝級の魔道具だぞ! というか、あのスキル欄……『始祖神への反逆』ってなんだよ!?」


ギルド中がパニックに陥る中、俺はハァ、と深いため息をついた。


「おいおい、これでもだいぶ魔力を隠蔽させたつもりだったんだがな。測定器の感度が良すぎるのも考えものだ」


俺は気絶しかけているミーナの頭に、そっと手をかざして精神安定魔法メンタル・ケアをかける。


「ミーナさん、これはただのバグだ。カードの発行だけ済ませてくれ。それと……このステータスを上に報告したら、どうなるか分かるよな?」

「ひ、ひぇっ……! は、はい! 完全なギルド最高機密(国家転覆級)として、厳重に封印いたしますぅ!」


涙目で頭を縦に振るミーナから、俺は素早くルナのカードを回収した。


「行こう、ルナ。どうやらこの街のギルドじゃ、神界の情報はまだ掴めていないみたいだ。直接、空間の歪みを探しに行くぞ」

「はい、主! どこまでもお供します!」


ルナは嬉しそうに俺の腕にしがみついてくる。背後からは、恐怖と羨望が混ざった、言葉にならない絶叫がいつまでも響き渡っていた。

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